人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2020年10月2日

筑波大学、調整不足の中、序盤で強豪に挑む。ラグビー関東大学対抗戦チーム紹介

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
  • Line

序盤に強豪との対戦が控える

昨年度は明治大学、早稲田大学、帝京大学には敗れたが、他のチームには勝って3位タイとなり、大学選手権に出場したAグループ唯一の国立大学の筑波大学。昨年度の大学選手権ではリーグ戦王者・東海大学に3-24で敗れたものの、力のあるところを見せた。

7月から授業の中で、少しボールを持つ機会を設けることができたが、学内にグラウンドがあることから、本格的に始動したのは8月に入ってからだった。また、4年生の多くは9月に教育実習で練習に参加できていなかったことから、正直言って調整不足は否めない。

ただ昨年、ヘッドコーチから昇格した嶋崎達也監督もチームの強みを「接点を、動き勝ち、泥臭く戦うこと」と言うとおり、今年も接点やコンタクトでの献身的な働き、FW(フォワード)、BK(バックス)に関係なく、最後までひたむきにファイトし続ける姿勢は変わらない。伝統的に規律、守備に強みを持っており、接戦に持ち込んで、BKのタレントで仕留めるスタイルは健在だ。

リーダー陣は毎年、4年生が投票で決めるという。今年はキャプテンにはCTB(センター)岡崎航大、副将キャプテンにはSO(スタンドオフ)山田雅也と、LO(ロック)中原健太(いずれも4年)が選出された。

嶋崎監督は「岡崎が活躍するとチームが乗る。突破役を担ってほしい」と期待を寄せる。ただ、岡崎は10月に教育実習の予定があるため、数試合は出場できない予定だという。

その岡崎キャプテンら、リーダー陣は今シーズンのチームスローガンを『HARD』と掲げた。

「大学日本一を目標に掲げています。その目標を達成するために、どこよりも『厳しく』、どこよりも『激しく』、どこよりも『結束を固く』取り組まなければならないという思いから今回のスローガンを掲げた。練習の中でも『HARD』という言葉が飛び交っています。どこの大学よりも『HARD』な筑波大学を見ていただきたい」(岡崎主将)。

他の強豪校は部員が100人を超えるチームは珍しくなく、中には150人を超えるチームもあるが、国立の筑波大は80人ほど。1年生24人が本格的にグラウンド練習に参加したのも夏だったため、嶋崎監督は「昨年度の4年生が抜けたポジションに選手を充てていくというところから始めました」と話す。

そのためFWを見ると、もともとBKだった選手が最近コンバートされた選手もおり、FL(フランカー)/NO8(ナンバーエイト)中田都来、NO8/WTB(ウィング)飛高昂空、NO8/WTB山本悠翔(いずれも4年)、FL岩田真樹(3年)らの活躍に期待がかかる。

他のFWを見ると、FWリーダーのPR(プロップ)/HO(フッカー)安里大吾(4年)、PR山崎昇悟(3年)、国際経験豊富なPR木原優作(2年)、新人のPR(プロップ)田中希門(中部大春日丘出身)、副キャプテンLO中原(4年)、LO八木澤龍翔(2年)らを中心にまとまりがある。スクラムコーチには今年、明治大学やNECでプレーしていた榎真生が就任した。

BKはCTB岡崎主将を筆頭にタレントが揃う。副キャプテンSO山田とハーフ団でコンビを組んでゲームを動かすのは、昨年はケガで試合に出られなかったSH(スクラムハーフ)鈴村淳史(3年)だ。控えSHを今井快(4年)、ルーキーの白栄拓也(高鍋出身)が争う。

CTBは岡崎以外にも昨年から試合に出場しているCTB/WTB嶋田修(4年)、CTB一口隼人らがいる。さらに高校日本代表に選出されたルーキーの谷山隼大(福岡高出身)もメンバーに入りそうだ。谷山は高校と大学が日本代表WTB福岡堅樹と同じであるため「福岡2世」として注目を集めるはずだ。

バックスリーは豪華だ。昨年のユニバーシアードで金メダル獲得に貢献したWTB仁熊秀斗(4年)、FB松永貫汰(3年)の2人、さらに高校時代にユース五輪で銅メダルを得たWTB/FB植村陽彦(2年)といったスピードランナーが揃う。谷山も含めて、この4人にいい形でボールをつなげてトライにつなげたい。

チームとしてのウリの1つは、やはりディフェンスだ。岡崎主将は「選手の自律ではどこにも負けない。その自律は試合の中のディフェンスに現れてくると思います。1人1人がチームのために身体を張った堅い守りを見てほしい」と胸を張った。

夏合宿は行うことができず、9月に入って流通経済大学、専修大学と合同練習は行ったが、開幕まで80分間の試合を行うことができなかった。

そのため嶋崎監督は「学生は日本一を掲げていますが、蓋を開けてみないとどこまでできるかわからない。(慶應義塾大学、帝京大学、明治大学と戦う)最初の3戦を乗り越えて成長して、日本一に届くチームを作っていきたい」と先を見据えた。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ