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ラグビー コラム 2019年1月3日

明治、対抗戦のリベンジで早稲田を破り決勝進出。ラグビー大学選手権

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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第55回を迎えた全国大学ラグビー選手権大会の準決勝が、1月2日に東京・秩父宮ラグビー場で2試合行われた。

明治がリベンジ達成

第1試合目は創部100周年を迎えて対抗戦で優勝した早稲田大学(関東大学対抗戦優勝・2位扱い)と、昨年度のファイナリストの明治大学(対抗戦3位タ・4位扱い)が対戦した。

両者は 12月の対抗戦の「早明戦」で早稲田が31-27で勝利していたが、大学選手権で伝統の両校が激突するのは、2010年度以来13度目のことだ(大学選手権の通算成績は明治の7勝5敗)。

準々決勝では、早稲田は慶應義塾大学(対抗戦3位)との準々決勝、ラストプレーでWTB(ウィング)佐々木尚(4年)がトライを取り切り、20-19で逆転勝利。

明治も準々決勝、残り30秒に、FB(フルバック)山沢京平(2年)が、PG(ペナルティゴール)を決めて東海大学(リーグ戦優勝)に18-15で競り勝って、準決勝に駒を進めた。

冷静にPGを決める早稲田SH齋藤

早稲田の先発は、FWはPR(プロップ)鶴川達彦(4年)、小林賢太(1年)、LO(ロック)下川甲嗣(2年)、FL(フランカー)幸重天(3年)、NO8(ナンバーエイト)丸尾崇真(2年、早稲田実業)と、運動量豊富な仕事人が揃った。

BK(バックス)には、SH(スクラムハーフ)齋藤直人、ゲームリーダーも務めるSO(スタンドオフ)岸岡智樹の、1年からコンビを組んできた3年生ハーフ団がゲームコントロール。

CTB(センター)中野将伍、桑山淳生(ともに3年)、さらに1年生のWTB(ウィング)長田智希と、FB(フルバック)河瀬諒介がおり、攻撃力は高い選手が並んだ。

突破を試みる明治SH福田

一方、22年ぶりの優勝を目指す明治は、対抗戦では4位通過となったが、しっかりと帝京に3勝している力を見せて準決勝に進出。

FWではスクラムの強いPR祝原涼介(4年)や、安昌豪(3年)、 HO(フッカー)武井日向(3年)の第1列、LO箸本龍雅(2年)、FL井上遼(4年)、NO8坂和樹(3年)とボールキャリアに長けている選手が名を連ねた。

BKではキャプテンSH福田健太、SO忽那鐘太(ともに4年)がゲームコントロール。

準々決勝から戻ってきたFB山沢京平(2年)、WTB高橋汰地(4年、常翔学園)、山崎洋之(3年、筑紫)ら、バックスリーには決定力の高い選手が揃った。

前半1分、FB河瀬のトライ

前半1分、いきなり試合が動く。明治大FB山沢の蹴ったボールを早稲田大FB河瀬が見事にチャージ、そのままインゴールでボールを押さえ、早稲田が0-7と先制する。

だが、「リベンジ」をテーマにディフェンスからゲームを組み立てた明治も、徐々にペースをつかんでいく。

互いにPGを入れ、7-3と早稲田リードで迎えた23分、明治はフェアキャッチ後のリスタートから外に展開し、WTB高橋が80mほどのビッグゲイン。

最後は左から右に展開して、WTB山崎がトライを挙げて、ゴールも決まり明治が10-10の同点に追いつく。

前半終了間際にも得点の奪い合いが続く。早稲田は36分にSH齋藤がPGを決めて、3点をリードする。

だが、明治大もすぐに反撃し、37分、キャプテンSH福田の裏へのハイパントキックに、WTB高橋やFWが素早く反応し、ボールを乗り越えてターンオーバー。

そのボールを右に展開し、縦に走り込んだCTB射場大輔(3年)が中央に飛び込んで17-13と逆転し、ハーフタイムを迎える。

後半の最初も一進一退の攻防を見せる。10分過ぎたあたりから早稲田が自陣から35次の猛攻を見せるが、明治が意地のディエンスを見せて得点を許さず反撃。

18分、明治はゴール前で相手がペナルティした後、PGを選択することもできたが、スクラムを選択。その攻撃から明治は15次攻撃を重ねて、20分、最後はHO武井(3年)が押さえて、24-13とリードして主導権を握った。

23分、早稲田もすぐにCTB桑山淳生(3年)が1本返して、24-20と再び4点差に迫る。

トライを挙げる明治NO8坂

だが、明治は持ち前のボールキープ力でアタックを継続し、34次連続攻撃を見せて、最後はNO8坂和樹(3年)がポールの脇に押さえて、31-20と差を広げる。

残り5分、逆転を狙った早稲田は38分にWTB佐々木が意地のトライを挙げて、SH齋藤もゴールを決めて、再び31-27と4点差に追い上げた。

早稲田は準々決勝の慶應義塾戦同様にラストプレーでの逆転に向けて15次の攻撃を重ねたが、最後は明治の激しいディフェンスの前に万事休す。

明治が対抗戦のリベンジを達成し、31-27で勝利し、2年連続となる決勝進出を決めた。

中野を止める明治のディフェンス

明治の田中澄憲監督は、「ディフェンスが一番大事と話していた。今週やってきたことが、それが今日の我慢強いディフェンスに出た。(大学選手権を経て)タフになった、選手がたくましくなったと思います」。

「ノーシードから勝ち上がったチームなので、厳しいトーナメントを勝ち抜いたことは成長につながったと思います。目標の決勝戦があるので、ベストの準備をしていきたい」と胸を張った。

キャプテンのSH福田は、「対抗戦の早明戦に負けているので、明治としてはリベンジしようと強い気持ちを持って準備してきました」。

明治の田中監督(右)と福田主将

「その結果、勝つことができて目標の大学選手権での優勝への挑戦権を得られることができてホッとしています」。

「ただ、まだ目標達成できたわけではない。明治のスタンダードを落とさず、いい準備をして決勝戦に臨みたい」と安堵しつつも、気を引き締めた。

早稲田は創部100周年のメモリアルイヤーで、対抗戦こそ同時優勝を果たしたが、10シーズンぶりの優勝には届かなかった。

相良南海夫監督は、「この大学選手権で正月超えて、準決勝という舞台に明治と対戦できて、かつこれだけ超満員の中で早明戦らしい、最高の両校の意地と意地のぶつかり合いというような、最後まで勝敗わからない試合をした両校の選手に感謝したい。

早稲田の相良監督(右)と佐藤キャプテン

「いいゲームになって良かったと思います。お互いに意地をぶつけあったところに、去年のファイナリストである明治にわれわれが気圧されたという印象です」と悔しさをにじませながらも、相手を讃えた。

キャプテンFL佐藤真吾(4年)は「このような環境で最後、記憶に残るような、死闘を繰り広げられることができて感謝しています」。

「結果がついてくればベストだったけど、相良監督、コーチ陣とワンチーム、非常にいいチーム作ってきたが、負けてしまって悔しい気持ちでいっぱいです」と唇を噛んだ。

接戦を制した明治は2年連続決勝進出を果たし、22年ぶりの優勝を目指し、1月12日、東京・秩父宮ラグビー場で関西王者の天理大学と激突する。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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