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ラグビー コラム 2021年6月23日

ラグビー日本代表と戦うブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとは?

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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今回は南アフリカに遠征

2021年の夏、世界中のラグビーファンがワクワクしているのが、4年に1度のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの南アフリカツアーである。遠征の前、6月26日(土)にスコットランド・エディンバラでライオンズvs.日本代表戦も控えており、日本のラグビーファンにとっても大いに楽しみな一戦となっている。

それでは、ライオンズというチームの成り立ちや、トリビアなどをQ&A形式で紹介していきたい。

Q:ブリティッシュ&アイリッシュライオンズとはどんなチームですか?

A:ライオンズはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドと、4つのホームネーションズ(協会)の代表選手で構成されるいわば「ドリームチーム」で、赤いジャージーの胸には4つの協会のシンボルを組み合わせたエンブレムが輝いています。

Q:ライオンズはいつから活動しているのですか?

A:1888年に、イングランド、スコットランド、ウェールズ出身の22名の選手からなるチームが、ニュージーランドとオーストラリアに250日間もの長い遠征をしたことが最初です。

当時はまだラグビーのルールも定まっておらず、代表チーム同士の対戦、いわゆるテストマッチもありませんでした。初戦はオタゴ・ダニーデンの選抜チームで、10,000人もの観客が集まったそうです。

その3年後、南アフリカのウェスタン・プロヴィンス協会が、イングランド協会(当時はブリティッシュ・アイルズ)を南アフリカに招待し、初めてテストマッチシリーズが行われました。それから、不定期に南半球への遠征が行われる様になり、1910年の南アフリカ遠征で、初めてアイルランドを含む4つのネーションの代表が参加しました。

Q:どうして「ライオンズ」というのですか?

A:1924年の南アフリカ遠征時につけていた、ライオンのエンブレムに由来します。第2次世界大戦による中断の後、1949年に正式に4つのネーションの団体が設立され、1950年にニュージーランドとオーストラリアに向けた遠征を再開しました。この時に正式に「ライオンズ」の名称が使用されるようになりました。さらに2001年から「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」が正式名称になっています。

ライオンズの赤いジャージ

Q:なぜ、赤いジャージなのですか?

A:もともとは赤、白、青の3色ジャージーでしたが、1930年にはニュージーランド遠征をした時は青いジャージーを着用していました。ラグビーの慣例として、ホームグラウンドのチームがファーストジャージをアウェイのチームに譲りますが、すでに「オールブラックス」という愛称が定着していたニュージーランド代表が、白のアウェイジャージーを着るべきかという議論が起こりました(実際はしぶしぶ白いジャージーを着ましたが)。

そのため、1950年からは赤(ウェールズ)のジャージー、白(イングランド)のパンツ、緑(アイルランド)の線が入った青(スコットランド)のソックスという今のキットに落ち着きました。

Q:「ライオンズ」はいつ活動するのですか?

A:チームは4年に1度編成され、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの南半球3カ国を4年ごとに遠征しています。このフォーマットは1989年のオーストラリア遠征からで、慣例として3試合のテストマッチが行われます。また、その国のクラブチームや州代表などとの対戦がテストマッチの前に行われます。さらに、今回の日本代表戦のように、遠征前に各国の代表などと対戦する場合もあります。

Q:「ライオンズ」の選手になる条件はありますか?

イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの4つの協会のいずれかの代表資格があれば可能です。ほとんどが代表経験者ですが、必ずしも各国代表キャップを獲得している必要はありません。

Q:今までの対戦成績はどうなっていますか?

A:これまで33回の遠征が行われ、通算123試合で52勝60敗11分という戦績です。ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3カ国とのテストマッチだけを見ると、110試合で41勝59敗10分となっています。対ニュージーランドは7勝30敗4分、南アフリカとは17勝23敗6分と分が悪いですが、一方でオーストラリア相手には、17勝6敗と相性が良いというデータもあります。

Q:最も多く「ライオンズ」のテストマッチに出場している選手は誰ですか?

A:最多キャップホルダーはLO(ロック)ウィリー ジョン・マクブライド(アイルランド)の17ですが、が、現在のように4年ごとの遠征となってからは、今回キャプテンを務めるLOアラン ウィン・ジョーンズ(ウェールズ)の9が最多です。今回の南アフリカツアーで、ジョーンズはこの数字を伸ばしそうです。

Q:「ライオンズ」がホームで試合をしたことはありますか。

A:2005年にアルゼンチン代表とウェールズ・カーディフのミレニアムスタジアムで対戦したことがあります。ただ、この試合はニュージーランドツアーの一環としての扱いだったために、ライオンズとしてツアー以外のホームで行うテストマッチは日本代表戦が初めてです。また、スコットランド・エディンバラのマレーフィールドで、初めてライオンズのテストマッチが行われます。

Q:「ライオンズ」のマスコットについて教えてください。

A:ライオンズ遠征では、チーム最年少の選手がマスコットのライオンのぬいぐるみを持ち運ぶ決まりがあります。約20年勤め上げた前任のマスコット「レオ」に替わり2013年のオーストラリア遠征から、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの頭文字をとって「BIL」(ビル)と名付けられたライオンが登場しています。

2013年はFB(フルバック)スチュアート・ホッグ(スコットランド)、前回の2017年はLO(ロック)マロ・イトジェ(イングランド)が担当し、次のツアーまでビルの面倒を見ていましたが、今回は20歳のWTB(ウィング)、ルイス・リーザミット(ウェールズ)に託されています。

南アフリカツアーのロゴ

Q:前回の南アフリカ代表との対戦成績を教えてください。

4年に1度のフォーマットになってからは1997年、2009年と2度遠征しています。1997年の遠征では2勝1敗と勝ち越しましたが、2009年の南アフリカ遠征では最終戦で28-9と勝利したものの、通算では1勝2敗と負け越しました。ちなみに、今回キャプテンを務めるLOアラン ウィン・ジョーンズは2009年のツアーも3試合すべてに出場しています。

今回のツアーでも、2019年ワールドカップ王者の南アフリカ代表とのテストマッチが3試合組まれています。ライオンズが勝ち越すことができるかが焦点となります。

TEXT:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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