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モーター スポーツ コラム 2022年7月28日

モータースポーツと森林の関係性~モータースポーツとカーボンニュートラルを考える~

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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富士スピードウェイ

‘SDGs’
‘エスディージーズ’
発音しようとして、とても良く噛みます。

噛まないでコメントできた時には、モータースポーツの関係者、特に若きドライバーたちから「凄い!噛まなかったですね」と誉められたりします。

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さて、SDGsですが。2015年の国連サミットで決まって2030年を達成の期限として17のゴール、169のターゲットから構成されているって知っていました?ボクはつい最近まで知りませんでした。

自動車産業は、13番目のゴール<気候変動に具体的な対策>に対するカーボンニュートラル=二酸化炭素(CO2)の削減に躍起になっています。化石燃料を内燃機関で動力に変換する際、排気ガスが発生します。その中に含まれるCO2が温室効果ガス濃度を高め、気温上昇=地球温暖化を引き起こしているというのです。今や地球の至る所で気温の上昇、大雨、干ばつが起こっていることは日々ニュースで知らされていますよね。

メタンガスや他のガスも温室効果ガスには含まれますが、総排出量のうち90%強がCO2。そのうち、化石燃料の焼却による発生が約85%もといわれているので、世界的に現在の内燃機関自動車は、目の敵なわけです。化石燃料を劇的に活用し始めたのは、18世紀の産業革命以降。もう何百年も前から産業のために燃やされてきた石油、石炭、天然ガスによって蓄積され続けてきた温室効果ガスに対してようやく21世紀になって期限付き項目とされたわけです。

海外の自動車メーカーは、2030年に内燃機関の自動車生産はしないと公言していますが、現行の生活では社会的に無理だとボクは思っています。公言を撤回して目標延期したりするのではないかとも思っています。

国内自動車メーカーもカーボンニュートラル/ゼロカーボンに向けてのトライアルをしていますね。モータースポーツ界では、すでにバイオ燃料車/バイオ混合燃料車、水素燃料車が実際に競技参戦している。けれど、お聞きしたところ100%バイオ燃料(ユーグレナ+廃食用油)は、今1リッター1万円だそうで、先日のSuper耐久シリーズの富士24時間レースに参戦したMAZDAデミオの燃費がリッターあたり約4キロだったので、1周1万円以上の燃料費がかかったとのこと。487周走行したので燃料代だけでなんと約500万円!!
モータースポーツ=走る実験室。カーボンニュートラルへの挑戦は、現状このような状況なのですね。あと8年。2030年にはどのようになっているのでしょうか…。

ボクとしては、15番目のゴール<陸の豊かさを守ろう>を目標に据え、森林の保護、回復、持続可能な利用を推進して、森林の光合成の力を借りることをもっと考えたほうが良いのではないか思います。サーキット、モータースポーツの開催場所は、多くは森に囲まれていますよね。森が二酸化炭素の吸収と削減をしてくれる、そしてその循環がすでに行われているのがモータースポーツであるという研究が行われても良いのではないでしょうか、とふと考えた。

文:高橋 二朗

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高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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