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モーター スポーツ コラム 2023年4月17日

2023年WRC第4戦クロアチア プレビュー| クレイグ・ブリーン訃報

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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開催直前のプレ・テスト中にヒョンデ・チームのブリーン選手が事故のため死亡しました。大変ショッキングなニュースです。ブリーン選手はヒョンデの3人目のレギュラードライバーをソルド選手と分け合っていました。今年のラリー・スウェーデンでは2位に入り、今シーズンの活躍が期待されていました。アイルランドのラリー一家の出身でまだ33歳の若さです。ラリー界は貴重な人材を失いました。深い哀悼の意を捧げます。

事故の詳細や救護体制などの報道がまだありませんが、FIAでは今後体制強化の方向に議論が進むことが想定されるのでこれからのオーガナイザーは一層の対応が求められることになります。現地の病院との事前打ち合わせ、医師の待機などチームドクターの仕事が重要になります。私もトヨタ時代に怪我人をヘリで病院に搬送した経験があります。幸い人命には影響なかったですが。

第4戦の舞台であるクロアチアは余り馴染みのない国かもしれませんが、歴史的には分離や合併を繰り返した国家で最新の独立は1991年6月ユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国からの独立です。
首都はザグレブで人口は約400万強、面積は56,000平方キロのこじんまりした国です。この地域はソビエト連邦の時代には東欧圏と呼ばれた暗い国家群の一つでした。ソ連崩壊後西側に入ったのはウクライナと似ています。近辺国のチェコ、ルーマニアとともに自動車産業もありシュコダやダチア(ルノー傘下)それにモスコビッチなどの自動車に親しんだ国家です。

1947年にはラリーが創設され1986年にはヨーロッパ選手権に格上げされ、2007年にヨーロッパ選手権の難易度の高いグループに昇格されました。モータースポーツへの関心は高く事務局の発表では昨年のクロアチア・ラリーには内外の観衆31万人、地域の経済効果は105百万ユーロ(約137億円)とのことです。

2021年WRC初開催から連続して第3回目となるこのラリー、路面はターマックですが概して道幅広く高速タイプですが場所によっては幅狭道路、それに加えて冬季の痛みからくる不整面、小ジャンプなどグリップ変化が大きいと言われています。
メーカーチームの体制はトヨタがロバンペラ、エヴァンス、オジェと勝田。フォードはタナクとルベの2台。渦中のヒョンデはヌーヴィルとラッピに加えエントリーしていたブリーンの代わりにソルドを入れるか2台に留めるかまだ発表に至っていません。

ラリー概要は次のとおりです。

  SS本数   SS km  Liaison km  Total km
D-1 (4/21) 8 130.18 km 352.82 km 483.00 km
D-2 (4/22) 8 116.60 km 675.56 km 792.16 km
D-3 (4/23) 4 54.48 km 320.04 km 374.52 km
Total 20 301.26 km 1348.42 km 1649.68 km

<ミニヒストリー>
クロアチアはWRC参入が2021年ですからご紹介する昔話のネタは多くありません。
2021年初回ラリーでトヨタのオジェが最終SSでチームメイトのエヴァンスを0.6秒差でかわして優勝。0.6秒差は歴代WRCで第3番目の僅少差記録です。
昨2022年はロバンペラがタナクに4.3秒の僅差で優勝。
2年続きで激戦です。今年はどうなるのでしょうか。

文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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