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1月1日(祝・火)までに3回戦を行ってベスト8が出揃い、主将による抽選で1月3日(木)の準々決勝、1月5日(土)の準決勝の組み合わせが決まり、例年通り1月7日に決勝が行われる。
なんと言っても注目されるのは第1グラウンドが、2019年ラグビーワールドカップのために改修されてから初めての大会となることだ。
スタジアムの顔となる南側正面玄関はスクラムをイメージした格子状のデザインとなった。座席も一部刷新、LEDによる照明や大型スクリーンも完備し、ゴールポストも13mからワールドカップ仕様の17mに伸びた。
2019年9月~10月にかけて世界の強豪国を迎える前に、高校生ラガーたちが新しい花園で最初の日本一を目指す。
今大会は、予選で昨年度優勝の東海大大阪仰星(大阪)や国体優勝の御所実業(奈良)、秋田工業(秋田)などが姿を消す波乱もあったが、各都道府県の予選を勝ち抜いた51校(北海道と東京は2校、大阪府は開催地枠も含めて3校)が出場する。
すでに3回戦までの対戦カードは決まっており、今年度の戦いぶりからAシード3校、Bシード10校の計13のシード校が選出。Aシードは準々決勝までシード校と当たらず、Bシード校も3回戦までシード校と対戦しない。
◆Aシード(3校)
・桐蔭学園(神奈川/選抜優勝)、大阪桐蔭(大阪第1/選抜準優勝)、東福岡(福岡/国体2位&九州大会優勝)
◆東のBシード(5校)
・黒沢尻工業(岩手)、茗渓学園(茨城)、流通経大柏(千葉)、日本航空石川(石川)、中部大春日丘(愛知)
◆西のBシード(5校)
・常翔学園(大阪第3)、報徳学園(兵庫)、天理(奈良)、佐賀工業(佐賀)、長崎北陽台(長崎)
今大会は「どこが勝つかわからない」と言われているが、やはり、Aシードの2つの『桐蔭』を軸に優勝が争われることは間違いないだろう。
初の花園での単独優勝を目指す桐蔭学園(神奈川)は、前回大会こそ大阪桐蔭に準決勝で敗れたが、春の選抜大会では連覇を達成。
昨年はFW(フォワード)中心のチームだったが、今年はキャプテンSH(スクラムハーフ)小西泰聖を中心に、伝統の継続ラグビーが健在。
また、PR(プロップ)鈴木康平、HO(フッカー)紀伊遼平(いずれも3年)とFWでもBK(バックス)でもバランス良くトライが取れるチームだ。
昨年度の準優勝だった大阪桐蔭(大阪第1)は春の大阪王者であり、FWの平均体重は95kgのフィジカルに長けたチームだ。
NO8(ナンバーエイト)堤田京太郎(3年)や、前回大会1年生ながら大活躍したFL(フランカー)奥井章仁(2年)がFWを引っ張る。
BKはSO(スタンドオフ)/CTB(センター)高本幹也、キャプテンCTB松山千大(ともに3年)が中心だ。
優勝候補は『桐蔭』の2校だけではない。同じくAシードの東福岡、大阪の強豪・Bシードの常翔学園、夏の7人制ラグビーの全国大会で、初のタイトルを奪取したBシードの流通経済大柏。
さらに国体優勝の御所実を破って出場の天理も虎視眈々と優勝をうかがっている。
2016年度以来の王座奪還をもくろむ、Aシードの九州王者・東福岡は、スピーディーにボールを大きく展開するラグビーが武器だ。
キャプテンHO福井翔、司令塔SO吉村紘、ラン能力に長けたCTB/FB(フルバック)宝田悠介(いずれも3年)、スピードと決定力に富んだWTB(ウィング)高本とむ(2年)ら能力の高い選手が揃っている。
ディフェンディングチャンピオンの東海大仰星を破って出場を決めたBシードの常翔学園はアタックのチームだ。テンポよくボールを動かすSH前田翔哉(3年)がキーマン。
NO8やCTBもこなすステップの得意な石田吉平、PR為房慶次朗、長身WTB山川一瑳(いずれも)と突破力に長けた選手も多い。2回戦からトライを量産し勢いに乗りたいところだ。
Bシードの流通経済大は、今年、桐蔭学園に土をつけた2校のうちの1つで、FWとBKとバランスがいい。
PR葛西拓斗を中心としたFWは体格のいい選手が揃い、セブンズを制したようにWTB永山大地(ともに3年)を軸としたBKもトライを取りきる力はある。
春の選抜は2度目のベスト4だった。花園ではベスト8の壁を破り、初のベスト4以上進出なるか。
選抜ベスト4に残ったのは桐蔭学園、大阪桐蔭、流通経済大柏、そして天理だった。天理は奈良県予選決勝で、国体優勝のライバル御所実業を破っての出場である。
天理は持ち前の展開力だけでなく、NO8照井悠一郎キャプテンを筆頭に、PR金山忠次、FL山村勝悟(いずれも3年)らがおり、FWにも力がある。BKにもWTB津野来真(3年)と決定力ある選手もいる。花園でも上位進出なるか。
他には東のBシードは、東北王者・黒沢尻工業(岩手)、バスラグビーを信条とする茗渓学園(茨城)、北信越王者の日本航空石川(石川)。
また、元日本代表を父に持つWTB/FB大籔洸太(3年)がエースの東海王者の中部大春日丘(愛知)の4校。
他の西のBシードは決定力のあるFB山田響(2年)がいる報徳学園(兵庫)、佐賀工業(佐賀)、九州大会2位の長崎北陽台(長崎)の3校だ。
優勝はやはりシード13校から出る可能性は高いと予想されるが、今年度はノーシード校にも力のあるチームが揃ったことも特徴だろう。
突破力に長けた主将CTB李承信(3年)が中心の大阪朝鮮(大阪第2)、FB二村莞司(3年)ら走力のある選手が揃う京都成章(京都)、尾道(広島)、石見智翠館(島根)、國學院栃木(栃木)。
そして、82シーズンぶりの出場を果たした早稲田実業(東京第1)が実力校だ。シード校以外が、シード校を破る「シードバック」が何回起こるかにも注目してほしい。
今大会の初出場校は、三菱重工相模原のコーチ陣が指導にあたっている聖光学院(福島)と、日本代表の名CTBだった霜村誠一氏が監督をつとめる桐生第一(群馬)の2校だ。両校とも、まず、花園での初勝利を目指す。
高校ラグビー界は「西高東低」と言われて久しく、20年連続で西のチームが優勝(2010年度大会のみ、東福岡と桐蔭学園が同時優勝)し続けている。
今年も全体的には西のチームが優勢であることは変わらないが、東のチームの奮闘にも期待したい。
「花園から世界へ」という大会スローガンの通り、15人制のワールドカップや7人制のオリンピックに出場した選手の多くは花園で躍動した選手たちである。
きっと、今大会に出場した選手の中からも2023年のフランスワールドカップ、2024年パリ五輪で輝く選手が出てくるはずだ。
花園は負けたら終わりのノックアウト方式である。高校時代の青春と努力を花園にぶつけるからこそ、見ているものの心を打つ。
そして今年度は平成最後の大会。新しい花園ラグビー場で最初に優勝旗「飛球の旗」を手にするのはどのチームの主将になるのか。開幕は12月27日(木)、そして決勝は1月7日(月)である。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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