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【FIM 世界耐久選手権(EWC) 2021 第2戦 エストリル12時間レース:プレビュー】ヨシムラSERT MOTULが連勝なるか?
モータースポーツコラム by J SPORTS 編集部#1 ヨシムラSERT MOTUL
今シーズンからJ SPORTSで放送が始まったFIM世界耐久選手権 2021(以下、FIM EWC)。その開幕戦となったル・マン24時間レースは日本とフランスの名門チームによる最強のコラボレーション「#1 ヨシムラSERT MOTUL」のパーフェクトウインに終わった。
さて、開幕戦から1ヶ月で全4戦のうちの第2戦が早くもポルトガルのエストリルサーキットで開催される。現地時間の7月17日(土)に行われる「エストリル12時間レース」と、続く第3戦をJ SPORTSではLIVE配信でお送りする予定だ。今回は直近第2戦のプレビューをお届けしよう。
第2戦の舞台は昨年も最終戦として開催されたエストリルサーキット(1周約4.2km)だ。エストリルはかつてMotoGP・ポルトガル GPを開催していたサーキットだが、施設の老朽化もあり、近年はアルガルヴェにポルトガルを代表するサーキットの座を奪われていた。しかし、コロナ禍の昨年からエストリルはスーパーバイク世界選手権、FIM EWCを開催。再び世界選手権レースのカレンダーに戻ってきた。
今回はル・マンの半分となる12時間レースだが、それでも長丁場だ。12時間を超えるレースということで、8時間経過時点でのボーナスポイント(首位10点)が加算されるレースではあるが、優勝しても最大獲得ポイントは40点(予選のボーナスを除く)で、実は最終戦・鈴鹿8耐と比べても少ない獲得点数となっている。とはいえ、4戦しかない今季のレースでは序盤のリタイアによる無得点レースは絶対に避けたいところ。おそらく多くのチームが、いわゆる「置きに行く」レース、つまりは「完走ありき」の慎重なレースをすることになるだろう。
そんな中でもやはり有利なのは開幕戦をほぼノントラブルで走り抜け、64点もの大量得点を獲得した「#1 ヨシムラSERT MOTUL」(スズキGSX−R1000)だ。FIM EWCで幾度となく王座に輝いたフランスの名門「SERT」と、初代鈴鹿8耐ウイナーである「ヨシムラ」の夢のコラボレーションとなったチームだが、躍進の裏にはスズキの大きなバックアップがある。マシンの開発を担うのはヨシムラで、渡辺一樹がテストライダーとして開発を進めている。全日本ロードレース選手権の昨年の鈴鹿ラウンドや、今年の開幕戦・もてぎラウンドの走りを見てもわかる通り、ヨシムラが開発するスズキGSX−R1000は明らかにポテンシャルがアップしているのだ。
今回のル・マン24時間レースでの圧勝劇の要因はヨシムラが作り上げたマシンが素晴らしかったという部分に尽きるだろう。ライダーにはスズキのMotoGP開発ライダーでもあるシルヴァン・ギュントーリが加わり、明らかにライダーの戦力も上昇したが、そのライダー達がハイペースでありながらも安定して走り続けられるマシンに仕上げてきたことが大きい。戦力には抜け目がなく、第2戦も独走劇を演じても何ら不思議ではない。
そんな「#1 ヨシムラSERT MOTUL」の対抗馬となるはずだった「#5 F.C.C. TSR Honda France」は度重なる電気系のトラブルや転倒によって9位フィニッシュとなった。予選では抑え気味にいくのはTSRのいつもの戦法だったが、「#1 ヨシムラSERT MOTUL」に対してペースは劣っており、レース序盤から流れが決して良かったわけではない。今季から全日本ロードレースでも活躍する高橋裕気がライダーラインナップに加わり、日本のファンからの注目度も高いだけに何とかエストリルでは良い結果を残してほしいものだ。
ホンダCBR1000RR−Rはデビューとなった昨年のル・マン24時間でも優勝を飾った実績はある。ただ、これまでは安定したペースで淡々と走り続ける戦法も有効だったが、近年はライダーラインナップに多くのグランプリ経験者が加わるようになり、FIM EWCは全体的にレベルアップしているので、TSRはマシンの速さに一味二味スパイスが必要かもしれない。9位完走も首位のヨシムラとの間には28点もの差がついており、TSRはここでの勝利を何としてでも手にしないといけない。
開幕戦で2位表彰台に登ったのは「#11 Webike SRC KAWASAKI FRANCE Trick Star」だ。日本のWebikeがメインスポンサーになり、鶴田竜二率いるトリックスターがバックアップする同チームも日本のファンが親しみやすいチームと言えるだろう。そして3位表彰台には「#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM」が入ったが、レース序盤に転倒しており、そこから挽回して3位まで追い上げた速さは驚愕だった。BMWが初めてMの称号を与えたバイク、BMW M1000RRのポテンシャルもあったが、2位のSRC KAWASAKI、3位のBMWはダンロップタイヤのユーザー。例年の4月開催に比べて遥かに路面温度が高かった中、ダンロップ勢が最後に表彰台で笑ったという事実はサマーリゾートで暑さとの戦いとなるエストリルにおいて、レースのカギになるポイントと言えるだろう。
一方で、開幕戦でトラブルに泣いたのは「#7 YART YAMAHA」だ。ポールポジションを獲得して、レース序盤はトップ争いを展開するも、大事なル・マン24時間で完走できなかった事は痛い。シリーズポイントではトップから50点もの致命的な差がついてしまった。しかし、今季はヤマハYZF−R1の電子制御がアップデートされており、速さに磨きがかかってきたのは事実であるし、2戦連続のポールポジションも夢ではないだろう。そして、何よりYARTは昨年、このエストリル12時間で優勝している。24時間では色々なトラブルに見舞われるが、これまでも8時間など短めのレースでは優勝を飾ることが多いので、YARTは今回の本命の一つと言える。
残念ながら、日本から出場するライダーは今回も高橋裕紀(TSR)だけとなるが、日本にゆかりのあるチームも多く、全てのストーリーは鈴鹿8耐(11月開催)に繋がっており、今年の鈴鹿8耐はFIM EWCの年間エントリーチームが主役になると考えられるため、ぜひエストリル12時間レースも注目して見て欲しい。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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