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ラグビー コラム 2022年2月17日

大敗からカムバックの強豪対決。第6節屈指の好カード「トヨタヴェルブリッツ×コベルコ神戸スティーラーズ」

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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トヨタヴェルブリッツ vs. コベルコ神戸スティーラーズ

地力を見せてカムバックした強豪同士が相まみえる。

ジャパンラグビーリーグワンのディビジョン1は第6節からカンファレンスA、Bの交流戦が始まる。

2月19日(土)は4勝1敗で3位につけるカンファレンスBのトヨタヴェルブリッツが、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場に、カンファレンスAで8位(2勝3敗)のコベルコ神戸スティーラーズを迎える。

1928年創部の名門スティーラーズのリーグワンは、連敗から始まった。

開幕節はコンバージョンの成否が勝敗を分けた接戦だったが、第2節は横浜キヤノンイーグルスに55-21の大敗を喫した。

過去3シーズンのリーグ戦で無敗(18勝2分)だったスティーラーズが、まさかの開幕2連敗。しかし「ディフェンスの間隔」(橋本大輝主将)など課題を修正して第3節からは2勝1敗と復調した。

第4節埼玉ワイルドナイツ戦では逆転負け(37-41)を喫したが、昨季王者に肉薄する底力は十分に見せただろう。

今季試合中止が一度もないスティーラーズに対し、不戦勝が2試合あるのがヴェルブリッツだ。

実戦の3試合では、まず第2節東京サンゴリアス戦で、42失点(8-50)を浴びる屈辱を味わった。

試合後に敵将のミルトン・ヘイグHCは「トヨタも(コロナ禍のため今週まで)5、6週間は試合ができなかったと聞いている」と敵方の実戦不足に言及したが、ヴェルブリッツは言い訳にしなかった。

そんな殊勝な態度はその後に3連勝(不戦勝1を含む)という形で報われた。

実戦初勝利となった第4節東芝ブレイブルーパス東京戦後、姫野共同キャプテンは「(第2節)東京サンゴリアス戦で少し自分たちの個に走ってしまったところがあった。今週はしっかりチームにコミットしてひとつのチームとして戦うということに取り組んできました」

「その中でしっかりとプランニングを遂行することであったり、コンタクトやプレーの精度が凄くあったので良い結果を得ることができました」と勝利の理由を語った。

ヴェルブリッツはホストスタジアムである愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で滅法強く、トップリーグ時代を含めてリーグ戦の直近11試合で10勝1敗だ。

瑞穂での勝率は実に約9割であり、前節(第5節)ブラックラムズ東京戦でも4点差(23-19)で競り勝っている。

そんなホストで連勝を飾りたいヴェルブリッツの先発メンバーが発表されている。

トヨタヴェルブリッツスターティングメンバー

先発FWは8人中6人が日本人。

平均ボールキャリー数が13.6回でチームトップ、共同キャプテンを務める先発不動のNO8姫野和樹をはじめ、フロントローはPR三浦昌悟、HO加藤竜聖、PR木津悠輔という機動力もある3人。

主力としてたくましく成長したLO秋山大地に、天性のリーダーであるFL古川聖人。そして残るFW2人は現役NZ代表のパトリック・トゥイプロトゥ、南アフリカ代表のピーターステフ・デュトイだ。

ハーフ団はSH茂野海人と、ロングキッカーでキャリアーとしても迫力があるSOティアーン・ファルコン。WTB岡田優輝は今季も堅実かつ強力なキャリアーとして存在感を放っている。FBウィリ-・ルルーはプレーメイカーとして欠かせぬ存在だ。

コベルコ

敵地に乗り込むスティーラーズは、フロントローがPR中島イシレリ、HO有田隆平、PR山下裕史

新加入で運動量豊富なJD・シカリングはフランカーに入った。明大卒で26歳になった前田剛は、先発フランカーとして兵庫・伊丹ラグビースクールで同期のヴェルブリッツWTB岡田と対決。タックラーとしても抜群の張碩煥は先発NO8だ。

ハーフ団はSH日和佐篤、調子を上げているSOアーロン・クルーデンのコンビ。ゲーム主将は1月に21歳になったばかりのCTB李承信が務める。

注目は今季好調のWTBアタアタ・モエアキオラ。2019年W杯はメンバー入りしながら出場がなく悔しい思いをした。2021年日本代表スコッド入りを逃しているが、持ち味であるコリジョン(衝突)局面のみならず、巧みなキックで新ルール「50:22」を決めるなどプレーの幅が広がっている。

ここで両チームのブレイクダウン&セットプレーを比較してみよう。

トヨタ自動車ヴェルブリッツ×コベルコ神戸スティーラーズの「ブレイクダウン&セットプレー」

スティーラーズはスクラム勝率が64%であり安定感に欠く。ヴェルブリッツ戦の先発フロントローは経験豊富な平均年齢33歳の3人(中島、有田、山下)であり、8人一体でスクラムを安定させたい。ヴェルブリッツの先発フロントローは平均年齢26歳(三浦、加藤、木津)で、「若手VSベテラン」というフロントロー同士の駆け引きも見どころだ。

ラインアウト成功率で分があるのがスティーラーズ。5回の実戦で成功率93.3%はハイアベレージだ。

スティーラーズは特に規律正しくディフェンスをしたいところ。現在のヴェルブリッツの得点源のひとつはSOファルコンのプレースキックであり、ハーフライン付近から自陣でのペナルティは3失点に繋がる可能性がある。まずは衝突の局面から有利となり、的確な守備でプレッシャーをかけ続けたい。

スティーラーズは直近11試合で9割の勝利を誇るヴェルブリッツを崩せるか。ヴェルブリッツは4連勝として自信を深めたいところだ。

第6節屈指の好カード。真価を発揮するのはどちらか。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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