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ラグビー コラム 2021年4月5日

【ハイライト動画あり】雨中の激闘は、互いに1トライ、1ゴール、2PG。 神戸製鋼とパナソニックの決着は持ち越し

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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トップリーグ2021の優勝候補による全勝対決は予想に違わぬ拮抗した展開になった。4月4日(日)、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場には、8,523人が集い、今季一番の注目カードに熱い視線を注いだ。午後2時、パナソニック ワイルドナイツSO松田力也のキックオフで激闘の幕が上がった。キックをキャッチして突進した神戸製鋼コベルコスティーラーズFB山中亮平に対し、パナソニックCTBハドレー・パークスが強烈なタックルを見舞う。その後も、一つ一つのタックル、ボール争奪戦での激しいファイトに互いの意地がにじんだ。

ブロディ・レタリック(神戸製鋼)

両者の対戦はトップリーグでは2017年10月以来。神戸製鋼は2003年の勝利以降、チーム名が三洋電機だった時代も含めてパナソニックには勝っていない。勝利への意欲は神戸製鋼のほうが強かっただろう。前半6分、神戸製鋼はSOヘイデン・パーカーがPGを決めて先制すると、自陣からLOブロディ・レタリックを軸に短いパスをつないで前に出る。雨の中でもアグレッシブに攻める姿勢を貫いたわけだ。

パナソニックもFLベン・ガンターが屈強な肉体でジャッカルに成功するなど、神戸製鋼に流れを渡さない。前半16分、パナソニックはスクラムをプッシュして神戸製鋼の反則を誘うと松田がPGを決めて、3-3とする。26分には再びスクラムで圧力をかけてPGチャンスをつかみ、松田が成功して3-6と逆転。しかし、神戸製鋼もすぐにパーカーがPGを返して、6-6。両チーム一歩も引かず前半が終了する。

前半のスクラムはパナソニックが優位に立った。2本のPGはスクラムの反則からだ。逆に神戸製鋼の得点は、パナソニックのブレイクダウン(ボール争奪局面)の反則だった。神戸製鋼がアグレッシブに攻めたからこその得点だろう。

内田啓介(パナソニック)

後半3分、先にトライをとったのは神戸製鋼だった。パナソニック陣深く入ったラインアウトからの攻めでゴール中央に迫り、最後は、パーカーのキックパスをWTB井関信介がキャッチして右コーナーにトライ。パーカーがゴールも決めて、13-6とする。対するパナソニックは11分、神戸製鋼陣に5mほど入った左中間スクラムからSO内田啓介が右サイドを走り抜ける。前半のスクラムの劣勢もあってベテランPR山下裕史を投入し、立て直しを図った神戸製鋼はスクラムに集中。ディフェンスの反応が遅れた。SOの位置にいたパーカーも反応が遅れているのを見て、内田は一気に加速し、そのままインゴールに躍り込んだ。ゴールも決まって、再び13-13の同点となる。

【ハイライト】神戸製鋼 vs. パナソニック|トップリーグ 2021 第6節

山沢拓也(パナソニック)

以降は両チームともラインアウトにプレッシャーをかけあって起点が安定せず、攻めてはハンドリングエラーが多発し、ボールは行ったり来たり。後半37分、交代出場の神戸製鋼SOアーロン・クルーデンが約45mのPGチャンスを得たが右に外れる。「勝利に貢献できなくて残念」(クルーデン)。その直後、パナソニックの交代SO山沢拓也が防御背後にショートパントをあげ、これをCTBディラン・ライリーが確保し、再び山沢がパスを受けてゴール方向へキック。インゴールに転々とするボールをライリーが追う。間に合うかどうか微妙なタイミングに息をのむ観客席。しかし、ライリーが駆け付ける前にボールはデッドボールラインを出てトライには至らず。まもなくノーサイドとなった。

パナソニックの坂手淳史キャプテンは「ミスはたくさんあったが、相手より一歩でも早く動くというところなど良かった点もあった」と前向きなコメント。この日、トップリーグ100試合を達成した神戸製鋼の橋本大輝は「入社以来、パナソニックと何度も戦ってきましたが、きょうは一番勝てる可能性を感じました。次に戦うのが楽しみです」とこちらも前を向いた。

神戸製鋼は2018年からウェイン・スミス総監督体制となり、攻撃力は格段にレベルアップした。パナソニックの福岡堅樹は神戸製鋼に対して「個の力を感じました」と、個人で局面を打開できる選手が増えた印象を語った。コンディションの良い状況で戦えばどうなるか分からないが、いずれにしても両者の実力が拮抗しているのは間違いない。再戦が実現するとすれば、プレーオフトーナメントのファイナルだ。果たして両チームはそこまで勝ち続けることができるのだろうか。

文:村上 晃一

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村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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