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モーター スポーツ コラム 2024年7月31日

WRC2024 第9戦ラリー・フィンランド プレビュー ~Grand Prix of Gravel Roads~

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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3連勝を狙うロバンペラ。

森と湖に囲まれた美しい国フィンランドは、モータースポーツとスキーのジャンプ競技で知られています。両競技の共通点は、“肝っ玉”でしょう。フィンランドでラリーは、国技とも言われるほど人気のあるスポーツです。様々なラリー競技が開催されており、その中から数多くのドライバーが輩出されています。ラリー・フィンランドはトップカテゴリーとして1951年から始まり、今年が73回目の開催です。1973年のWRC創設以来のメンバーですが何度か名前が変わり、お馴染みの1000湖ラリーが長い間続きました。WRCの大会名に国名を入れるとのFIA方針により、現在はラリー・フィンランドに変わりました。

このラリーは岩盤に支えられたしっかりとしたグラベルで道幅は比較的広く、特徴的な上下のうねりがあり無数の大小ジャンプがあります。高速ラリーとして知られSS平均速度が120キロ以上になることがあります。2016年には、クリス・ミーク選手が126.62キロを記録しています。瞬間最高速度は200キロを越えているでしょうね。このように個性が強いラリーのため歴史的には北欧系ドライバー以外に勝利は難しいと考えられていましたが、1990年トヨタのC.サインツ(スペイン)が北欧以外出身のドライバーとして初優勝、その2年後にD.オリオール(フランス)が優勝しました。車両や競技方法の変化に応じて神話も変化しつつあります。それでも70回開催のうち北欧系55回優勝はかなり特徴的です。

今回のエントリーは80台、R-1クラス10台、賑わいを見せているR-2は35台あります。トヨタはポディウムを獲得しているものの、新ポイントシステムに乗り切れずヒョンデを超えるのに苦労しています。今回はロバンペラ、オジェ、エバンスを投入、勝田貴元をサポート参加にしました。新人開拓にラトバラ監督はR-2ヤリスで活躍中のサミ・パヤリをR-1抜擢しました。ヒョンデはヌーヴィル、タナクに加え地元のラッピを起用。フォードはフルモーとミュンスターです。

R-2トヨタは7台エントリーしておりTOYOTA GAZOO Racingよりラトバラ監督自ら参戦、加えてヤングドライバー養成中の山本雄紀、小暮ひかる両ドライバーが参戦します。
トップクラスのドライバーであるオジェ、エバンス、タナク、ロバンペラ、ラッピはこのラリーの優勝経験者でヌーヴィルだけが優勝未経験です。美しい国の超高速ラリーをお楽しみください。

ラリー概要は下記のとおりです。

  SS本数   SS km  Liaison km  Total km
Day 1 (8/1) 1 3.48 km 3.64 km 7.12 km
Day 2 (8/2) 9 116.33 km 438.58 km 554.91 km
Day 3 (8/3) 6 144.22 km 435.92 km 580.14 km
Day 4 (8/4) 4 41.66 km 188.73 km 230.39 km
Total 20 305.69 km 1066.87 km 1372.56 km

文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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