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ラグビー コラム 2022年2月18日

いよいよ今節から交流戦がスタート。地元駒沢でブラックラムズが充実のスピアーズに挑む。リーグワン第6節プレビュー。

ラグビーレポート by 直江 光信
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ブラックラムズ東京 vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

「ジャパンラグビー リーグワン」のディビジョン1は、ホスト&ビジターの2回戦で行われる同一カンファレンス内の1巡目の対戦が終了し、今週末から別カンファレンスのチームが激突する交流戦に入る。3月27日の第11節まで6節に渡って開催されるシリーズのオープニングマッチのひとつが、2月19日土曜日に駒沢オリンピック公園陸上競技場で行われるリコーブラックラムズ東京クボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦(14時30分キックオフ)だ。

第5節終了時点のポイントテーブルを見ると、2勝3敗(うち不戦勝1、不戦敗1)の勝点12で7位につけるホストチームのブラックラムズに対し、ビジターのスピアーズは4勝1敗(うち不戦勝1)で勝点20の2位。前節、好調の横浜キヤノンイーグルスに50-21と快勝するなどスピアーズの充実ぶりが目を引くが、ブラックラムズも東京サントリーサンゴリアスに33-36、トヨタヴェルブリッツに19-23と昨季のトップリーグ上位勢を相手に接戦を演じており、チームに勢いがある。ブラックラムズにとっては地元・駒沢での記念すべきリーグワン最初の公式戦でもあるだけに、意地と気迫がぶつかり合う好ゲームになるだろう。

ここまでの戦いぶりを振り返ると、ブラックラムズは攻守ともアグレッシブに体を当て、ボール争奪局面で激しくファイトすることでリズムを作り出してきた。前に出るディフェンスでプレッシャーをかけて反則を誘い、敵陣深い位置でのマイボールラインアウトを起点に粘り強く近場を攻めるのが得意のトライパターンだ。SOアイザック・ルーカスの弾むようなラン、21歳のCTBメイン平の強気の仕掛け、FBマット・マッガーンのオールラウンドな能力も、アタックにアクセントを加えている。

対するスピアーズは、世界一のHOとも称されるマルコム・マークスやジャパンのスキッパー、FLピーター・ラピース・ラブスカフニらが牽引する強力FWと、卓越したプレーメイク力を誇るSOバーナード・フォーリー、CTB立川理道を擁するBK陣のバランスのとれたチーム力が強み。さらに今季はPRオペティ・ヘル、NO8千葉雄太らの成長や万能BK合谷和弘のセブンズ代表からの復帰もあって、戦力の層はさらに厚みを増した。チーム内競争の活性化に加え、個々のコンディションを踏まえてメンバーを柔軟に組み替えられることが、イーグルス戦で見せたような好パフォーマンスにつながっている印象だ。

いずれもFW戦、とりわけセットピースを軸にゲームを組み立てるチームだけに、スクラムとラインアウトでどちらが優位に立てるかが、この試合の趨勢を左右するポイントになるだろう。ともにゴール前でのラインアウトモールが大きな得点源となっており、いかに射程圏内へ入る回数を増やせるかも重要なテーマとなる。その点ではルーカス、マッガーンとフォーリー、FBゲラード・ファンデンヒーファーの蹴り合いも、この一戦の見どころのひとつだ。

実施試合数が違うため単純に比較はできないものの、インプレーにおけるキック数はブラックラムズの59本(1試合平均19.6本)に対しスピアーズは103本(同25.7本)。ラインアウト成功率はスピアーズが95パーセントとリーグ随一の高い数字を残しており、82パーセントのブラックラムズを上回っている。ホストチームのブラックラムズにすれば、キッキングゲームで先手をとっていいエリアで試合を進めることが、勝利の条件となる。

ブラックラムズ東京 スターティングメンバー

発表された登録メンバーを見ていくと、ブラックラムズの前節ヴェルブリッツ戦からの先発変更はひとりだけ。FLで出場した柳川大樹がタラウ・ファカタヴァに替わってLOに上がり、ブレア ・カーワンが6番に入った。スコットランド代表やロンドン・アイリッシュで確かな実績を残してきたハードワーカーのカーワンと、接点で強さを見せるFL松橋周平、セブンズ代表から復帰し絶好調のNO8ボークコリン雷神という並びは第1節以来。スピアーズの重量パックに対し、このバックロー3人がどのように対抗するかが注目される。

クボタ

一方スピアーズの変更はPR山本剣士、WTB根塚洸雅、CTBテアウパシオネの3人。リザーブから昇格の山本が左PRの位置に入り、前節1番の北川賢吾は3番に移って出場する。法政大学から昨春加入した根塚は、公式戦初出場での初先発だ。東海大仰星高校時代から卓越したラインブレイク能力を発揮してきた天性の走り屋が、SOフォーリー、CTB立川、テアウパ、FBファンデンヒーファーとそうそうたる顔ぶれが並ぶBKラインでどう存在感を示すか、興味深い。

なお、両者の2010年以降の対戦成績ではスピアーズが5勝3敗と勝ち越しており、最後に公式戦で顔を合わせた2018シーズンのトップリーグでもリーグ戦(22-16)、7位決定戦(30-26)ともにスピアーズが勝利している。現在2位のスピアーズにすれば、トップ4の地盤を固められるかという大事な一戦。黒星がひとつ先行しているブラックラムズにとっても、勝敗をイーブンに戻して浮上のきっかけをつかみたい重要な試合だ。熱戦を期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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