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ラグビー コラム 2022年1月31日

【ハイライト動画あり】スピアーズが本拠地・江戸川での初のホストゲームでグリーンロケッツに快勝。リーグワン第4節レビュー。

ラグビーレポート by 直江 光信
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バーナード・フォーリー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイにとっては、本拠地の江戸川区陸上競技場で迎えるリーグワン最初のホストゲーム。地域との連携に意欲的に取り組むクラブだけに、この一戦にかける思いには特別なものがあったはずだ。そして試合は、その意気込みが随所に表れる80分となった。

2節、3節の開催中止で3週ぶりのゲームとなったNECグリーンロケッツ東葛に対し、スピアーズはキックオフ直後から満点の気迫でたたみかける。開始1分過ぎ、今季大ブレイク中のPRオペティ・ヘルがブレイクダウンで球をもぎ取ると、そのまま豪快な突進で22メートル線内へ攻め込む。ラックからすばやく左オープンに展開し、SOバーナード・フォーリーのオフロードを受けたHOマルコム・マークスがポスト下へ走り抜けた。

さらにスピアーズは11分、ゴール前でのマイボールラインアウトから一気にモールを押し込み、マークスが2本目のトライを奪取。12-0として精神的に優位に立つと、以降も強固なセットピースとFWの推進力を軸に、攻勢を強めていく。

26分、ラインアウトからの連続攻撃で狙い通りに相手ディフェンスを崩してフォーリーが左中間に押さえれば、33分には同じようにラインアウト起点の攻撃でフェーズを重ねてゴールラインに迫り、LOデーヴィッド・ブルブリングがラックサイドを割ってインゴールへ。この後、グリーンロケッツも38分にSOフレッチャー・スミスのラインブレイクからHOアッシュ・ディクソンがトライを返したが、26-7とスピアーズが大きく先行して前半を終えた。

サイドが入れ替わった後半は、追いかけるグリーンロケッツが先に得点を刻む。44分、ターンオーバーの切り返しからCTBレメキロマノラヴァが圧巻の個人技で右サイドを駆け抜けポスト右へダイブ。しかしスピアーズは自慢のラインアウトモールを押し込んですかさずトライを挙げると、57分にもスクラムの優勢を利してCTBテアウパシオネが右中間に押さえる。61分には途中出場のSH藤原忍が判断よく密集脇を突いてグラウンディング。たたみかけるような猛攻で、47-12と一気にリードを拡大する。

ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1

【第4節ハイライト】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. グリーンロケッツ東葛

その後、66分にグリーンロケッツのFB児玉健太郎がパスカットから約90メートルを走り切ってトライを返したが、スピアーズも攻撃の手を緩めず、74分にCTB立川理道の防御ライン裏への絶妙なキックを追ったWTB山崎洋之が左コーナーにトライ。以後、77分にグリーンロケッツのWTB後藤輝也、80分にスピアーズのFB金秀隆とそれぞれ1トライずつを追加し、59-26の最終スコアでフルタイムを迎えた。

シーズン初戦となった第2節でNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安に19-9で勝利した後、前節はコベルコ神戸スティーラーズに敵地で22-27と競り負けたスピアーズだったが、今節は頑健なFWプレーをベースに強みをいかんなく発揮。9トライを奪う完勝で、ホストスタジアムにつめかけたファンを喜ばせた。「FWが前線でのセットプレー、フィジカルなプレーですばらしいプラットフォームを構築し、BKにつなげてくれた」と振り返ったのは、1トライ6ゴールの17点を挙げてプレーヤー・オブ・ザ・マッチを獲得したSOバーナード・フォーリーだ。

不戦勝扱いの開幕戦を合わせてこれで3勝1敗の勝点15となり、ポイントテーブルでは東京サントリーサンゴリアスに次ぐ2位に浮上。トップリーグで初の4強入りを果たした昨シーズンの勢いを維持し、今季も優勝を争う存在であることをあらためて印象づけた。こちらも成長著しい3位横浜キヤノンイーグルスと激突する次節は、今後の上位争いを左右する注目の大一番となる。

敗れたグリーンロケッツはゲームの土台となるコンタクト局面の攻防で食い込まれ、序盤に連続失点を喫し追いかける展開になったこともあって終始苦しい戦いを強いられた。SH田中史朗やHOディクソン、NO8フェトゥカモカモ・ダグラス、CTBレメキら新加入選手の奮闘は光るも、確固たる自分たちのスタイルを築き上げるまでには至っていない印象だ。いかに個々の力を束ね、チームとしてのパフォーマンス向上につなげていくか。オリジナリティを備えた強みの完成を急ぎたい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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