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モーター スポーツ コラム 2024年6月12日

LM P2も加わり計62台が走るル・マン24時間ポルシェ有利の下馬評は覆るのか!?

モータースポーツコラム by 皆越 和也
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テストデーでTOPタイムを記録したポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車

プロトタイプカーであるメーカー主体のハイパーカークラス、市販のFIA GT3車両で争われるLMGT3クラス、この2クラスの混走により争われるFIA世界耐久選手権(WEC)の最も重要な一戦、第4戦「第92回ル・マン24時間」が、フランス、ル・マン市の一部公道を用いたサルト・サーキットにおいて開催される。今回はハイパーカー、LMGT3の2クラスに、昨年いっぱいでWECからクラスがなくなった欧州ルマンシリーズ(ELMS)のLMP2車両16台も加わり、総勢62台が出走予定だ。

事前の性能調整(BoP)と6台もの大量エントリーで有利と言われているポルシェに、昨年の100回大会を制したフェラーリ、WECの覇者TGR(トヨタ・ガズー・レーシング)がどう勝負をするのか、はたまた他の陣営が24時間を支配するのか?中継に釘付けになることは間違いないだろう。

ル・マン24時間の前哨戦となった第3戦スパ6時間は、レース終盤に起きた大きなアクシデントからの中断、そして延長戦となった結果、ハーツ・チームJOTAの12号車ポルシェ963が優勝という波乱となり、フェラーリが勝ち損ねた。LMGT3クラスでは開幕戦で1-2フィニッシュを飾った2台のBMWがもらい事故に遭いマンタイEMAの91号車ポルシェが優勝と、ポルシェが2クラスを制した。

そして6月に入って発表されたハイパーカーのBoPは、一定の速度(250km/h)を超えた時に出力制限を受けるという2段階調整となった。これにより最も影響を受けそうなのがフェラーリとランボルギーニで、これでポルシェが有利な立場に立ちそうだ。

今年のル・マン24時間にエントリーしたのは、ハイパーカーが23台、LMP2が16台、そしてLMGT3が23台の計62台。ハイパーカーはTGR(2台)、プジョー(2台)、フェラーリ(3台)、ポルシェ(5台+1台)、キャデラック(1台+2台)、アルピーヌ(2台)、今季より参戦のBMW(2台)、ランボルギーニ(1台+1台)、そしてイソッタ(1台)、9メイクスの23台がエントリー。
オレカシャシー+ギブソンエンジンのワンメイクであるLMP2クラスは16台がエントリーした。
LMGT3クラスは、アストンマーティン、BMW、フェラーリ(+3台)、マクラーレン(+1台)、ランボルギーニ、フォード(+1台)、レクサス=トヨタ、コルベット=GM、ポルシェ各2台に追加の5台を加えた計23台がエントリーしている。

トップクラス(ハイパーカークラス)のエントリー数は今世紀最多の23台となった。

24時間レースの舞台となるサルト・サーキットは1周13.626kmで、テルトル・ルージュからミュルサンヌ、インディアナポリス、アルナージュ、そしてポルシェカーブの手前までは公道を封鎖して使用する。テルトル・ルージュからミュルサンヌまではユノディエールというストレートで、現在は途中に2箇所のシケインが設けられている。コースはスタートラインからダンロップ・カーブまで、そしてポルシェカーブ前後は若干登っているが、ほぼフラットと言って良い高速コースである。

今年は既に車検が8日と9日に、10日にはテストデーが行われた。テストデーではやはりハイパーカーでは前評判どおりポルシェが好調で、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963がトップタイム、同4号車が2位、同5号車が4位につけた。TGRの8号車トヨタGR010ハイブリッドが3位、AFコルセの50号車フェラーリ499Pが5位となった。

TGRは7号車トヨタのエース、マイク・コンウェイが大会直前に事故で肋骨と鎖骨を骨折したことで参戦を断念。代わりに昨年まで7号車をドライブしたホセ-マリア・ロペスが加入することになった。2018年から5連覇をしたTGRがこれまでの経験と実績を生かしていかに戦うか?本命がポルシェ、対抗はフェラーリとTGRという図式に絡んで来るメーカーはあるのか?

トヨタは昨年の雪辱を果たすことができるのか!?

LM P2クラスは、2戦を終えインターユーロポル・コンペティションの43号車がポイントリーダーで、ユナイテッド・オートスポーツの22号車、宮田莉朋もドライブするクールレーシングの37号車、アイデックスポーツの28号車、アルガルべ・プロレーシングの25号車が僅差で追っている状態。このル・マン24時間はELMSのシリーズとしてはカウントされないが、別格のレースであるだけに各チームとも気合十分に臨み激しいバトルが演じられるだろう。

LMGT3クラスでは、自分の好きな自動車メーカーでもよいが、できれば日本人ドライバーのいるチームを応援したい。TFスポーツの82号車コルベットLZ06に小泉洋史(ブロンズ)、87号車RC Fに木村武史(ブロンズ)、またユナイテッド・オートスポーツの95号車マクラーレン720Sには濱口弘(ブロンズ)と佐藤万璃音(ゴールド)がエントリー。日本のチームであるD’station Racing777号車アストンマーティンには星野敏(ブロンズ)が参戦する。

12日には2本の公式練習と予選、13日に2本の公式練習とハイパーポールが行われグリッドが決定。決勝は15日16時(日本時間23時)にスタートする。

J SPORTSでは見逃し厳禁の激戦を生中継でお届けする。特にJ SPORTSオンデマンドでは、12日の公式練習より予選、ハイパーポール、ウォームアップ走行、決勝まで全て限定配信を行う。また現地の興奮をお届けするYouTubeオリジナル番組もJ SPORTS公式チャンネルで連日配信するのでご覧いただきたい。

文:皆越和也

皆越 和也

皆越 和也

1961年熊本県出身。1980年代後半に富士スピードウェイで観戦した「WEC in JAPAN」で四輪モータースポーツに目覚め、モータースポーツ専門誌編集部等を経てフリーランスのフォトライターに。SUPER GTは全日本GT選手権がスタートした1993年より、ほとんどのレースを現場で取材している。

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