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ラグビー コラム 2020年8月8日

また、会える日まで!サンウルブズ メモリアルセレモニー開催

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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サンウルブズ、最後のセレモニー

8月8日(土)、2016年から5シーズン、スーパーラグビーに参戦した「ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ」が、サポーターやファン、スポンサー、サプライヤーに感謝の気持ちを込めて「サンウルブズ メモリアルセレモニー」を行った。

都内のスタジアムには晴天の中、スポンサーやファウンダーズクラブ、関係者など150人が集った。セレモニーは午後4:30に始まり、オープニングパフォーマンスとして「サンウルブズチアリーダーズ」が最後となるパフォーマンスを披露した。

登場したのは今シーズン、チームを率いた大久保直弥HC(ヘッドコーチ)、沢木敬介コーチングコーディネーターを筆頭に、PR(プロップ)稲垣啓太、PRクレイグ・ミラー、PR浅原 拓真、PR三上正貴、HO(フッカー)坂手淳史、堀江翔太、LO(ロック)としてプレーした大野均さん。

さらに、LO谷田部洸太郎、LO/NO8(ナンバーエイト)ヴィリー・ブリッツ、FL(フランカー)布巻峻介、徳永祥尭、SH(スクラムハーフ)齋藤直人、田中史朗、SO小倉順平、CTB(センター)立川理道、中野将伍といった歴代の選手たち。また、日本代表でキャプテンを務めたFLリーチ マイケルも急遽、参加した。

主催者代表挨拶として、サンウルブズを運営する一般社団法人ジャパンエスアールの渡瀬裕司・代表理事CEOがこう挨拶した。

「2016年に始まったサンウルブズですが、まさにこの5年間は厳しい壁にチャレンジし続けた期間でした。本当に厳しい5年間でしたが、選手、スタッフも常に完全燃焼しながら、逆境に立ち向かうチームカルチャーを醸成できたのはありがたいことだと思います」。

「この場にいるスポンサー、ファウンダーズのみなさま、そして、ファンのみなさまのおかがでラグビーに没頭できた。改めて感謝しております。そして私の個人的な感想ですが、なんとかサンウルブズがもう1回、世界にチャレンジする機会があればと願ってやみません」。

日本ラグビー協会の森重隆会長はVTRで「サンウルブズはラグビーワールドカップが日本代表の強化策の目玉として2016年に創設され、スーパーラグビーに参戦してきました」。

「長きに渡るご支援ありがとうございました。サンウルブズの参戦は終了しましたが、サンウルブズがやってきたことをいかに残すか、日本ラグビーの宿題になると思います」と話した。

チームのメインスポンサーである株式会社ヒト・コミュニケーションズ代表取締役社長の安井豊明氏が「負け続きで、いい日ばかりではなかったが、辛い日も応援していただき、スポンサーする側からお礼を言いたい」。

「サンウルブズは家族で応援に来たり、若い女性のグループが来たりとラグビー場に大きな変化を起こした。私たちにラグビーの楽しさを教えてくれた。ワールドカップの日本大会において日本代表が大躍進をしてベスト8入りを果たしてくれた」。

「選手のみなさんから『サンウルブズがあったからここまでこれた』と言ってくれて、サンウルブズを応援してくれて本当に良かった、すべてが救われた」。

「いつの日か、サンウルブズが伝説のチームとなって、またその勇姿が見られるように心から祈念したい。サンウルブズよ、ありがとう。サンウルブズを永遠に」と挨拶した。

その後、「サニーズトークショー」という選手たちによるトークショーが2部に分かれて行われた。選手だけでなく、5シーズンに渡り公式テーマソングを届けてくれた公式サポーター「MAN WITH A MISSION」のKamikaze Boyさん、DJ Santa Monicaさんの2人も参加した。

初代キャプテンを務めたHO堀江は「(思い出の試合は)僕らの代(2016年)の(勝利した)ジャガーズ戦です。この試合の前に、南アフリカツアーでボロ負けしていたので。とりあえず1勝を僕は常に目指していた」。

「(開幕前に)練習そこまでできず、チームを作れなかったが、なんとか前に進むようにポジティブにと毎日過ごしていました。(サンウルブズは)2019年ワールドカップにつながったと思っている。常に高いレベルの試合ができ、僕もだいぶ成長できた」と話した。

続いて、2017年の共同キャプテンの1人だったCTB立川は「(思い出の試合は)僕も同じく2016年のジャガーズ戦です。あまりトライするタイプでも喜ぶタイプでもないのですが、(トライをして)喜びました!」。

「(大野)均さんも喜んでいましたね。スーパーラグビーで戦うのが夢だったので、いい経験できました。(サンウルブズは)日本ラグビー、日本代表にとっても重要なものだったと思います」と振り返った。

今シーズン引退した大野さんは「(思い出の試合は)2016年、サンウルブズが開幕戦を戦ったライオンズ戦です。開幕戦、お客さんが入ってくれるか不安だったが、2万人ほど入って、炎の演出もあり、相手がライオンズということで感慨深かった」と回顧した。

PR稲垣は「2016年シーズンから参加させてもらっているので、思い出深いチームです。(最高のゲームは)2017年、ホームでやったブルズ戦ですかね。ずっとサンウルブズ参加していて、僕が試合に出て勝った試合はこの試合だけ」。

「プレイヤーとして試合に出た、唯一の勝利でした。サンウルブズは自分を成長させてくれたチーム。日本ラグビー界にもいろんな力を感じさせてくれた。これでなくなってしまうのは寂しいですが、サンウルブズが戻ってくることを祈りたい」と話した。

また、SH田中は「いろんな国の選手がいて、家族のような素晴らしいチームでした。(思い出に残る試合は)2018年のストーマーズ戦、スーパーラグビーで初めて連勝した試合です。(勝利した直後の)ジェイミー・ジョセフHCのゴリラのような笑顔が思い出に残っています(苦笑)」と会場の笑いを誘った。

浅原選手の「Awoooo」

そして、43キャップでサンウルブズ最多キャップを誇るPR浅原は「長くツアーできたのはスタッフの方たちとか、ファンの方のおかげです。オーストラリアでホテルのご飯があまりおいしくなかったとき『あれ?』と思ったくらいで、あとは楽しかったです。南アフリカのステーキ、おいしかったです!」と満面の笑顔を見せた。

トークショーの後には、2020年シーズンの表彰などが行われた。2020年の「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」には天理大学4年のWTBシオサイア・フィフィタ、

「チームマン・オブ・ザ・イヤー」にはSH木村貴大、「スタッフ・オブ・ザ・イヤー」にはトレーナーの宮崎吉朗氏、「プレイヤー・オブ・ザ・イヤー」には、現在はレベルズでプレーしているLOマイケル・ストーバーグが選出された。

そして、大久保HCや沢木コーチの今シーズンの総評、ファンから選手への質問タイム、そして記念撮影があり、セレモニーは終了となった。

最後に、渡瀬CEOは「サンウルブズはみなさんの思いで成り立っているチームだなと改めて思いました。この思い出を選手もスタッフも心に残して、いつの日か、もう1回戦うチャンスがあったら、みんな馳せ参じてくれると思います」。

「みなさまもぜひ、スタンドで大きな声で応援してくれたらと思います。5年間、ありがとうございました」という言葉で締めた。

サンウルブズは日本で初めてのプロチームとして、ラグビー界に新風を巻き起こし、新たなラグビーファンを獲得。「Awoooo」というファンのかけ声も定着した。また2019年W杯でベスト8に進出した日本代表への多大なる貢献は言うまでもない。

来シーズンからスーパーラグビーからの除外が決まる中、2020年は新型コロナウィルズの影響で、シーズン途中で終了という形で終わってしまったのは残念でならないが、再び、サンウルブズというチームが世界に挑む姿を見たいと願うファンも多いはずだ。

私もそのひとりである。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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