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ラグビー コラム 2019年7月6日

神戸製鋼、ハードワークでリコーを破り3連勝。トップリーグカップ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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互いに負けられないカップ戦の注目の一戦は、最後まで勝敗がわからない試合となった。

7月2日(金)、東京・秩父宮ラグビー場で、トップリーグカップ・プールDの強豪同士、昨年度のトップリーグ覇者・神戸製鋼コベルコスティーラーズと、トップ8の一角・リコーブラックラムズが激突した。

金曜日のナイターで、王者・神戸製鋼が東京に登場ということもあり、後半から小雨が降る中、8024人もの観客が集った。

トップリーグカップ戦は6チームごとに4つのプールに分かれ、各プール1位でとならないと準決勝に進出できない。そのため、お互い、この試合の大きさを理解しており、本気のメンバーで臨んだ。

神戸製鋼のキャプテンSH(スクラムハーフ)アンドリュー・エリスは「カップ戦は1試合でも負けると準決勝に進むことができない。4月にチームに再集合したときから、この試合が大事と言ってきた」と話した。

リコーのゲームキャプテンFL(フランカー)フランカー松橋周平は「相手のメンバーをみたとき、うちに対してリスペクトを感じました。僕たちのラグビーで圧倒しようと思いました」と意気込んだ。

試合序盤は、前節敗れたリコーが積極的に仕掛ける。前半5分、ペナルティを得て、SO(スタンドオフ)ロビー・ロビンソンがPG(ペナルティゴール)を決めて3点を先制する。

その後は「(この試合は)テストマッチと同じ強度のディフェンスで、どれだけハードワークできるかを言い続けた」(エリス)という神戸製鋼が、特に自陣22m内で激しい守備を見せて、前半は相手に得点を許さなかった。

神戸製鋼はアタックでも2年目のFB(フルバック)井関信介がカウンターなどから積極的に仕掛けてペースを握る。すると11分、20分、23分と、サンウルブズから合流した名手SOヘイデン・パーカーがきっちりとPGを決めて9-3とリードする。

その後は、お互いのディフェンス力が上回り、膠着した状態が続き、両チームノートライ、9-3でハーフタイムを迎えた。

写真:名手SOパーカー、4つのPGで勝利に貢献

後半、神戸製鋼は4分に、SOパーカーがPGを沈めて、12-3とリードを広げる。ただリコーも負けていない。6分、ゴール前、ラインアウトからモールを押し込み、最後はHO(フッカー)芳野寛が押さえて8-12と追い上げる。

4点差に詰められた神戸製鋼は18分、敵陣15mほどのスクラムからSHエリスから左に展開、途中出場のSO清水晶大、WTB(ウィング)山下楽平とつないで、山下がトライ。清水もしっかりとゴールを決めて19-8と再びリードを広げる。

その後はなかなか得点が動かなかったが、リコーは37分、再びゴール前のライアウトからモールを押し込み、最後はNO8(ナンバーエイト)ボーク コリン雷神がトライ。

ゴールは決まらなかったが13-19とし、1トライ1ゴールで逆転できる点差に追い上げた。

残り時間1分強、リコーは相手のハイタックルで、再び、モールから得点のチャンスかと思われた。

しかし、ペナルティ後のキックがノータッチとなってしまう。カウンターから再びリコーが攻め込むが、神戸製鋼は途中出場のSH日和佐篤がジャッカルで奪い返す。あとはホーンが鳴った後、神戸製鋼がタッチに蹴り出しノーサイド。

トーナメントさながらの真剣勝負は神戸製鋼が19-13で勝利し、勝ち点4を加えて総勝ち点13とした。リコーは7点差以内の敗戦で勝ち点1を得て、総勝ち点7とした。

MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)にはカップ戦初登場となった神戸製鋼のSHエリスが選ばれた。

前節に続き、今節も惜敗してしまったリコーの神鳥裕之監督は、「昨年度のチャンピオンチームに対して、ファイティングスピリッツといった気持ちの部分を伝えられたゲームだったが、実行力、細かな判断、スキル、厳しい局面でのディシプリンなど、もっと上げていかないといけない」。

「モールなど相手を苦しめるシーンたくさんあったので、ポジティブな面を見ながら、できなかったことは次の試合に向けて反省していきたい」と悔しい表情を見せた。

ゲームキャプテンFL松橋は「(プール戦)1位通過を狙っていたので、何とかして勝ちたかった。結果、神戸製鋼の方が1枚、上手だった。大事なところの規律などを徹底し、プレッシャーに勝てる、もっとタフなチームにならないといけない」と前を向いた。

開幕3連勝を達成した神戸製鋼のデーブ・ディロン HC(ヘッドコーチ)は、後半、相手に押し込まれたこともあり、「勝つことができて本当によかった」。

「リコーさんからタフな試合を強いられた。自分たちは負けてもおかしくない試合で、勝ち切れた選手を誇りに思います」と口数も少なかった。

写真:MOMは神戸製鋼のSHエリス

キャプテンのSHエリスは「クオリティが高く、フィジカル、セットプレーの強いリコーに勝てて良かった。神戸製鋼のディフェンスは、テストマッチと同じレベルの強度、フィジカルだったと思います」。

「今回の勝利はチーム全員の勝利だと思っています。ノンメンバーがリコーのようなパフォーマンスで1週間準備してくれて、彼らのおかげで勝つことができた」と破顔した。

トップリーグカップ開幕3連勝となった神戸製鋼は、7月13日(土)の第4節 「コカ・コーラボトラーズジャパン広島総合グランド」でマツダブルーズーマーズと対戦する。

1勝2敗と準決勝進出が厳しくなったリコーは、同日、同会場で近鉄ライナーズと戦う。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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