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ラグビー コラム 2021年4月2日

破竹の勢いのNTTドコモか。独自文化のヤマハ発動機か。トップリーグ第6節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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ヤマハ発動機 vs. NTTドコモ

NTTドコモレッドハリケーンズが赤い旋風を巻き起こしている。

NTTドコモは2月20日に開幕したトップリーグ2021で、リーグ戦7試合のうち5試合を消化して4勝1敗。

所属するホワイトカンファレンスで、1位パナソニック、2位神戸製鋼に次いで堂々の3位(総勝ち点16)に入っている。

2011年度にトップリーグに初参戦したNTTドコモの過去最高位は、14年度の11位だ。2季前(18年度)は2部相当のトップチャレンジリーグにもいた。

過去一度も10位以内に入ったことのなかったチームが、今季初黒星となった第4節では、パナソニックと13点差の熱戦(13-26)を繰り広げた。実力は本物だ。

特筆すべきは、接戦を勝ち切る力だろう。今季4勝のうち、5点差以内は実に3試合だ。

接戦を勝ち切れる理由について、スーパーラグビーのライオンズ(南アフリカ)に全盛期をもたらした名将、南アフリカ出身のヨハン・アッカーマンHC(ヘッドコーチ)は、26-25で勝利した前節日野戦後に語っていた。

「ファイトすることを徹底的に鍛えてきました。プレシーズンから諦めないことにプライドを持ってプレーすることに取り組んできました」

日野戦はアッカーマンHCが「判断ミスが多かった」と振り返る出来。日野の出足の鋭いディフェンスにも苦しみ、相手キッカーの不調にも救われた一面もあるが、最後はハードワークで4勝目を掴んだ。

1点リードした後半34分には、指揮官が冷静さを評価するSH浜野達也を入れ、新加入のTJ・ペレナラはスタンドオフに移った。

「TJ(ペレナラ)は10番もできるのでプラン通りでした。今日だけではなく、リザーブにスタンドオフができる選手がいない場合を想定して、TJが後半に10番をカバーする練習はしています」(アッカーマンHC)

冷静な浜野、経験豊富なペレナラでハーフ団を組ませ、1点差を勝ち切ったアッカーマンHCの采配も光った。

そんなNTTドコモが4月3日(土)、お膝元の大阪(万博記念競技場)で、2勝3敗のヤマハ発動機と第6節を戦う。

ヤマハ発動機は総勝ち点11であり、ホワイトカンファレンスの3・4位対決となる。

強力なセットプレー(ラインアウト、スクラム等)を軸とする「ヤマハスタイル」で勝負するヤマハ発動機。ストラクチャーも独自路線を追求しており、きめ細かい創意工夫がチーム文化とも言えるだろう。

またコーチングスタッフに海外出身者が多いチームが多数を占めるなか、ヤマハ発動機はチーム・レジェンドのモセ・トゥイアリイをのぞき、全員が日本人だ。

堀川隆延GM兼監督、大久保直弥HC、長谷川慎ハイパフォーマンスコーチ、そして早大監督に就任するため第4節をもってチームを離れた大田尾竜彦・コーチングコーディネーターらだ。

追従することを良しとしないヤマハ発動機。そんな個性的なチームは、リーグ戦の戦い方も独特に映る。22-53で敗れた前節神戸製鋼戦の後、指揮官が語った。

「神戸製鋼というチャンピオンチームに対して、経験値の浅い選手たちがプレッシャーの中でゲームができ、たくさんのものを学ぶことができました」(堀川GM兼監督)

キヤノン戦から先発6名を替え、ド派手なボールキャリーもできるPR岡本慎太郎、PR西村颯平らを神戸製鋼戦に先発させた。

前半はヤマハ発動機を象徴するスクラムでプレッシャーを受けたが、それも「経験がチームの成長につながる」と指揮官。ノックアウト制のプレーオフへ向けて、虎視眈々とチームを底上げしているようにも映る。

ヤマハスターティングメンバー

そのヤマハ発動機は、NTTドコモ戦で先発メンバーを大幅に入れ替える。神戸製鋼戦からは8人(FW4人、BK4人)の変更だ。

先発フロントロー(FW第1列)は前節のリザーブだったPR山本幸輝、HO平川隼也、PR伊藤平一郎が繰り上がり、先発LOに経験豊富なマリー・ダグラスが入った。

バックスでは、ハイテンポを生み出せるSH吉沢文洋、ディフェンス突破数がリーグ4位(28)のWTBマロ・ツイタマ。

そして今季限りでの現役引退を表明しているFB五郎丸歩が2試合ぶりに先発復帰。桐蔭学園-中大卒の3年目、CTB白井吾士矛は初先発を飾る。

NTTドコモスターティングメンバー

ホームのNTTドコモは、前節から先発2人(FW2人)を変更し、LO小島佑太、FL佐藤大朗がリザーブから繰り上がる。

ハーフ団は変わらずペレナラと、クボタから移籍のSO川向瑛。

先週はディフェンスでも馬力を見せた19年W杯南アフリカ代表のWTBマカゾレ・マピンピ、ブレイクダウンワークも激しいWTB茂野洸気もスターターを飾る。

注目点はやはりスクラムだろう。

ヤマハ発動機は惜敗した第2節リコー戦など、スクラムの不調がスコアボードに影響した面は少なからずあるだろう。

一方のNTTドコモは、パナソニックと真っ向勝負したフィジカルでどこまで食い込めるか。優れた分析、コミュニケーション、判断をベースにした決定力も武器だ。

NTTドコモでトライ数1位は5トライのSHペレナラ。第6節でも「ペレナラ劇場」が開演するか。それとも「ヤマハ劇場」の展開が待っているのか。

ホワイトカンファレンス第6節「ヤマハ発動機ジュビロ×NTTドコモレッドハリケーンズ」は4月3日(土)午後0:50からJ SPORTS 3で生放送、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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