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ラグビー コラム 2020年1月29日

ラグビー日本代表、ジョセフHCが語る2023年ワールドカップへの第一歩

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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1月29日(水)、都内にある「JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE」でラグビーワールドカップ2019年大会のレビューと、今後の男子15人制ラグビー日本代表の強化方針に関しての記者会見が行われた。

男子15人制ラグビー日本代表の藤井雄一郎強化委員長、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)の2人が登壇した。

冒頭、「ミナサン、コンニチハ」と挨拶したジョセフHCは「昨年、チームが成し遂げたことに誇りに感じています」。

「ワールドカップに向けた選手たちのハードワークの結果であり、宮崎や網走合宿での選手たちのハードワークが実を結んで証明された。これから先、向かっているチャレンジがあることを認識しており、楽しみで、これからの4年間、ワクワクしています」と話した。

さらに「昨年のワールドカップ期間中、日本のみなさん、ファンのみなさん、もともとラグビーファンだった人もそうじゃない人も、チームを応援、支援してくださってくれたことにお礼を申し上げたい」。

「そういった サポートなければ、こういう(ベスト8)結果になっていなかった。アリガトウゴザイマシタ」と謝辞を述べた。

日本代表HCを続投した理由を「シンプルに2つだけ」というジョセフHC。「1つは日本が大好き、愛していることがあります。日本の国も日本の人の考え方も好きです」。

「(もう一つは)自分には、これまでやってきたように、2023年(ワールドカップ)に向けて日本ラグビーを強化、発展していく責任を感じたからです」と説明した。

その後、ジョセフHCは今後の日本ラグビー界、日本代表に関する話を続けた。「日本代表が強くあり続けないといけないため、優先的に考えなければいけないのは(選手の)ウェルフェア(選手を取り巻く環境)です」と強調した。

「大会のストラクチャーそのものを考えないといけないのは、選手が十分にプレーする機会と一緒に、ラグビーから離れる時間を取る、ケガしている選手がリハビリする、リコンディショニングをきちんとする、選手が最大限のパフォーマンスをするというところを整理したい」。

そのために、何度もジョセフHCが口にしてアピールしたことは「(日本代表)テストマッチのスケジュールと、トップリーグのスケジュールがコンフリクト(衝突)しないこと」だった。

指揮官は現在の1月から始まって5月に終わるスケジュールであれば適正だと考えており、「こういった大会ストラクチャーさえ、上手く機能すれば、選手はベストなパフォーマンスを発揮することにつながり、日本ラグビー全体がレベルアップにつながるはず」と話した。

前日、来季から松島幸太朗選手が2シーズン、フランスのクレルモンに移籍が決まった話に触れてジョセフHCは、「私としては昨年のワールドカップの成功を足がかりに、(松島だけでなく)そういった選手が出てくると思っています」。

「適切な選手が適切なタイミングで機会を得て(海外に)出て行くことで、選手のスキルセットをさらに磨き、今までと違うラグビー、違うコーチングの下で経験することは、選手にはいいことだと思う」と海外移籍を歓迎した。

他にも質疑応答では、2021年からサンウルブズが除外され、選手がスーパーラグビーを経験出来なくなることは、「よりハードで、タフなラグビーを経験する貴重な機会で、スーパーラグビーが代表強化につながっていた。(そういう機会がなくなるのは)心配なこと」と話した。

その代わりに、2019年の日本代表チームがやっていた代表合宿に加えて、ウォームアップゲームを行うことや、機会があれば海外遠征も考えているという。

今後、どういったラグビーをしていきたいか?という質問に対して、ジョセフHCは「大枠は変わったことはやろうとしないが、ラグビーは常に変わり続ける。変わっていくゲームに合わせていくことが必要です」。

「また、キッキングゲームのバランスが1つ大事。ワールドカップではボールを蹴りすぎて再獲得に苦労した場面もあったので、もう少しそこを磨いていくにはハードな練習、強化が必要です」。

「(トニー)ブラウンコーチはこれまで日本ラグビーに大きな献身してくれた。チームにとっても大事な存在で、彼らとこれから戦略を固めていくことを楽しみにしています」と先を見据えた。

すでに今後の日本代表に向けてジョセフHCは、トップリーグやサンウルブズの視察を始めている。

「トップリーグが始まったばかりで、ここから選手を見ていくことになる。過去3、4年、本当に成長遂げている選手がいて、強化を続けていく。一方で、(トップリーグの中で)新しい選手を選ぶ可能性出てくると思う」(ジョセフHC)

また、大学生を中心とした若い選手に対しては、「大学ラグビーの今のレベルで、いきなりティア1とのテストマッチを戦うに十分であるかは疑問ですが、積み木を積み重ねていくようにしていくことが重要」。

「若い選手は、ワールドカップで日本代表がどういうラグビーをしたいのか、日本代表にどういうスキルが必要なのか、どういったセレクションポリシーなのか自分たちの目で見たと思います」。

「何かを変えるわけではなく、選手を選んでいく。大学生は可能性あれば選んで、十分戦えるか見ていって、評価していきます」と話した。

ラグビー日本代表は、今年の6月末にはウェールズ代表と対戦し、7月にはイングランド代表と2試合対戦する。

2023年ワールドカップに向けて、すでに戦いは始まっている。ジョセフHCは「(6月、7月のティア1との3試合は)テストマッチです。勝つレベルに持って行くには大きなチャレンジになる」と意気込んだ。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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