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モーター スポーツ コラム 2019年11月21日

SGT×DTM特別交流戦プレビュー:勝つのはどっちだ? いよいよ今週末開幕!

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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日本の最高峰ツーリングカーレースである「SUPER GT」とドイツの伝統あるツーリングカーカテゴリー「DTM(ドイツツーリングカー選手権)」が一堂に会する『SUPER GT×DTM特別交流戦』が、11月23日〜24日に富士スピードウェイで行われる。

両カテゴリーとの間で長年に渡って調整が進められ、ついに完成した共通規則「Class1」。DTMでは今季の車両から導入され、SUPER GTのGT500クラスは車両が入れ替わる2020年からClass1準拠の車両が登場することになる。それに伴い、ふたつのカテゴリーが同じルールのもとでレースをする「交流戦」が今週末ついに実現することになった。

すでに10月5日、6日にドイツ・ホッケンハイムで開催されたDTM最終戦にRAYBRIG NSX-GT、KeePer TOM’S LC500、MOTUL AUTECH GT-Rの3台がゲスト参戦という形でDTM車両とともにレースをしたが、今回は富士スピードウェイを舞台に特別交流戦の専用ルールでレースが行われる。それだけに日本のみならずドイツ側も非常に注目している1戦なのだ。

SUPER GTは今季GT500クラスにエントリーした15台がエントリー。ドライバーに関してはジェンソン・バトン(No.1 RAYBRIG NSX-GT)とベルトラン・バケット(No.17 KEIHIN NSX-GT)が都合により参戦できず、1号車は山本尚貴、17号車は塚越広大が両日ともエントリーするが、それ以外は今季レギュラー参戦していたドライバーたちが土曜日のRace1と日曜日のRace2に分かれて参戦する。

一方、DTM勢はアストンマーチンが参戦を断念したものの、アウディが4台、BMWが3台エントリー。いずれも特別戦仕様の“ドリームメンバー”を揃えてきた。

アウディは今季DTMでチャンピオンを獲得したレネ・ラスト、さらにランキング4位のマイク・ロッケンフェラーに加え、SUPER GTでレース経験のあるロイック・デュバルやブノワ・トレルイエも参戦する。デュバルとトレルイエは久しぶりの日本でのレースとなるだけに、相当気合いが入っていることだろう。

今シーズンの覇者レネ・ラスト。17年1位、18年2位とここ数年のDTMではずば抜けた強さをみせている。

レネ・ラストの33号車Audi Sport RS 5 DTMは日本の国旗を模した特別カラーリングで交流戦に臨む

BMW陣営もドリームメンバーを揃えてきた。今季陣営の最高位であるランキング3位を獲得したマルコ・ヴィットマンに加え、元F1ドライバーで現在WECとスーパーフォーミュラに参戦中の小林可夢偉が今回BMWのマシンを駆ることになった。さらに“不屈の鉄人”アレッサンドロ・ザナルディの参戦も決まった。彼はF1で活躍後にアメリカのチャンプカーシリーズに転身。2度のシリーズチャンピオンに輝いたが、2001年にレース中の事故で両脚を失うアクシデントに見舞われた。それでもザナルディは情熱を絶やすことなく、およそ1年半後にはレース復帰を果たすと、パラリンピックのロンドン大会、リオデジャネイロ大会のハンドサイクルで金メダルを獲得するなど、現在も活躍を続けている。

14年、16年と二度のDTM王者に輝き、名実ともにBMWの顔であるマルコ・ヴィットマン

今回ザナルディは、ハンドブレーキが搭載された仕様のBMW M4 DTMで参戦。レースウィークの火曜日から現地入りし、時間を見つけては周辺道路をハンドサイクルで走ってトレーニングに励む姿もみられた。今週末の特別交流戦では、どんな走りを見せてくれるのか。非常に楽しみなところだ。

気になるレースフォーマットについてだが、土曜と日曜それぞれでレースを行い、午前に予選(20分間の計時予選)、午後に決勝レース(55分+1周)で争われる。途中に4輪のタイヤ交換義務を消化する必要があるが途中給油やドライバー交代はなし。さらにスタート方式はSUPER GT同様にローリングスタートが採用される。SUPER GTとDTMで採用されているルールがミックスされているのも見どころのひとつだ。

そしてタイヤについては、ハンコックのワンメイクとなる。そうすると普段から使い慣れているDTM勢の方が有利なように見えがちだが、23日からのレースに備えてSUPER GT側も木曜日と金曜日で合計180分の専有走行時間を用意しており、そこでしっかりとしたタイヤテストができるようになっている。ここでしっかりと感覚をつかむことができれば、富士スピードウェイを知り尽くしているSUPER GT勢が速さを見せられるかもしれない。

いずれにしても普段は絶対に観ることができない“夢の競宴”。最後の最後まで目が離せない好バトルを期待したい。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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