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モーター スポーツ コラム 2022年8月1日

WRC2022 第8戦ラリー・フィンランド プレビュー “真夏のグランプリ”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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無数のジャンピングポイントが名物のラリー・フィンランド。

フィンランドは自他ともに認めるラリー王国。フィンランドにおいてラリーはスキーのジャンプ競技と共に国技のような扱いです。ラリードライバー、スキージャンパーそれに吹雪の中離着陸するフィンランド航空のパイロットの共通点は“肝っ玉”です。

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ラリー・フィンランドは1951年に創設され、かつては耐久タイプのラリーでした。その後大会の名前も何度か代わり、皆さんにとって馴染み深い名称は“1000湖ラリー”でしょう。WRCの大会名に国名を入れるというFIAの方針で現在の名前に落ち着き、今年は第71回目の開催となります。

約70年間のメーカー別優勝回数は1位:フォード=13回、2位:プジョー=10回、3位:トヨタ=7回、4位:サーブ=6回、5位:三菱とシトロエン=5回、6位:フィアットとランチア=4回などとなっています。
ドライバーでは1位:ミッコラとグロンホルム=7回、2位:マルク・アレン=6回、3位:トミ・マキネン=5回、4位:ティモ・マキネン =4回、5位:ランピネン、カンクネン、ロウブ、ラトバラなど=3回となっています。

さて、ラリー・フィンランドの特徴といえば強固な岩盤に支えられたスムーズなグラベルと無数のジャンピングポイントをWRC最速のSS平均タイム120キロ以上で駆け抜ける高速ラリーです。グラベルの表面はタイヤマークがつくほど固くアスファルト並みのグリップがあります。ひとつ前のエストニアもフィンランドに近い地質、地形でしたが悪天候のため全く別の戦いになってしまいました。長い間北欧の早い秋の開催であったこのラリーでは、天候が不安定になることがありましたが、今年夏の開催となるため天候の影響は少ないと思われます。激戦を期待しましょう。近年はトヨタ絶好調で2017年から2021年まで4連勝中です(2020年はコロナでキャンセル)

今シーズン7戦終了時点でのドライバーポイントは1位:ロバンペラ=175pt、2位:ヌービル=92pt、3位:エバンス=79pt、4位:タナク=77pt 5位:勝田=73 pt、6位:ブリーン=60ptとなっています。神童ロバンペラが7戦中5勝で破竹の勢いを見せていますが、2位以下は激戦です。トヨタはエバンスがやや調子を取り戻してきました。一方ヒョンデはマシンの信頼性が課題です。
メーカーポイントでは1位:トヨタ=298pt、2位:ヒョンデ=211pt、3位:フォード=156ptとなっています。

超高速走行、ジャンプ、美しい森林、湖などフィンランドならでの景色を充分お楽しみください。

フィンランドならではの美しい景色も楽しみの一つだ。

ラリー概要は次のとおりです。

  SS本数   SS km  Liaison km  Total km
L-1 (8/4-5) 10 128.39 km 406.79 km 535.18 km
L-2 (8/6) 8 150.30 km 476.40 km 626.70 km
L-3 (8/7) 4 43.92 km 221.67 km 265.59 km
Total 22 322.61 km 1104.86 km 1427.47 km

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文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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