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モーター スポーツ コラム 2021年8月18日

【スーパーバイク世界選手権 第7戦 ナバラ:プレビュー】新コースに強いラズガットリオグルが優勢か?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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第6戦の決勝レース2で優勝したレディング

第6戦の決勝レース2で優勝したレディング。ラズガットリオグルは2位だった。

排気量1000ccの市販スポーツバイクをベースにした世界選手権レースで「FIMスーパーバイク世界選手権」。第7戦はスペイン北部のサーキット、ナバラで8月20日(金)〜22日(日)に開催されます。

ヘレスやカタロニア、バレンシアといったスペインのサーキットはバイクレースファンいにお馴染みですが、ナバラはちょっと聞いたことがない人が多いかもしれません。このコースは2010年にオープンした比較的新しいサーキットなのですが、MotoGPやスーパーバイク世界選手権の開催は過去にありません。

さて、前戦のチェコ、モストサーキットに続いて「FIMスーパーバイク世界選手権」はまたしても初開催コースでのレースとなります。未知数だったモストサーキットのレースで速さを見せたのは初開催のコースを得意としているトプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)でした。2018年のアルゼンチンでは3位表彰台、そして昨年のエストリルでは優勝と初開催のコースで結果を残しているラズガットリオグルが見事にレース1、そしてスーパーポールレースを優勝。レース2でも2位表彰台を獲得し、大量ポイントを獲得しました。

レース1ではランキング首位のジョナサン・レイ(カワサキ)が転倒してノーポイント。スーパーポールレース、レース2でレイは何とか3位表彰台を獲得しましたが、トプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)、スコット・レディング(ドゥカティ)との激しい争いに破れてしまいました。

これでチャンピオン争いは首位のジョナサン・レイ(カワサキ)=266点、2位のトプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)=263点と僅か3点差にギャップが縮まりましたね。第5戦アッセンでのレイの3連勝でチャンピオンシップの流れはレイに向いたかと思いきや、おやおやという感じでラズガットリオグルに風が吹き始めたという印象です。

そんな折、トプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)には追い風がさらに吹く可能性もあります。先日、MotoGPではバレンティーノ・ロッシが引退を表明、さらにはマーベリック・ビニャーレスが離脱を発表と、ヤマハは深刻なライダー不足に陥っています。ヤマハファクトリーチームのシートはファビオ・クアルタラロ、フランコ・モルビデリのラインナップになるだろうと言われてはいますが、SRTのシートには空きができます。

そうなると、トプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)らヤマハのスーパーバイクに乗るライダーが騒つくのも無理はありません。しかし、そんなMotoGP転向の噂を遮るかのようにヤマハはラズガットリオグル(ヤマハ)の2023年までのスーパーバイク世界選手権での契約を7月に発表しました。しかし、ロッシの引退が後に決まったことで、またラズガットリオグルに白羽の矢が立つ可能性も出てきています。

近年は市販車ベースのスーパーバイクからレース専用バイクのMotoGPに転向して成功した例は少ないのですが、ライダーなら当然挑戦してみたくなるものでしょう。その可能性は高くはないとはいえ、状況が状況だけにスーパーバイク世界選手権で王者ジョナサン・レイ(カワサキ)を打ち破るということになれば、ラズガットリオグルに相応のご褒美が必要になってくるでしょう。

そういう意味でも集中しないといけないのが今回のナバラのレースです。1周約4kmのコースはいわゆるストップアンドゴーのレイアウト。ブレーキング勝負が何度もやってくるレースは前戦同様にジョナサン・レイ(カワサキ)、トプラック・ラズガットリオグル(ヤマハ)、そしてランキング3位のスコット・レディング(ドゥカティ)の激しい争いになっていくことでしょう。

新型コロナの状況も世界各国で対応に差があり、まだ海を越えての移動が難しい状況が続いていますし、終盤のアルゼンチン、インドネシアのレースはどういう対応になるか読めないところがあります。そういう意味でもシーズン中盤の折り返しでシリーズをリードしておくことは極めて重要です。ラズガットリオグルは主導権をつかむことができるでしょうか。

また、苦戦が続いている日本人ライダー、野左根航汰(ヤマハ)は前戦モストでは2レースで入賞。決して順位は良くはありませんが、着実にチェッカーを受け、経験を積んでいます。

そして今回のレースには新たな日本人が参戦します。近年はスペイン選手権を主戦場としている浦本修充(うらもと・なおみち)です。浦本はスペイン選手権を戦うJEG Racingからのスポット参戦となり、バイクはスズキGSX−R1000。スズキのバイクが参戦するのは2018年以来3年ぶりとのこと。野左根、浦本、2人の日本人ライダーの活躍にも期待しましょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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