人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

モーター スポーツ コラム 2019年11月21日

無線は無銭ではないようです

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
  • Line

第66回マカオグランプリも終わりました。
各カテゴリーのレースにおいてアクシデントがあってセイフティカー(SC)がコースインして収拾にあたりました。
マカオのアクシデントは、例年のことと言えばそうなのですが、今年はレースを赤旗によって中断するまでに至らなかったのは、良かったですね。

国内でもレース中にアクシデントが起こることはよくあります。その都度にレースコントロールによってアクシデントが二次的に悪い状況を拡散させないように、そしてできる限り円滑にレースを進行させるためにオフィシャルさんが努力していただき、頑張ってくれているわけです。

しかし、悪天候の場合など、視覚的にコースの先の状況を把握することが難しい場合があります。コースサイドのオブザベーションポストで提示される旗が見えないことがある。

その問題を解決する方法として競技車両の内部にモニターを配備して、そこへ瞬時に表示してドライバーに知らせるシステムが来年から国内でも導入されるらしい。世界耐久選手権(WEC)の番組をご覧になっているファンの皆様ならすでにご存知と思うのですが、コクピット内、デジタルメーターの横に小さなデジタルモニターがあって、前方でアクシデントが起こっている際には黄色に、アクシデント現場を過ぎると緑を表示する。そして、コース全体を黄旗状態にするフル・コース・イエロー(FCY)も瞬時に知らせることができています。

日本でなぜそのガジェットがこれまで装備されていなかったのか。日本のテクノロジーにとっては簡単な機材なのは誰が見ても分かる。レースコントロールから無線でピッ、ピッと指示を飛ばせば良いじゃないかと思いますよね。

しかし、日本は電波に関してとても厳しい法律と管理が徹底されていて、電波を自由に使うことは許されないという現状があるのですね。サーキットで現在チームが使っている無線は、モータースポーツ用に割り当てられた電波帯を使っています。モータースポーツ無線協会(MoSRA)がサーキットで使える電波帯の免許を受けて各チームに割り当てているのです。もちろん有料です。MoSRAが設立される以前は、電波法に触れるような使い方が横行していて電波通信管理局が摘発するという情報があり、急遽MoSRAが設立され、国家の有事の際のために準備していた電波帯の一部が割り当てられたと聞いています。同協会の設立の裏には、利権が絡んだような事実もあったとか。

新たなモニターへの表示には異なる電波帯が必要なようで、電波通信管理局からOKが出るかどうかをまずクリアーしなくてはならないそうです。2020年から導入されて、安全でスムースなレースを見たいものです。

このシシテムは、スーパーGTのプロモーターであるGTアソシエイション(GTA)さんとスーパーフォーミュラの日本レースプロモーション(JRP)さんが導入予定だそうです。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ