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注目の初戦、勢いづく勝利を挙げられるか
きたる9月18日(土)、慶應義塾大学蹴球部が、2021−22シーズンの船出を迎える。昨年に続いて、満足に活動することのできなかった今春。それでも限られた環境の中で、栗原徹監督率いる黒黄軍団は腕を磨いてきた。
監督も「非常にいい状態」とその完成度の高さに胸を張る。ここでは、慶大蹴球部の開幕戦となる日本体育大学戦のみどころをお届けする。
昨季の対抗戦では開幕ゲームを落としながらも徐々に調子をあげると、最終的に3位に成績をまとめる。2年ぶりに出場した全国大学選手権大会では、ベスト8まで勝ち進むも、準々決勝で早稲田大学に敗れ、正月ごえは果たせなかった。
今年は、その正月ごえを目指すシーズン。週末の日体大戦は、まさに今後のチームの行方を占う試金石となるだろう。
慶大にとって日体大戦といえば、一昨年の敗北が記憶に新しい。試合終盤に逆転を許し、辛酸を舐めた相手だ。昨年の対決こそ74-0で封じたが、油断は禁物だといえよう。特に、伝統的に「ランニングラグビー」を展開する日体大の強力BK(バックス)陣には、注意が必要だ。
昨年までチームの主力として活躍した岡崎航大らが抜けたものの、複数のポジションをこなすFB(フルバック)ハラトア・ヴァイレアや、SO(スタンドオフ)福島脩登といった経験を重ねた上級生が名を連ねている。
昨年に引き続き、ディフェンスから試合の流れを掴んでいきたい慶大にとって彼らを自由にさせないことが、勝利への至上命題となるだろう。他にも現役時代をLO(ロック)でならした元日本代表田沼広之監督のもとで鍛えられた、WTB(ウィング)クリスチャン・ラウイなどのフィジカルにも気を配りたい。
昨年の対戦では慶大のFW(フォワード)選手による得点シーンが目立った。今年も得意の形でトライを重ねられるか。注目選手は、副将のFL(フランカー)山本凱(経4・慶應)だ。頑強なフィジカルを武器に、慶大オフェンスの主力として大きな推進力になっている。昨年の直接対決では、3トライを挙げるなど活躍した。
ひたむきなプレーで「慶應ラグビー」を体現する山本
一昨年もトライを決めている日体大戦は山本にとって相性の良い相手だと言える。週末も得点し、3年連続のトライを決められるか。慶大がチーム全体で取り組んでいる幅の広い攻撃を示すべく、山本のプレーから目が離せない。多くのセットプレーから試合の主導権を握った昨年同様、序盤から慶大得意の形で猛攻を仕掛けてくれるだろう。
また、FW(フォワード)陣の後ろから攻撃を仕掛けるランナーたちのプレーも見ものだ。昨年、大ブレイクを果たしたWTB(ウィング)鬼木崇(法3・修猷館)をはじめ、FB(フルバック)中楠一期(総3・國學院久我山)など、大舞台の経験もある彼らの動きが、攻撃に華を添える。日体大相手にBK陣が力を発揮できれば、チームはさらに勢いづくだろう。
昨年度から引き継いだ「ストイックに取り組む姿勢」に加え、今シーズン新たに「規律」を強化し、高い意識のもとで日々の練習に励んでいる慶大蹴球部。
久々の公式戦。まずは確実に勝利を挙げ、長丁場の秋に弾みをつけたい。
文/写真:栗栖翔竜(慶應スポーツ新聞会)
慶應スポーツ新聞会
慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト
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