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ラグビー コラム 2020年8月10日

「海外の選手と試合するのが普通になった」。堀江翔太、大野均、齋藤直人が語るサンウルブズの功績

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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サンウルブズ、最後のセレモニー

1時間半ほどの「サンウルブズ メモリアルセレモニー」が終わった直後、初代キャプテンを務めたHO(フッカー)堀江翔太(パナソニック)、2016年から2シーズン参加した元東芝のLO(ロック)大野均さん、そして2020年シーズ、大学生ながらプレーしたSH(スクラムハーフ)齋藤直人(サントリー)の3人がオンライン会見で取材陣に対応した。

初代キャプテン堀江翔太

まず、レベルズでプレーした後、2016年から4シーズンもサンウルブズで中軸としてプレーした初代キャプテンのHO堀江は、サンウルブズとして成長した点を聞かれて「僕自身海外に行って、外国人選手と戦わないと強くなれないと思っていた」。

「サンウルブズで、ある選手が『海外の選手と試合するのが普通になってきた』と言っていた。サンウルブズで高いレベルでやり続けてきたことが良かったと思う。僕自身はもともと海外慣れていたので、フィジカルを勉強というより、トレーニングとしてやり続けるという意味でやっていた」と振り返った。

また今後、日本人選手がスーパーラグビー、サンウルブズという舞台がなくなる可能性に触れて「自分で(海外に行くのが)がベター。松島(幸太朗)がフランス行ったように(海外に)行けばいい。今、日本の価値が上がってきている分、海外に出やすくなっている。若いうちからチャレンジしてほしい」と若手選手にエールを送った。

また、34歳になった堀江は、自身の今後の日本代表活動にたずねられると「(今年は代表としては)まったく関わっていない。2023年にはそんなに強い思いはないけど、自分の能力は、ワールドカップででも大丈夫なように身体づくりはしていきたい」。

「その際に選んでもらえたらいいかなという感じ。いつ試合があるかわかっていないので、今はどれだけ自分のポテンシャル上げられるか(をやっている)」というに留まった。

2016年当時、37歳で日本人として最年長のスーパーラグビーデビューを飾った大野さんは、一番思い出に残った試合を2016年の開幕戦・ライオンズとの試合を挙げた。

最年長で参戦した大野均

大野さんは「スーパーラグビーはテストマッチとは違う新鮮さがあった。このチームが成功するのか否定的な意見も多かったが、それを覆すには自分たちのパフォーマンスしかないとみんな思っていた」。

「短い準備期間だったが、いいチームができていた。2万人近いお客さんが入ってくれた。ライオンズには2019年ワールドカップで優勝したメンバーが多くいた。その相手に恥ずかしくない試合できていたので、サンウルブズが世界で戦えることができていた」と振り返った。

サンウルブズが日本代表の躍進に貢献した点を具体的に問われて、大野さんは自身の経験と重ねつつ、「テストマッチレベルの試合をコンスタントにできるようになったこと。南アフリカへの移動や、南半球でのタフなツアーを高い強度でやったことで選手は鍛えられた。(また特に)やっぱりメンタル(が鍛えられた)」。

「スーパーラグビー参戦前は年間に世界の強豪との対戦が限られていた。だから若い選手が、自分がどれだけできるのか不安を抱えながら臨むことが多かった。それがスーパーラグビーで世界の立ち位置を認識できたし、フィジカル、スピードを体感できた」と話した。

新型コロナウィルスの影響で中断した2020年シーズン、早稲田大学4年として参戦したSH齋藤は外国人選手が多いチームでプレーして、「チームメイト含めて外国人選手の中でプレーできたことは、経験としてもそうですし、実践できたことが大きかった。ラグビーだけでなく、他の文化を学ぶ過程でお互いを知ろうとするところがよかった」と振り返った。

また、限られた試合の中で、成長した点に関して齋藤は「スーパーラグビーアオテアロアやAUをJ SPORTSで見ていると、あのようなチームを相手にして戦っていたと思うと自信につながると思います」。

「(個人としては)一番はフィジカル。その差をどう埋めるか、逆に体格をどう活かすかを考えていきたい。(また世界と)戦えるのはフィットネスとキックとパスの精度。まだまだ伸ばさなければ、さらに強みにしていきたい」と話した。

大学在学時に参加した齋藤直人

4月からサントリーに入社し、社業との両立をしつつも、いつ招集されてもいいようにトレーニングを継続していたという齋藤。

来シーズンからサンウルブズというチームで、スーパーラグビーに参戦できなくなったが、「海外については、自分が成長できる環境に身をおきたいというのはあります。だが、まだトップリーグも経験していない身なので、まずは置かれた立場でしっかり結果を残す。まずはサントリーで試合に出る。流(大)さんという日本代表の9番がチームにいるので、まず結果を残した上で考えたい」と先を見据えた。

サンウルブズの一員としてスーパーラグビーで戦ったという経験から来る自信、海外選手に対するフィジカルの慣れ、長時間の移動をともなったタフなツアーを通してメンタルが成長するなど、つらいことや大変だったこともあるが日本を代表する選手にとって、サンウルブズは多くの利点を生み出していたことは間違いない。

来季以降、スーパーラグビーはどういうフォーマットで開催されるか未知数であるが、日本の若手選手たちが世界に挑戦する場が継続して設けられてほしい。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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