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ラグビー コラム 2022年1月7日

昨季台風の目となったNTTドコモが、ホームでブラックラムズ東京を迎え撃つ。ジャパンラグビー リーグワン、待望の開幕。

ラグビーレポート by 直江 光信
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NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 vs. ブラックラムズ東京

日本ラグビーの新しい幕が開ける。2003年から18シーズンに渡って日本代表の強化を支えてきたトップリーグに代わり誕生した国内最高峰リーグ、「ジャパンラグビー リーグワン」が、いよいよ今週末より歩みを始める。日本ラグビーの未来を担う新リーグは、果たしてどう生まれ変わったのか。そして全国各地の試合会場にはどんな光景が広がっているのか。興味はふくらむ。

参加24チームを3つのディビジョンに分けて開催されるリーグワンの大きな目的のひとつが、拮抗したゲームの増加だ。最後まで勝敗がわからない白熱した試合こそが、スタジアムに興奮と熱狂を呼ぶ。最高峰のコピーにふさわしいハイレベルの激闘が数多く繰り広げられることが期待されている。

そんな願いに応えるように第1節から楽しみなカードが組まれる中、1月9日の大阪ではディビジョン1のNTTドコモレッドハリケーンズ大阪-リコーブラックラムズ東京戦が行われる(@ヨドコウ桜スタジアム、15時30分キックオフ)。ともに昨シーズンのトップリーグで鮮烈なパフォーマンスを披露し、プレーオフトーナメントでトップ8入りを果たした両チーム。昨季はリーグ戦第3節で対戦し、終了間際の劇的な逆転トライでNTTドコモレッドハリケーンズ大阪ブラックラムズ東京を22-17と振り切っている。上位進出に向け、どちらにとっても負けられない一戦だけに、今回も見応えある激戦になるだろう。

南アフリカのライオンズをスーパーラグビーで2度の準優勝に導いた名将、ヨハン・アッカーマン氏を昨季ヘッドコーチ(HC)に招いたNTTドコモレッドハリケーンズ大阪は、トップリーグ2021でその名の通り台風の目となった。NZ代表SHのTJ・ペレナラを軸にしたチーム一丸のひたむきな攻守で開幕3連勝を飾ると、その後もパナソニック(現埼玉ワイルドナイツ)や神戸製鋼(現コベルコ神戸スティーラーズ)と際どい接戦を展開。2014年度の11位が最高成績だったところから5位(プレーオフトーナメント準々決勝進出)に躍進を遂げ、多くの称賛を浴びた。

今季は快進撃の原動力となったSHペレナラや南アフリカ代表WTBマカゾレ・マピンピらがクラブを離れたが、代わって現南アフリカ代表のSOエルトン・ヤンチースをライオンズから獲得。ヤンチースはライオンズ時代にもアッカーマンHCのもとで司令塔を務めており、チームづくりの手法を熟知する10番の加入は、ペレナラとはまた違ったプラス材料になるはずだ。もとよりアッカーマンHCは、現有戦力をひとつの方向に結集させて最大の力を引き出す手腕に定評ある指導者だけに、新たなメンバーでどんなチームに仕上げてくるのかが注目される。

対するブラックラムズ東京は昨季、3勝4敗のホワイトカンファレンス4位でリーグ戦を通過。プレーオフトーナメントでは東芝(現東芝ブレイブルーパス東京)との息詰まる攻防を制し、27-24で大きな勝利を収めた。続く準々決勝はチーム内で新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されたことから無念の出場辞退となったが、こちらも一体感と気迫に満ちた戦いぶりで、シーズンを通して強いインパクトを残した。

2013年度からクラブを率いてきた神鳥裕之前監督が昨年6月に明治大学の監督に就任し、今季のチームは昨年度までアシスタントコーチを務めたピーター・ヒューワット新ヘッドコーチ体制でスタートを切った。戦力面では元NZ代表のFLエリオット・ディクソンがフランスへ移籍し、元日本代表FLのブロードハースト マイケルも引退したが、2020シーズンのサンウルブズで活躍したLOマイケル・ストーバーグや、スコットランド代表として18キャップを有するFL/NO8ブレア・カーワンらが加入。新キャプテンに指名された24歳の若きリーダー、HO武井日向をシンボルに、さらなる飛躍へと意気込んでいる。

シーズンの初戦だけに両者がどのような戦い方で臨んでくるのか読みづらい部分はあるが、この試合でひとつの焦点となりそうなのが、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)のバトルだ。NTTドコモレッドハリケーンズ大阪にとっては、アッカーマンHCの描くランニングラグビーを遂行する上でボールリサイクルのスピードと精度は生命線といえる要素。逆にブラックラムズ東京はこのエリアでアグレッシブに体を当てて圧力をかけ、勢いを生み出すスタイルを身上とする。厳しいファイトでどちらが優位に立つかによって、試合の趨勢も左右されるだろう。

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 スターティングメンバー

それぞれの登録メンバーを見ていくと、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪ではNO8ナエアタ ルイ、SOヤンチース、CTBリサラ・シオシファ、FB吉澤太一と4人の新加入選手が先発に名を連ねた。キャプテンのLOローレンス・エラスマスが欠場する中、神戸製鋼で圧巻の突破力を披露したNO8ナエアタには、FWの牽引役として期待がかかる。BKではプレーメーカーのヤンチースが、セブンズ日本代表のFB吉澤、WTBラリー・スルンガらスピードランナーが並ぶラインをいかに操るかという点も楽しみだ。

ブラックラムズ東京 スターティングメンバー

一方ブラックラムズ東京のニューフェイスでスターターに起用されたのは、FLカーワン、CTB池田悠希の2人。加入1年目のPR谷口祐一郎、同2年目のWTB西川大輔にとっても、これがチームでの公式戦初出場となる。またNO8ボーク コリン雷神は東京2020に向けセブンズ日本代表に専念していたため、ブラックラムズでのゲームはトップリーグ2018-2019以来、実に3シーズンぶり。ボールキャリーからパス、キックまでこなすチーム最年長の万能選手のプレーぶりが注目される。

なおリーグワンでは各クラブに事業性と地域性が求められるようになり、ホストチームが主管となって試合を開催する点も、トップリーグから大きく変わった部分だ。この試合のホストはNTTドコモレッドハリケーンズ大阪。どんな仕掛けで開幕節の門出を盛り上げてくれるか、楽しみにしたい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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