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ラグビー コラム 2021年4月21日

スピアーズの大黒柱。立川理道キャプテンが語る好調クボタ、天理大初優勝、ルーキー藤原忍etc.

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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今季飛躍しているクボタスピアーズの大黒柱だ。

180cm93kgのマルチプレイヤーは、チーム初の開幕5連勝などトップリーグ2021で好調のクボタで主将を務める。

奈良県天理市出身の31歳。スタンドオフ経験も豊富なセンターで、サイズを活かした突進のみならず、天理ラグビー(中高大)で培った多彩なスキルで周囲を活かす。リーダーシップに優れた人格者であり、ディフェンスも粘り強い。

日本ラグビー界が誇るタフガイは、2015年W杯では日本初の1大会3勝に大きく貢献し、日本代表では55キャップ。スーパーラグビーのサンウルブズ(日本)ではチーム創設1年目から4季プレーし、16年ハグアレス戦では初勝利を決定的にするトライも決めた。

そんな質実剛健のリーダーが好調クボタの理由、母校・天理大の日本一、そしてプライベートまで、多岐にわたり語ってくれた。

■好調クボタを支える「練習の質」

立川理道選手

──佳境を迎えるトップリーグ2021ですが、ハイレベルな戦いが続いています。

トップリーグ全体のレベルが上がりました。世界的なスーパースターの参戦もそうですが、彼らがただの助っ人ではなく、チームに良い影響を与えて勢いづいているチームが多いです。そうした世界的なスターに立ち向かっていく日本人選手にも注目して欲しいですね。

──そんなトップリーグ2021でクボタは初の開幕5連勝。飛躍している理由は?

ひとつ言えることは、日々の練習の質が上がったことです。メンバー外で悔しい思いをした選手がチームのために一生懸命に練習してくれています。もちろんこれまでもありましたが、選ばれなかった選手の努力はこれまで以上に感じます。

また、ここ数年で大きなフォワード・パックは作り上げてきましたし、今年はマルコム・マークス(19年W杯南アフリカ代表)が入ってトップクラスのラインアウト、スクラムになっていると思うので、そこは自信をもって戦っていけます。

バックスはバーナード・フォーリー(スタンドオフ/19年W杯豪州代表)、ゲラード・ファンデンヒーファー(ウイング・フルバック)、新人では山崎洋之(ウイング/明大卒)、金秀隆(フルバック/朝鮮大卒)が良い力を与えてくれて、バランスが良くなっていると思います。

インタビュー動画

立川理道選手インタビュー|ラグビー トップリーグ2021 クボタスピアーズ

──立川選手のイチオシ選手は?

今年は井上大介(スクラムハーフ)が頑張っているなという感じはします。試合でのプレーも際立っていますね。藤原(忍)が加入したことで競争も激しくなり、そのプレッシャーが良い面に働いていると思います。

彼は長くて速いパスを放れますし、キックも上手にこなします。相手にとっては嫌なプレイヤーで、身体も張れることができるので、バランスの取れた良い選手になってきています。

──同郷の井上大介選手とは同期入団ですが、何歳からの付き合いですか?

4歳ですね。いま31歳なので、27年間一緒にプレーしています(笑)。

■ゴルフを通じてチーム内交流。ラグビーから学んだ子育て術も

──プライベートですが、最近始めた趣味はありますか?

去年からゴルフを始めました。外国人選手がみんなやっていたことがキッカケで、チームの中でゴルフのポロシャツを作ったりしています。ゴルフを通じてプライベートでも外国人選手と過ごすことができて、良いコミュニケーションのツールになっている気がします。

でも、まだ全然上手くなくて、ボールは色んな所に飛んでいくし、何球も無くしています。本当にゴルフはメンタル・スポーツだなと思います(笑)。

ただ外国人選手は、僕が変な方向にボールを飛ばしてもめちゃくちゃ優しい。「次、次!」という感じで楽しいゴルフです。ロックのデーヴィッド・ブルブリングはプロ級の腕前で、彼と回るとずっと教えてくれますし、優しいです。

立川理道選手

──お子さんを持つお父さんでもあります。父としてのご自身はどう見ていますか?また独身時代と比べて変化は?

娘が2人いますが、子供と一緒に遊んでいるだけですね。子供に好かれる父親ではありたいと思っています。

僕自身は父親になってもあまり変わっていないかなと思います。ただ子供ができ、電車に乗っているベビーカーを押しているママさん、パパさんを見ていると助けたくなりますね。

──ラグビーでの学びを子育てに活かしたりしていますか?

ラグビーをやる上でもそうなんですが、「なんで」という言葉は使わないようにしています。なぜそれをしてしまうのかを本人は分かっていないので、一緒に答えを見つけてあげるようにはしています。

──競馬も趣味だそうですね。

いや、そんなにガッツリやっているわけではないんです(笑)。ただクボタスピアーズと船橋競馬場のコラボがキッカケで、プライベートで何回か楽しんでいます。選手と行くこともありますし、家族と行くこともあります。お金をかけるというよりは、単純に競馬を見るのが好きですね。パドックを見るだけでも面白いです。

■天理大キャプテンとして初の準優勝。兄が築いてくれた土台

──立川選手は4兄弟の末っ子ですが、全員がラグビー経験者。1学年上の三男は元クボタ主将で、現在は清水建設でプレーする立川直道選手です。

長男は高校までラグビーをしていて、その後保育士になりますが、4人の中では断トツで優しい。僕がラグビーを始めて最初に憧れたプレイヤーでもあります。

次男も高校までラグビーをして保育士をしますが、レフリーもしています。レフリーだけに規律を重んじているところがあり、自分に厳しいですね。人にも厳しいですが愛情があります。

三男の直道は、チームを変革してきたリーダーシップのある人です。僕は高校・大学・社会人で、三男の後にキャプテンをしていますが、良い文化を残してくれるので、僕はそこに色を付けるだけでした。

──三男の直道選手は2010年度の天理大キャプテンを務め、35年ぶりの関西Aリーグ優勝に導きました。

僕が入学してから強くなる雰囲気はあり、ポテンシャルの高い選手も揃っていました。ただ1、2年目は波のあるチームで、関東のチームと戦える土台は作れませんでした。

そこで直道がキャプテンになった時、朝練を導入したり、三食しっかり御飯を食べるといった規則正しい生活を導入しました。反発もありましたが、直道がブレずに道を作ってくれました。

──そして2011年度に立川理道選手がキャプテンとなり、チーム初の決勝進出。帝京大に3点差(12-15)で敗れましたが、大学選手権準優勝に輝きました。

僕らの代は1、2年生から試合に出ている選手が多かったです。ただ、しっかり土台を作ってもらった上で、早いパス回し、フラットパス、知恵を使ったFWでのサインプレーがあり、あの結果(準優勝)が生まれたと思います。

■天理大の初優勝は点差に驚き。後輩ルーキー・藤原忍の印象は?

──そして母校・天理大学が2021年1月11日(月祝)、早稲田大学を破り、悲願の大学日本一を成し遂げました。決勝戦はどこで観ていましたか?

実はちょうどトップリーグ開幕週で、あの日は週初めの練習とかぶってしまっていました。チームとして大事な練習だったんですが、ソワソワしながら練習に行っていました(笑)。

早稲田卒の選手とは「ロースコアになるんじゃないか」「3点差、5点差くらいになるだろう」と話していたんですが、練習が終わった後に結果を知って、まず点差(55-28)を聞いて驚きました!そんなに圧倒したのかと。

映像を観ましたが、本当にアッパレというか、80分間早稲田の良さを出させない、天理らしいラグビーをしていましたね。

──そして今年、クボタに天理大の優勝メンバーであるSH藤原忍選手が入団し、トップリーグ出場も果たしました。

本当にパスワークが速くて正確ですね。自分でもボールを持っていけるスピードもあって、そこは一緒に練習をしていてもトップリーグで通用する部分だと感じました。あとは状況判断、試合の読み、経験を積んでいけば、本当に良い選手になっていくと思います。

──主将でもあり、スタンドオフとしての経験も豊富ですが、何かアドバイスをしたことは?

特にはないですね。ただ少し遠慮している部分があったので、「自分が思ったようにやればいいよ」と声を掛けたりしたくらいです。周囲が少し気遣いするだけで若手は変わると思うので。性格的には裏表がないタイプだと思います。

■クボタは「勝つ文化を創り上げてきている」

──では、あらためて今シーズンのご自身の目標を教えてください。

チームとしても、個人としても、一戦ずつ戦っていくことが大事だと思っています。ここまで良い結果を残していますし、勝つ文化を創り上げてきていると思います。先の事を考えすぎず、プロセスを信じていきながら、大事に戦っていきたいと思います。

J SPORTS 放送情報

──最後に、頼もしい立川選手ですが、ご自身が感じている自身の弱みを挙げるとすると?

なんでしょうね、たぶん、後輩に勝手に怖がられているということはあるかもしれません(笑)。僕も距離を詰めていくのが上手いタイプではないので、時間が掛かったりはします。シャイっぽいところは直したいですね。

──後輩はもっとグイグイいっていい、ということですか?

そうですね。きてもらえると嬉しいです(笑)。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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