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悔いの残った慶應義塾大学戦から2週間。明治大学はチームのテーマとして〝Back to Base〟を掲げ、基本に立ち返ることを徹底し、帝京大学との大一番に挑んだ。
前半開始早々に先制に成功すると、明治が一度もリードを許すことなく23-15。今シーズン一番の集中力で接戦を制した。春、夏、秋と勝利した明治。常勝・帝京大の時代に終止符を打った。
スクラムで赤壁を崩した。前半5分に相手ボールスクラムをターンオーバーし、流れを引き寄せると、FB(フルバック)山沢京平(政経2=深谷)のPG(ペナルティゴール)で先制。「敵陣で3点でもしっかり得点できた」(山沢)。
続く10分には、スクラムからSH(スクラムハーフ)福田健太主将(法4=茗溪学園)が相手ディフェンスをずらし、パスを受けたCTB(センター)渡邉弐貴(営4=国学院栃木)がトライを挙げ10-0。慶応戦で課題となった入りだが、見事に克服した。
また、1つ壁を超えてみせた。昨年度の帝京大戦では、前半14-20と接戦を演じるも、後半は0得点。相手の流れを覆すことができず、終わってみれば14-41の大敗を喫した。
しかし、今年度の明治は違った。後半に入ってからもその勢いは衰えることはなく、開始3分にまたしてもスクラムで一気にターンオーバー。
CTB森勇登(政経2=東福岡)が相手右裏のスペースに蹴り込み、確保したWTB(ウイング)橋汰地(政経4=常翔学園)がインゴールへ飛び込んだ。
「FW(フォワード)、BK(バックス)が一体となって取れたトライ」(HO/フッカー武井日向・商3=国学院栃木)。終始優勢で進めたスクラム。明治最強の武器で王者を打ち負かした。
集中力は悔しさから生まれた。後半12分、帝京大の14フェーズを数える怒濤(どとう)のアタックに対して、粘り強いディフェンスで応戦。
最後は武井がボールに絡みペナルティーを誘発し、最大のピンチをしのいだ。慶応戦の負けを生かし「全員冷静にプレーできていた」(福田健)。
冷静さは最後のPG選択場面においても見られた。20-15で迎えた後半30分、相手ゴール前でペナルティーを獲得。PGを決め、8点差にするのが定石だが、スクラムを選択し会場を沸かせた。
この日、スクラムに自信があったことはもちろんだが、「敵陣で時間を使って明治の流れに持っていく」(福田健)。時間と状況を落ち着いて判断した戦略だった。その後、もう1回アドバンテージを獲得し今度はPGを決め、ゲームを決めた。
今年度の帝京大戦は3連勝。対抗戦の勝利も2010年以来、8年ぶりの勝利となった。「本当にうれしい。自分たちの力を信じて、最後勝ち切ることができた」(SO/スタンドオフ松尾将太郎・商4=東福岡)。
次戦は3年ぶりの優勝が懸かった早稲田大学戦。昨年度は29-19で勝利を収めている。
「100周年ということもありプライドを感じるが、自分たちのベースを信じてやる」(福田健)。何が起こるのかが分からないのが早明戦だが、今一番勢いのある明治なら勝ってくれるに違いない。
文/写真:鈴木貴裕(明大スポーツ)
◆12月2日(日)午後1:50 早稲田大学 vs. 明治大学
※J SPORTS 1 生中継&J SPORTSオンデマンドLIVE配信
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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