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従兄弟の数が多いと言われます。
そうかなと思いつつ、数えてみると、やはり多い。
映像関係のスタッフがこんな揶揄を向けてくるのです。
<ジローさんは、会った全ての人みんなを従兄弟と勘違いしている>と。
さて、その従兄弟の一人が先週、「ジロちゃんの業界の将来は明るいね。素晴らしい」と。
化学系の仕事に従事しているその従兄弟。ある雑誌(モータースポーツ系の雑誌ではない)に掲載されていたF1に関する記事の内容が、現在のF1 GP各戦は絶大な人気を博しており、この先も新たな試み(エネルギー関連のチャンレジだと思われる)は注目されるだろうといものだったらしい。そして、プロモーション面でもこれまでになかった試みがとられている。
そういえば、昨年、アメリカに住んでいる他の従兄弟の息子から突然のWhats App。
「アメリカGPに行こう思うんだ。ジロちゃんどう思う?」
「モータースポーツ好きだったっけ?」
「F1見たいけれど、それ以上にビリー・ジョエルのコンサートも一緒にやるんだって」
「凄いね、行け!行け。お得感が凄いじゃないか」
という会話。チケット(コンサートも含めて)の正確な料金は忘れてしまったけれど、お値打ち価格だったと思う。
F1の取材は現在殆どしてないボクがコメントさせていただきます。ご容赦。
F1グループのCEOにステファノ・ドメニカリ氏が就任して以降、F1の人気を拡大する手法でビックネームのアーティストとのマッチングでイベントの価値を高めているようだ。それによって普段はモータースポーツにあまり興味が無い従兄弟の息子までがF1観戦をしようと思いたつ。ドメニカリ氏の戦略は、成功していると言えるのだろう。しかし、それは、アメリカだけのように感じるのは、ボクだけでしょうか?有名アーティストとのコラボレーションは、モータースポーツファン予備軍を取り込もうという戦略。でも、行き過ぎると軒をかして母屋を取られかねない。本末転倒というやつだ。
F1取材をしているジャーナリストに聞く。「アメリカでは、成功していますね」。
ドメニカリ氏の戦略の成功例を意味している回答。他のF1の情報に詳しい人に聞くと。F1グループのプロモーション部門には100人以上のスタッフがいて、世界各地のGP開催国ごとにプロモーションを担当するグループに分けられているらしい。主催、開催の国ごとの国民にマッチしたプログラムが立案されているということなのでしょうね。
レースの内容、クオリティは高くとも、フォーミュラレースの人気は、世界的に高くない。F1グループも他のシリーズのプロモーターもそれをどう打開しようか知恵を絞っているというのが現状なのでしょう。
従兄弟と従兄弟の息子。計2人がモータースポーツに少しでも目を向けてくれたことだけでもF1の戦略は成功していると言えるのかな。Better than nothing.
文:高橋 二朗
高橋 二朗
日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。
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