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創部100周年を迎えた早稲田大学ラグビー蹴球部。悲願の『荒ぶる』をつかむために、絶対に負けることが許されない戦い、関東大学対抗戦が埼玉・セナリオハウスフィールド三郷で開幕した。
初戦の相手は筑波大学。「筑波大との一戦は毎年ヤマ場だと思う」と、FL(フランカー)幸重天(文構3=大分舞鶴)が言うように重要な一戦だ。
試合は前半2分、早大がボールを保持し、敵陣に攻め込む。フォワードのタテ攻撃から素早く展開。空いたスペースにいたWTB(ウィング)古賀由教(スポ2=東福岡)が左隅にグラウンディングし、幸先よく先制。セットプレーも安定し、早大ペースのまま試合は進んでいく。
すると、前半12分、CTB(センター)中野将伍(スポ3=福岡・東筑)が抜け出し、再び古賀に繋ぎ得点を重ねる。その後も早大はフォワード陣が奮闘。カウンターラックでボールを奪うなど粘りを見せた。
だが、風の影響からかキックでミスを連発。なかなかエリアマネージメントが上手くいかず、自陣に押し込まれる時間が増えていく。PG(ペナルティゴール)から3点を失い、14-3とされる。
しかし、前半終了間際、NO8(ナンバーエイト)丸尾崇真(文構2=東京・早実)が、マイボールスクラムからすぐに持ち出しゲイン。たまらず相手は反則を犯すと、SH(スクラムハーフ)齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がPGを決め、17-3で試合を折り返す。
エンドが変わった後半。先にトライを奪ったのも早大だった。2分、幸重が相手にプレッシャーをかけると、こぼれたボールを丸尾がキック。
これを確保し、左へ展開。古賀がステップで相手2人をかわしてインゴールを駆け抜け、この試合ハットトリックを決める。
さらに、後半19分にはSO(スタンドオフ)岸岡智樹(スポ3=大阪・東海大仰星)が敵陣奥深くでゴロパント。このキックに反応した途中出場のWTB(ウィング)梅津友喜(スポ3=岩手・黒沢尻北)がボールを拾い、ゴール右隅にトライ。
その後は1トライを失うが、早大は流れを渡さなかった。梅津の連続トライやノーホイッスルトライなど立て続けに得点し、筑波大を圧倒。終わってみれば55-10で完勝した。
「大分良くなっている」と相良南海夫監督が(平4政経卒=東京・早大学院)と語るように、この試合では規律の部分で改善が見られた。また、ディフェンスで相手を押し返してラックでターンオーバーする場面が散見された。
これに関しては「チームとして嬉しい部分」(古賀)と好感触を示した。ただ、「まだまだ成長しないと、帝京大学や明治大学には戦えない」(相良監督)と現状に満足していないことを語った。
早大の掲げる『Moving』を体現するには、エリアマネジメントが不可欠。そのために鍵となってくるのはSO岸岡のキックの精度だろう。
きょうの試合では「キックを使うオプションのところで判断は間違ってはいなかった」(岸岡)ものの、キックの種類や頻度について反省点があったとした。
「正月を越えるということを意識したい」(古賀)。序盤のヤマ場を制した早大。この試合出た課題をどのように修正していくのか。これからの早大に目が離せない。
文:小田真史/写真:涌井統矢、元田蒼(早稲田スポーツ)
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