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モーター スポーツ コラム 2022年8月4日

鈴鹿8耐 2022〜ホンダ、8年ぶりの優勝なるか?最強体制のカワサキ、虎視眈々のスズキとヤマハ

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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ヨシムラ・サート・モチュール

ヨシムラ・サート・モチュール

3年ぶりの開催となる「コカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース」(通称:鈴鹿8耐)の決勝レースがいよいよ8月7日(日)に開催されます。「J SPORTS」では決勝レースの模様を完全生中継でお送りしますが、今回はそのレースプレビューをお届けしましょう。

まず、今年の見どころは何といっても、前回大会2019年優勝のカワサキワークス「Kawasaki Racing Team」と新型ホンダCBR1000RR−Rで最強のワークスマシンを仕立ててきたホンダワークス「Team HRC」のワークスチームのガチ勝負でしょう。

「J SPORTS」でも生中継をお届けしているFIMスーパーバイク世界選手権に参戦するカワサキワークス「Kawasaki Racing Team」が、チェコ・モストのレースの後、そのまま鈴鹿に乗り込んでくる形になり、同チームはジョナサン・レイ/アレックス・ロウズ/レオン・ハスラムという最強のライダー編成で挑むことになります。史上最強とも言われるトリオはそれぞれ2回以上の鈴鹿8耐・優勝経験を持ち、その実力は誰もが認めるところ。

さらに彼らが日々共に仕事をする信頼できるメカニック達とレースを戦えるということで、チーム力もナンバーワンと言っても良いでしょう。近年ではあまり例がない外国人主体のワークスチームがあっと驚くチームワークを見せてくれると期待が高まります。

一方でホンダは国内のHRC(ホンダレーシング)の日本人メカニック中心の構成で挑み、「Team HRC」のライダーも長島哲太/高橋巧/イケル・レクオーナという日本人中心のラインナップになっています。カワサキワークスとは両極端な違いがありますが、ホンダCBR1000RR−Rのワークス仕様車はとんでもない速さを持っていると言われており、8年ぶりのホンダ車の優勝に大きな期待が寄せられています。

急遽、3人目のライダーとして起用されたイケル・レクオーナは今季、スーパーバイク世界選手権で3位表彰台を獲得するなどホンダの躍進に貢献している、今まさに売り出し中の若手。鈴鹿のレース経験が無いのが不安要素ですが、MotoGPからスーパーバイク世界選手権に難なく順応した適応力の高さで、鈴鹿8耐でも大いなる活躍を見せてくれるでしょう。

そんなカワサキvsホンダのワークス対決がクローズアップされがちですが、鈴鹿8耐は「FIM世界耐久選手権」(FIM EWC)の1戦であり、年間チャンピオンの行方にも注目が集まります。日本と海外のジョイントチームとして昨年チャンピオンに輝いた「Yoshimura SERT MOTUL」(渡辺一樹/ザビエル・シメオン/シルヴァン・ギュントーリ)は開幕戦・ル・マン24時間レースで優勝し、ランキング首位で鈴鹿8耐に挑みます。同チームのスズキGSX−R1000Rは全日本ロードレース選手権の実戦を通じ、渡辺一樹が開発を進めてきました。スズキのワークスマシンとも言え、MotoGPで培ったノウハウも注ぎ込まれており、高いポテンシャルを有しています。

そして、FIM世界耐久選手権のチャンピオン経験もあるホンダ系トップチーム「F.C.C. TSR Honda France」(ジョシュ・フック/マイク・ディメリオ/ジーノ・リア)にとっても、鈴鹿8耐は地元凱旋レース。今季はスパ24時間で2位表彰台を勝ち取るなどして、ランキング2位につけています。ワークス仕様のホンダCBR1000RR−Rではなく、24時間レースにも対応したTSR独自の耐久仕様であるため、驚くべきスピードはないかもしれませんが、豊富なデータと改善を積み重ねてきた同チームは意外な伏兵になるかもしれません。

一方でヤマハは今年、ワークスチームが参戦しません。ただ、FIM世界耐久選手権のレギュラーチーム「YART YAMAHA」(マーヴィン・フリッツ/ニッコロ・カネパ/カレル・ハニカ)は事前テストで2分6秒台の好タイムをマークしました。これはもう全日本で走っているワークス仕様に限りなく近いポテンシャルを持っていると考えても良いでしょう。24時間レースではトラブルに泣くことが多い同チームですが、8時間レースは彼らの得意ジャンル。鈴鹿8耐でも表彰台まであと一歩のところまで迫る、振り向けばYARTというレースを何度も展開しており、必ずや表彰台の一角を狙うレースを展開することになるでしょう。

また、国内チームではホンダCBR1000RR−Rのプライベートチームが優勢。かつての優勝チームHARC PROが母体の「SDG Honda Racing」(名越哲平/浦本修充/榎戸育寛)、「Honda Dream RT 桜井ホンダ」(濱原颯道/日浦大治朗/國井勇輝)、そして「Astemo Honda Dream SI Racing」(渡辺一馬/作本輝介/羽田大河)など侮れない存在のチームが多数います。

そして、総合優勝を争うEWCクラス以外では、市販車により近い仕様のマシンで戦うSST(スーパーストック)クラスでは事前テストでヤマハが速さを見せました。「NCXX RACING with RIDERS CLUB」(伊藤勇樹/南本宗一郎/井手翔太)は優勝の最有力候補。そこに対抗するのが、「J SPORTS」で今年から中継が始まったスーパースポーツ300世界選手権で活躍する岡谷雄太も乗る「Kawasaki Plaza Racing Team」(岩戸亮介/清末尚樹/岡谷雄太)。カワサキ販売店の代表チームとして街乗りに近い仕様のカワサキZX−10Rを走らせ、実力十分の彼らがどこまでそのポテンシャルを引き出してくるか楽しみです。

また、SSTクラスで侮れない存在となるのが、ボルドール24時間にも参戦予定の「TONE SYNCEDGE 4413 BMW」(星野知也/石塚健/中冨伸一)。上記の2チームがブリヂストンユーザーであるのと違い、こちらはダンロップユーザー。雨など、コンディションの変化があった時にはチーム力が非常に高いだけにトップ争いに食い込んでくるでしょう。

注目チームを挙げればキリが無いほど、バラエティ豊かで実力伯仲のチームが多い今年の8耐。ワークスチームだけでなくプライベートチームの渾身のアタック、そしてチーム一丸となって戦う姿にも是非注目してください!

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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