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ラグビーワールドカップ2019の興奮再び フィジアン・マジックが炸裂のジョージア戦 「死のプール」の大一番、イングランド対アルゼンチン
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一2019年9月20日、日本代表のロシア戦勝利で幕を開けたラグビーワールドカップ(RWC)日本大会は、9月28日、日本代表がアイルランドを下すと、その人気に火がついた。試合の中継だけではなく、テレビ、新聞、ラジオ、インターネット、SNSなどを通して、日本列島がラグビー一色になったのだ。
日本代表に注目が集まったのは当然だが、それ以外の試合もスタジアムは満員となり、好ゲームも多かった。RWCは、参加20チームが4つのプール(組)に分かれて総当たり戦を行い、各プールの上位2チームがベスト8による決勝トーナメントに進む方式だ。各プール3位には次回大会の出場権が与えられる。プール戦の順位争いは熾烈だった。ステイホーム期間に昨年の興奮をいま一度、思い出そう。
J SPORTSは、5月18日~20日かけて、プール戦の6試合を放送する。
本欄で取り上げるのは、プールDのジョージア対フィジー、プールCのイングランド対アルゼンチンだ。大会前、各プールで上位陣を崩し、波乱を起こすチームとして筆頭に挙げられたのが、フィジーと日本代表だった。フィジーは、ウェールズ、オーストラリア、ジョージア、ウルグアイと同じプールDに所属。決勝トーナメント進出を目指したが、初戦のオーストラリアに21-39で屈すると、格下と目されたウルグアイに27-30で敗れる。試合会場となった釜石鵜住居復興スタジアムは、驚きの番狂わせに興奮のるつぼと化した。
持ち味の自由奔放なプレーを出せず連敗。追い詰められたフィジーは、10月3日、東大阪市花園ラグビー場でヨーロッパの実力者であるジョージアと対戦した。2015年大会ではプール3位になったジョージアは、ウールズに敗れたもののウルグアイに勝って1勝1敗。互いに負けられない一戦だった。この日の花園は、シャワーのような雨が降ったり、止んだり、荒れた空模様だった。悪コンディションの中で拮抗した展開になったが、後半は、フィジーの持ち味である自由奔放なパスとランが観客を魅了する。
FBキニ・ムリムリヴァルの体勢を崩しながらのオフロードパス、WTBセミ・ランドランドラ、チョスア・トゥイソヴァの爆発的なスピード。FW主体の戦法からのモデルチェンジを図ってきたジョージアを率いるのは現サントリーサンゴリアスのミルトン・ヘイグ監督だ。負けじと自陣から展開して攻め込む。見ごたえある攻防は、じっくり見返す価値ありだ。
イングランド対アルゼンチンはプール戦屈指の注目度だった。のちに決勝まで進むことになるイングランドだが、プールCは「死のプール」と呼ばれていた。イングランド、アルゼンチン、フランスの順位が読めなかったからだ。イングランドが優勝候補の一角で、アルゼンチンは前大会でベスト4。フランスはRWCで過去3度ファイナリストとなっている。最初に激突したのは、フランスと対アルゼンチンで、23-21という僅差でフランスが勝利。アルゼンチンはトンガを破って、1勝1敗とし、イングランドは、トンガ、アメリカを下して2勝、そして、10月5日、東京スタジアムで両者が激突する。
観客席はほぼ満員の48,185人で埋まった。イングランドのキャプテンはCTBに入ったオーウェン・ファレル、アルゼンチンはFLパブロ・マテーラ。前半6分、アルゼンチンがSOベンハミン・ウルダピジェタのPGで先制する。イングランドは8分、ラインアウトからのモールで前進、SOジョージ・フォードのパスを受けたWTBジョニー・メイのトライで5-3と逆転する。
息詰まる攻防が続いた17分、イングランドのファレルに対して、アルゼンチンLOトマス・ラバニニが高いタックルをしてしまう。映像判定で肩がアゴにヒットしていることが確認され、レフリーのナイジェル・オーウェンスはレッドカード(退場処分)を掲げた。選手の安全を守るため、頭部へのタックルは厳しく取り締まられる中での当然のレッドカードだった。
残り60分を一人少ない14人で戦うことになったアルゼンチンは粘り強く戦ったが、イングランドは攻撃の手を緩めず、FBエリオット・デイリー、SHベン・ヤングスらのトライで着々と加点した。最終スコアは、39-10。ボーナスポイントを含む5ポイントを加算したイングランドがベスト8への一番乗りを果たした。理詰めの攻撃にエディ・ジョーンズヘッドコーチの手腕が垣間見える。
アルゼンチンは悔やんでも悔やみきれない敗北で決勝トーナメント進出の望みを絶たれた。反則にならない正確なスキルを身に着け、気持ちを乱すことなく戦うことの大切さを改めて思い知る試合でもあった。しかし、14人で60分、イングランドと堂々渡り合った。最後まで15人対15人だったらどうなったのだろう。そんな想像をしながら見てしまう戦いだ。
文:村上晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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