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鈴鹿サーキットで王者野尻はどのような走りを見せることができるのか
先日、鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPでマックス・フェルスタッペンの2年連続ワールドチャンピオンが決定したが、いよいよ国内モータースポーツも“年間王者決定の季節”を迎えた。その中でも国内のトップカテゴリーで、最初に王座決戦が繰り広げられるのが、今週末に鈴鹿サーキットで開催される全日本スーパーフォーミュラ選手権の第9戦・第10戦だ。
【連覇か、逆転か】
連覇を狙う野尻智紀(TEAM MUGEN)
ここまで8戦を終えて、7人のウィナーが誕生する大混戦のシーズンとなっているのだが、その中でも安定した強さを見せているのが、昨年王者の野尻智紀(TEAM MUGEN)だ。第2戦での優勝を含む6度の表彰台を獲得し、決勝での最下位は4位という安定した成績を残している。
ここまで8戦を終えて113ポイントを獲得しており、ライバルに対して30ポイント以上の差をつけている。土曜日の第9戦終了で24ポイント以上の差をつけていれば、野尻の連覇が決定することになる。ちなみに、国内トップフォーミュラにおいて2年連続チャンピオンが誕生すると、2007年&2008年に連覇した松田次生以来、14年ぶりということになる。これまで幾多のトップドライバーが連覇を目指してカーナンバー1をつけてシーズンを戦ってきたが、快挙を達成できず敗れてきた。
今回の野尻は、チャンピオン決定が濃厚とも言えるポイントリードを手にしているのだが、何が起こるか分からないのが、レースの恐いところ。そういう意味で、野尻にとって鈴鹿での2連戦は“今シーズン最大の難関”ということになりそう。そんなプレッシャーのかかる大会を、どのように切り抜けるのかが注目どころとなる。
これに対して、僅かな可能性を信じて逆転に臨むのがランキング2番手のサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING/81ポイント)と、3番手の平川亮(carenex TEAM IMPUL/79ポイント)だ。2人とも自力での逆転チャンピオンの可能性はなく、まずは2戦とも優勝することが一番の条件となる。とにかく、自分たちのベストを尽くすしかない週末となるのだが、野尻が何より警戒していたのが、この2人の勢いだ。
現在ランキング2位のサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
平川は今季WECにもフル参戦し、世界の舞台でさらに力をつけてきた。それを国内レースでは今季締めくくりとなる1戦でどのように発揮されるのか。そして、来季からフォーミュラEへのレギュラー参戦が決まっているフェネストラズにとっては、おそらく今回が“ひと区切り”のレースとなるかもしれない。そんな最終大会でどのようなパフォーマンスを見せるのか。目が離せない。
そして、それ以外の18人のドライバー全員が良い形でシーズンを終えて、来季につなげたいと考えているはず。これから本格化する2023年のシート争いのためにも、この鈴鹿で好結果を残したいところ。それがチャンピオン争いにどう影響してくるかも、注目のポイントになるかもしれない。
【最終戦までどうなるか分からない?チームタイトル争いも注目】
平川亮(carenex TEAM IMPUL)はドライバーズとチームの両タイトルを掛けた重要な一戦となる。
毎年、ドライバーズチャンピオン争いに注目が集まる最終戦だが、もうひとつ見逃せないのがチームタイトル争い。こちらも鈴鹿での2連戦を残して、かなりの接戦となってきている。
ここまで8戦を終えて、チームとしては2勝を挙げているTEAM MUGENが132ポイントで首位を快走している。昨年までは1台体制でチームタイトル争いでは不利な状況だったが、今年は笹原右京も加わり2台体制でエントリーし、第6戦富士ではダブル表彰台を獲得している。鈴鹿での2連戦で2台とも好結果を残すことができれば、チームとしても初となる王座の獲得に近づくことは間違いないだろう。
前回のもてぎでワンツーフィニッシュを飾ったcarenex TEAM IMPULが113ポイントでランキング2番手につけている。昨年は最終戦で2台ともが見事な走りを見せ、11年ぶりのチームタイトルを手にした名門IMPULだが、やはりエンジニアのサポートとして、レースの状況を把握するポジションに星野一樹が加わったことが大きい。ピットストップのタイミングを含めた戦略面も重要になる鈴鹿のレース。うまく攻略して、上位を独占すれば、逆転での2年連続チームタイトルも見えてくるだろう。
そのほか、数字上ではKONDO RACINGとDOCOMO TEAM DANDELION RACINGも逆転王座の可能性を残している。ドライバーズタイトル争いと違って、チームタイトルは日曜日の最終戦までもつれることは、ほぼ濃厚となっているだけに、こちらも手に汗握るバトルが見られそうだ。
また、今季は2人が対象となっているルーキー・オブ・ザ・イヤーも最終戦で勝敗が決する。ここまで8戦を終えて三宅淳詞(TEAM GOH)が18ポイント、佐藤蓮(TEAM GOH)が14ポイントとなっている。このチームメイト対決も要チェックだ。
そして、10月26日(水)から鈴鹿サーキットでテストが始まっているが、来季からマシンの空力パーツが変更され、新しいバージョンとなる。これにより、レース中のバトルが増えることが期待される一方で、ラップタイムは幾分か落ちることも予想されている。つまり、国内最速の予選ラップを見られるのは、これが最後ということになる。今回は2レース制ということで、予選も2回行われるほか、天気予報も良好。特に現地で観戦を予定している人たちは、午後の決勝だけでなく、午前の予選での走りも、その目に焼き付けてほしい。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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