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モーター スポーツ コラム 2021年9月15日

【スーパーバイク世界選手権 第9戦 カタルーニャ(スペイン):プレビュー】ヤマハのラズガットリオグルがランク首位に

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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トプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)

トプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)

排気量1000ccのスポーツバイクの頂点を決める「FIMスーパーバイク世界選手権」が盛り上がっています。残り5ラウンド15レースのスケジュールが予定されており、チャンピオン争いが熾烈になってきています。

ここからは3週連続のイベリア半島連戦となり、第9戦がスペインのバルセロナ近郊にあるカタロニアサーキットで9月17日(金)〜19日(日)に開催されます。

前戦フランスのマニクールでは選手権ポイント同点の首位という状態で迎えたジョナサン・レイ(カワサキ)とトプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)による熾烈な一騎討ちが展開されました。今年の主役となっている2人のバトルはすでに今季お馴染みの光景ではあるのですが、やはりレースごとに新チャンピオンを狙うラズガットリオグルの勢いが増しています。

若きラズガットリオグルとベテランのレイのバトルはとてもクリーンで正々堂々とした闘い。スーパーポールレースのチェッカー後には2人で拳を合わせてお互いを讃えあうシーンもありました。チャンピオンを争うライバルでありながらもカワサキ時代は鈴鹿8耐を同じチームで戦った間柄。レイ自身もラズガットリオグルに一目置いている部分がありますね。

さて、ここからはいよいよシーズンも佳境に入る3連戦です。終盤2戦はアルゼンチン、インドネシアというフライアウェイ戦になるためカタロニア、ヘレス、アルガルヴェ(ポルトガル)の連戦で可能な限りのポイントを獲得したいところですが、ジョナサン・レイ(カワサキ)とトプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)の戦いから目が離せない状況になりそうです。

第8戦マニクールではレース1でラズガットリオグルが優勝。スーパーポールレースでもラズガットリオグルがレイとのスリリングなバトルを制するも、トラックリミット違反を取られて結果はレイの優勝に結果が変更に。そしてレース2も最後までレイとの熱いバトルを繰り広げたラズガットリオグルが今季8勝目をマークして単独のランキング首位に。ランキング2位のレイの差は7点となりました。

この差はほとんどあってないようなもの。ここから3戦、リズムを崩した方が負けという流れになっていきそうなくらい、ラズガットリオグルとレイのパフォーマンスは拮抗しています。

さて、イベリア半島3連戦の最初はバルセロナ近郊のカタロニアサーキット。F1やMotoGPのグランプリが開催されるコースとしてお馴染みの1周約4.7kmのコースです。有名サーキットではありますが、実は「FIMスーパーバイク世界選手権」が開催されるのはコロナ禍でスケジュール変更を強いられた2020年に続いて2回目の開催。スーパーバイクとは馴染みが薄いコースです。

昨年のレースを振り返ってみましょう。初開催となったカタロニアのレース1をまず制したのはジョナサン・レイ(カワサキ)。ポールポジションから優勝を飾りました。しかし、スーパーポールレースではマイケル・ファンデルマーク(当時ヤマハ/現BMW)が優勝。一方でレース2はチャズ・デイビス(ドゥカティ)が優勝を飾るという展開になり、全てウイナーが違うというレースウィークでした。

トプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)は土曜日朝のウォームアップで転倒し、スーパーポールレースとレース2を欠場。走行距離を稼げず、経験を積めなかったことがディスアドバンテージとなっていくのかもしれません。しかし、今のラズガットリオグルの勢いはレイとの互角の戦いを見せてくれそうな予感がしますよね。昨年はファンデルマークに加えて、ギャレット・ガーロフ(ヤマハ)も表彰台に乗っていますし、ヤマハとカタロニアの相性は非常に良さそうです。

さて、チャンピオン争いに注目が集まりがちですが、ランキング3位のスコット・レディング(ドゥカティ)はマニクールで思うようにポイントを獲得できず、首位のラズガットリオグルの間に72点もの差が生まれてしましました。来季はBMWに移籍するレディングですが、ドゥカティに久しぶりの王座をもたらすことは簡単ではなさそうです。

来季からはレディングに代わってアルバロ・バウティスタ(ホンダ)が加わることも発表されました。2019年に王者レイ&カワサキを苦しめたバウティスタ&ドゥカティの組み合わせが復活します。

アルバロ・バウティスタ(ホンダ)はこの2年間、非常に苦しいレースを強いられており、表彰台は昨年のアラゴンで獲得した3位が1回あるのみ。今季も手堅くシングルフィニッシュを続けてはいますが、最高位は5位とフラストレーションが溜まるレースになってしまっています。

新型ホンダCBR1000RR−Rが投入され、期待されていた2020年から大きな進歩が見られていない状況の中、ホンダは次なるエースライダーを探し、再起をかけなくてはいけない状況。一体誰がそのシートを獲得することになるのか、そういったストーブリーグの動きも楽しみになってくる、シーズンのまとめがここから始まります。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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