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モーター スポーツ コラム 2023年10月28日

いよいよチャンピオン決定の最終戦は走り慣れたヘレスで! | FIM スーパーバイク世界選手権2023 第12戦 ヘレス(スペイン) プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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競り合ってフィニッシュするバウティスタ(左)とラズガットリオグル(右)

競り合ってフィニッシュするバウティスタ(左)とラズガットリオグル(右)

「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の2023年シーズンもいよいよ最終戦を迎えます。第12戦の舞台は当初、南米アルゼンチンでのレースが予定されていましたが、選挙開催の影響でアルゼンチンでの遠征レースはキャンセルに。多くのライダーが走り慣れたヘレス(スペイン)での開催となります。今回は第12戦・ヘレス=10月27日(金)〜10月29日(日)のレースプレビューをお届けしましょう。

残り2ラウンドで47点差にまで迫ってきたトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)を退けた!お見事な3連勝を飾ったアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)はその差を60点に広げることに成功しました。

1ラウンドの最大獲得ポイントが62点ですから、トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)はもう崖っぷち。2人の差があと2点広がるだけでポイントリーダーのアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)のチャンピオンが決定します。条件的にはレース1で早くもチャンピオンが決定する可能性が高い条件と言えます。

スーパーポールレースを含めてシーズン24勝をマークしてきたアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)、一方で毎年恒例のシーズン途中まではスロースターターぶりで、夏から急に結果を残してきたトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)。今季何度も接戦を演じてきた2人のファイトを最終戦も楽しみましょう。

元々はアルゼンチンで開催予定だったこともあり、代替戦となるヘレスでの戦いまでに1ヶ月近いインターバルがありました。来季のスーパーバイク世界選手権(WSBK)は例年以上に移籍の多いシーズンになるということで、それぞれがここ最近一緒に過ごしてきたメンバーとの最後の仕事になります。エモーショナルな1戦になるというわけです。

2024年の大シャッフルのキーマンとなったのがランキング3位のジョナサン・レイ(カワサキ)。近年、苦戦を強いられることになり、カワサキからの離脱を決めました。ジョナサン・レイ(カワサキ)の存在を一気に名実ともにスターダムにのし上げたのはカワサキであり、代表のギム・ロダ、そして元ライダーでありレイの素晴らしいメンターとなったペレ・リバと共に6度のワールドチャンピオンを獲得しました。9年間過ごしたカワサキを離れ、来季はヤマハへと移籍。ジョナサンの新しい環境での走りは来季の大きな楽しみと言えます。

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バウティスタ vs.ラズガットリオグル【ハイライト】FIM スーパーバイク世界選手権2023_第11戦 アウトドローモ (ポルトガル) RACE1 、SuperPole& RACE2#sbk

そのカワサキのシートを得たのはドゥカティから移籍のアクセル・バサーニ。24歳という若きライダーは2021年にWSBKにデビュー。第9戦・カタロニアでのレースで2位表彰台をいきなり獲得しています。その後も表彰台を獲得する走りを見せてきましたが、若さゆえか、リザルトが安定しないことも多く、ドゥカティのワークスシートは掴めませんでした。しかし、今季のランキングは5位とキャリアベストの位置に付けており、カワサキに移籍する来季は一気にその才能を開花させるタイミングになるのかもしれません。来季のカワサキはアレックス・ロウズ(カワサキ)とアクセル・バサーニ(ドゥカティ)というラインナップになります。

ランキング2位のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)もヤマハとの最後のレースになります。ヤマハで過ごしたのは4シーズンでしたが、2021年にはチャンピオンを獲得。その走りだけでなく、フロントタイヤだけを接地させてリアを浮かせて止まるストッピーの派手なパフォーマンスも彼の代名詞になりました。来季はBMWへの移籍となり、Pataヤマハのメンバーと最後のレースに挑みます。

移籍先のBMWとは2年契約。厳しい結果となっているBMWでラズガットリオグルがどこまで明るい未来を開けるかは全く不透明です。

ただ、スーパーバイク世界選手権は現状よりも更なる性能調整を設けて面白いレースを演出しようという意図が垣間みえます。最低重量がライダーとマシンを含めたものとなり、体重が軽いライダーが有利とはならないレギュレーションを導入する方向のよう。マイケル・ファンデルマーク(BMW)とトプラク・ラズガットリオグルという大柄なライダーラインナップとなるBMWにとってはエンジン開発の領域が多少増えそうなことも含めて明るい未来になるのかもしれません。

自由な開発を承認すれば、スピードが上がりすぎ、コストも上昇します。そこで性能調整を加えたとしてもバイクレースはライダーの力量による領域が多く、なかなか難しいのが現状です。ただ、MotoGPをはじめスーパーバイク世界選手権もドゥカティが強すぎる状況があり、世界的にバイクレース自体の関心が下がっている状況はオーガナイザーとしては何とかしたいところでしょう。

来季がさらに面白くなることを期待しつつ、現行レギュレーション下で行われるラストバトルを楽しみましょう!

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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