人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

モーター スポーツ コラム 2024年10月17日

トプラク2度目の戴冠か? 新人ブレガの大逆転か? 長島哲太もスポット参戦 | FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第12戦(最終戦) へレス プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
  • Line
FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第12戦(最終戦) へレス

FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第12戦(最終戦) へレス

排気量およそ1000ccのスポーツバイクの世界一決定戦「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」はいよいよ最終戦の舞台、ヘレスサーキット(スペイン)へ。全12ラウンドの2024年シーズンがいよいよフィナーレを迎えます。今回は。10月18日(金)〜20日(日)に開催される最終戦のレースプレビューをお届けしましょう。

2024年シーズンは昨年までオートバイメーカーの選手権であるマニュファクチャラーズランキングで4位に沈んでいたBMWが2021年王者のトプラク・ラズガットリオグル(BMW)の電撃移籍によって大躍進を遂げたシーズンになりました。開幕戦のフィリップアイランドこそ苦戦したものの、BMW M1000RRのファクトリーマシン(ワークスマシン)のポテンシャルを強烈に引き出したラズガットリオグルは第2戦・バルセロナで早くも移籍後の初優勝をマーク。その後は第3戦・アッセンのレース2から13レースで連勝を飾り、WSBKの新記録を打ち立てる無双ぶりを見せました。

しかし、第8戦・マニクールの練習走行で転倒し、軽度の外傷性気胸と診断され、第8戦、第9戦と2ラウンドを欠場。これで大量リードのポイント貯金が一気に減少するピンチを迎えました。ただ、第10戦・アラゴンでは3レース連続の2位表彰台を獲得、さらには第11戦・エストリルでは2勝をマークするなどしてランキング首位を一度も明け渡さぬまま最終戦を迎えることになりました。

トプラク・ラズガットリオグル(BMW)の対抗馬となったのはWSBKルーキーのニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)。昨年ドゥカティ・パニガーレV2で「スーパースポーツ世界選手権」のチャンピオンになり、ワークスチームからのWSBKデビューとなったわけですが、ブレガはWSBKを学んでいくシーズンになると予想されていました。それが開幕戦・フィリップアイランドのレース1におけるセンセーショナルなデビューウインで一気に変わることになります。2022年、23年と2年連続で王者に輝いたアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は重量規定の変更なども影響したのか、昨年までの圧倒的な速さは鳴りをひそめ、新人のニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)の後塵を拝するレースが続いていきました。

ただ、トプラク・ラズガットリオグル(BMW)の13連勝でシーズンの流れは完全に彼に持っていかれる形に。新人のブレガはラズガットリオグルが欠場した6レースで2勝しかすることができませんでした。大きなプレッシャーの中で経験豊富なベテランたちに先行されてしまい、ランキング首位を奪取することができませんでした。それでも第11戦・エストリルではスーパーポールレースで優勝し、ラズガットリオグルを打ち破ったブレガ。46点差で最終戦・ヘレスに挑みます。

チャンピオン争いはトプラク・ラズガットリオグル(BMW)とニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)の一騎打ちになります。残念ながらアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)はチャンピオン争いからは脱落してしまいました。

1ラウンドあたりの最大獲得ポイントが62点の中、46点差は大きな差です。レース1終了時点で37点差以上になるとチャンピオンはその時点で決定。ブレガは優勝してもラズガットリオグルが3位表彰台でフィニッシュするとチャンピオンの座はラズガットリオグルに渡ることになります。ブレガにとっては厳しい条件ですが、全力の走りと熱いバトルを期待したいですね。

チャンピオン争いの行方も気になりますが、どのライダーにとっても好結果を残したい最終戦です。BMW、ドゥカティ、ヤマハ、カワサキ(来年からビモータ)、ホンダのワークス&トップチームのシートは今季と同じラインナップですでに確定済みですが、プライベートチームのシートはまだ未発表のシートが多いので来季の就職活動のためにアピールしなければなりません。

BMWのプライベーターである「Bonovo Action」はチーム代表の個人的な理由により今季限りでWSBKから撤退することを決めており、ギャレット・ガーロフは来季はカワサキのプライベーター「Kawasaki Puccetti Racing」への移籍を決めています。スコット・レディングに関しては去就が決まっていません。

ホンダ勢としてはワークスチーム「Team HRC」がイケル・レクオーナとチャビ・ビエルゲのラインナップ継続を発表しましたが、日本の「MIE Racing」はまだ来季について未発表となっています。

今回の最終戦・ヘレスにはなんと日本の長島哲太が「Team HRC」からワイルドカード参戦することが決定。今季はDUNLOPのトップチームで全日本ロードレース選手権JSB1000への参戦が主戦場となっている長島哲太ですが、HRCのテストライダーとして度々ヨーロッパを訪れ、テスト走行で開発を担ってきました。

ホンダは今季もマニュファクチャラーズランキングでは最下位の5位と苦戦していますが、前戦エストリルではイケル・レクオーナ(ホンダ)が今季初の表彰台を獲得するなどシーズン中盤からはコンセッション(優遇措置)の効果もあってか成績が向上しています。長島は2022年最終戦以来2年ぶりのWSBK参戦。この2年間、スポット参戦を除いて日本人ライダーが不在でしたが、表彰台を狙えるポテンシャルを備えたホンダCBR1000RR-Rで長島がどんなパフォーマンスを見せるかも楽しみです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ