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モーター スポーツ コラム 2023年9月14日

WEC富士で大活躍した大黒柱

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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小林可夢偉選手(右)と佐藤恒治 トヨタ自動車社長(左)

親が家を建てた。
床の間に完成までずっと紙に包まれた柱がった。
小学生だった。知ったかぶりをして「大黒柱だ」と言ったが、間違っていた。
「大黒柱は、家の中心にあり、元は厨の中心にあった。台所には七福神の大黒天が居て、それで大黒柱と言われたのだ」と父に教えられた。

世界耐久選手権(WEC)第6戦の富士6時間レースをご覧いただけたと思います。ご視聴ありがとうございました。金曜日のフリー走行は、台風の直撃で走行できないのではないかと心配しましたが、幸いに逸れてくれた。しかし、近畿、中部、関東、東北地方で被害に遭ってしまった方が多く、お見舞いを申し上げます。

ドキュメンタリー〜The REAL〜【モータースポーツ特集】ル・マン24時間レース100周年TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の戦いをご覧いただいた方も多いと思います。こちらもご視聴ありがとうございます。今回、TGRのホームである富士スピードウェイで敵を迎え撃つというレース。そこで、大黒柱が大活躍してくれましたね。そう、小林可夢偉選手&チーム代表です。ハイパーカークラスのレースを拮抗させる意図で設けられているバランス・オブ・パフォーマンス(BOP)によって簡単には勝たせてくれない。しかし、可夢偉選手は、予選から大活躍。チームメイトの8号車に0.6秒の大差をつけてポールポジションを獲得してみせた。このタイム差は、凄い!の一言に尽きる速さだった。8号車のドライバー3人は、予選を終えてこの大差に顔色を失っていた。

そして決勝では、スタート直後の1コーナーでの先陣争いで先行されたTGRの二台。序盤から中盤までポルシェに先行されたが2番手として8号車に乗り込んだ平川亮選手が見事な追い上げでトップに立った。それは、平川選手が、レースの流れをトヨタに向けたいという一心でチームに掛け合って7号車をパスさせてもらったということがレース後のインタビューで分かった。そして、三番手で7号車に乗り込みアンカーを務めた可夢偉選手が無線で8号車を1コーナーでパスすると連絡。これは、チームオーダーではなく、8号車が抱えていた強いアンダーステアーでタイムが上がらなくて苦しんでいることを把握した状況の中でチーム内において無意味な争いをすることなくトップに立って1-2体制をゴールまで続ける策をチーム代表として判断だったとのこと。そして、可夢偉選手は、トップに立つや2位以下を引き離した。これを見ていた中嶋一貴TGRヨーロッパ副会長も「可夢偉は凄かった。可夢偉の走りは本当に素晴らしかった」と絶賛。

可夢偉選手は、その存在を示すだけの床柱ではなくて、正真正銘の大黒柱であることをチームの内外に強く示した。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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