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青山学院大学 桑田宗一郎主将(9/25 vs.帝京大学)
12月12日(日)、関東大学対抗戦のA・B入替戦が、埼玉・熊谷ラグビー場で行われ、11時30分キックオフの第1試合は青山学院大学(対抗戦A7位)に明治学院大学(対抗戦B2位)がチャレンジした。
機先を制したのは青学大だ。
明学大はCTB高橋雄太郎らの好タックルで対抗するが、ラックでの反則からエリアを後退。青学大が縦長のラインアウトモールを組み上げ、前半6分に先制トライを奪った。
明学大もSH笹本陽太の小気味よい配球からアタックを続け、前半11分過ぎに敵陣へ侵入。主将のHO三好貫太らが激しい突進を見せると、SH笹本がパスダミーからラック脇を突破。応援団を沸かせるトライを奪った。
スコアは7-7となったが、これで青学大に火が付いたか。
明学大は直後に高橋、汐田伊吹のセンターコンビがカウンターラックを演出したが、青学大は前半18分、FL中谷玲於が落球を誘う猛タックル。ターンオーバーが起きると、FL金原匡佑が外側でビッグゲインを見せ、最後はオフロードパスでWTB手島究の勝ち越しトライをアシストした。
青学大は前半25分にHO相根大和がラインアウトのサインプレーから自身2トライ目を決めると、同32分には長い連続攻撃をミスなくSH山同光が仕留め、同38分には優勢だったスクラムによる強制PK(コラプシング)から、FB黒木陽斗がインゴールに駆け込んだ。
35-7で迎えた後半も青学大は快調。
精確なスキルでボールをワイドに動かしながら相手を揺さぶり、この日はジャッカルでも貢献したSO桑田宗一郎キャプテンのロングパスから、WTB榎本拓真が後半最初のトライ。
青学大はここからさらに5連続トライ。バックスの多彩なスキルによるトライに加え、後半21分はラインアウトモールでインゴールを奪うなど、FWBKで優勢となり猛攻。前半29分のトライで、得点差はこの日最大の66点(71-7)になった。
意地を見せたい明学大の反撃は後半35分だった。
ラグビー 関東大学対抗戦2021 入替戦
【ハイライト】青山学院大学 vs. 明治学院大学
途中出場で國學院久我山高出身のHO中川築が、相手パサーを仰向けに倒す見事なタックル。後方にそれた混戦模様のボールをみずから確保し、敵ゴール前での攻撃が開始。
さらに相手反則からのラインアウトモールで、最後尾のHO中川がもぐりこんでトライ奪取。HO中川の活躍でチーム2トライ目を奪った。
流れを引き寄せた明学大は自陣からボールキープで波状攻撃。FL吉田隼輔らが次々にゲインを切ると、最後は途中出場の小澤太一がフィニッシュ。チーム3トライ目を決めたが、さらなる逆襲はできずノーサイド。
73-19で終止符が打たれ、青学大は対抗戦Aグループ残留。最後までファイトした明学大は来季での歓喜を目指すことになった。
第2試合は立教大学(対抗戦A8位)と、成蹊大学(対抗戦B1位)。2年前の入替戦では対抗戦Aにいた成蹊大が21-23で敗れて降格。因縁の再戦となった。
成蹊大はファースト・スクラムでペナルティを奪取。PR村上雄大、HO金子知史、PR鈴木巽らフォワードが雄叫びを上げた。
立教大もPR勝沼遼の好タックルから相手を押し込むなどして攻勢をかけ、前半8分にPG(ペナルティ・ゴール)で3点を先制。活動的なフロントロー(PR勝沼、HO三村真嶺、PR大和大祐)も脅威となり、さらに前半14分にPG追加で6-0とした。
成蹊大もFL横山拓のジャッカル成功から敵陣22mへ侵入。アドバンテージ状態からSO糊谷憲信が大外にクロスキックを通し、前半18分、WTB鈴木康太がチーム初トライ。ゴール失敗も1点差(5-6)に迫った。
勢いに乗る成蹊大だが、逆に立教大はディフェンスからじわじわと主導権を握る。
立教大の組織防御が崩れず、成蹊大は敵陣22mに入れない。成蹊大もCTB高(中が目)島大聖が果敢な連続ディフェンスで相手のミスを誘うなどし、一進一退の攻防を展開する。
前半26分には熱きスクラムバトルが。
成蹊大は好キックから敵陣ゴール前スクラムのチャンスを得たが、逆に立教大が重圧をかけ、殊勲のスクラム・ターンオーバー。FW8人がチームの窮地を救った。
ラグビー 関東大学対抗戦2021 入替戦
【ハイライト】立教大学 vs. 成蹊大学
逆襲した立教大は前半34分に近場の攻撃からHO三村が飛び込んでリードを8点(13-5)に広げると、前半終了前にBKのサインプレーが炸裂。
FB天羽秀太の内返しから、ブラインドのWTB太田匠海が突破し、WTB舟橋広倫が左隅を疾走。両ウイングが仕留めるサインプレーでチーム3トライ目を奪取。
フォワードに続いてバックスも勝負強さを披露し、20-5で前半を折り返した。
後半も立教大が機先を制する。
ラインアウトモールでゴール前まで前進すると、ハイテンポでLO村田裕太が突進してトライ。後半開始早々に7点を奪ってリードを22点(27-5)に。
立教大は危険なタックルで後半8分からの10分間、14人で戦ったが、懸命なディフェンスで得点を許さなかった。
立教大はSO安藤がドロップゴールを決めるなど、心理的な圧力を高めてさらに成蹊大を追い込む。
最終盤、SO安藤の絶妙なグラバーキックからエリアを獲得すると、LO守源がキックチャージ。敵陣ゴール前スクラムのチャンスが巡ってきた。
ここでフロントロー(二木翔太郎、八代デビット太郎、湯村怜)を含めた5人を入れ替えていた立教大フォワードが、最後にスクラムで魅せた。
バックファイブ(FW第2、3列)の押しを伝えて相手フォワードを押し込み、NO8紀伊雄介が押さえて、チームがひとつになるスクラム・トライ。
対抗戦Aでは0勝7敗だった立教大だが、鬱憤を晴らすようなスクラム・トライでラストマッチを飾り、有終の美。2023年に創部100周年を迎える立教大が37-5で勝利し、対抗戦Aの舞台を死守した。
一方の成蹊大は次世代に夢を託すことに。対抗戦A・B入替戦は2試合ともに青学大、立教大が地力を見せる結果となった。
文:直江 光信
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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