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2019年のSUPER GTシリーズは後半戦に突入し、9月7日・8日には大分県のオートポリスでシリーズ第6戦を迎える。昨年はシリーズ第7戦として開催されていたオートポリスラウンドだが、今年はウェイトハンデの差が一番大きくなる第6戦として開催。さらにレース時期もこれまでとは異なる9月でのレースということで、これも各チームの勢力図に影響を与えそう。また接近中の台風13号の動きも気になるのだが、どうかレース進行の邪魔はしないでもらいたいところだ……。
両クラス共にチャンピオン争いが気になり始める時期に突入しているが、その中でも注目したいのはGT500クラスだ。
今シーズンの中盤戦に入って強さを見せているレクサス勢。その中でも大嶋和也/山下健太組のNo.6 WAKO’S 4CR LC500の活躍が目覚ましい。第3戦鈴鹿で3位表彰台を獲得すると、第4戦タイでチーム6年ぶりの勝利を果たしランキングトップに浮上。ウェイトハンデを考えると“不利”と思われていた第5戦富士ではセーフティカー出動直前のタイミングでピットストップを行うことに成功し、2連勝を飾った。
これで6号車の大嶋/山下組はドライバーズランキングで60ポイントに伸ばし、ランキング2番手の平川亮/ニック・キャシディ組の#37 KeePer TOM’S LC500に対して16ポイントものリードを築いた。
第5戦終了後『2019年のGT500タイトルは6号車で決まりだ!』と思った人も、少なからずいたのではないだろうか。確かに第5戦富士はシリーズ屈指の長距離レースで、ボーナスポイントもつく1戦だった。それだけに、チャンピオン争いの行方を左右する結果だったと言えるかもしれない。
ただ、ひとつだけ忘れてはいけないことは“今週末を含め、まだ3レースも残っている”ということだ
特に今週末の第6戦オートポリスで6号車は、規定で決められているウェイトハンデの上限“100kg”を背負うことになる。アップダウンが激しく、大きく回り込むコーナーが多いオートポリスのコースレイアウトを考えると、この100kgのハンデは非常に大きいと言える。
ここまで好調な走りを維持している6号車といえども、ポイント圏内である10番手以内に入るのは至難の業。さすがに今回はノーポイントで終わってしまう可能性もある。
それに対し、ウェイトハンデが比較的軽いライバルが優勝するなど好結果を残せば、16ポイントという差はあっという間に縮まってしまい、ポイント的にほぼイーブンな状態で残り2ラウンドを迎えることにある。
実際に昨年度のシリーズチャンピオンであるNo.1 RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトンも「6号車がこれだけポイントを稼いでしまい、正直逆転するのは難しい状況になった。でも、忘れてはいけないのが“このレースはSUPER GTである”ということだ。ウェイトハンデのシステムがあって、誰にでも勝つチャンスはある。僕たちもオートポリスでは純粋に優勝だけを狙っていく」とコメントしていた。もちろん、1号車以外にも「この第6戦がチャンピオン争いをかけたラストチャンス」と考えているチームは多くいるだろう。
いくら16ポイントのアドバンテージがあるからといって、ここで気を抜いてしまえば、一気に逆転されるだけでなく、チャンピオン争いの流れも変わってしまう可能性も十分にある。2連勝できたからと言って、浮き足立つようなことがあってはいけないのだ。
しかし、チームを率いる脇阪寿一監督は、そういった部分も全て想定内という様子。第5戦富士での勝利後も「自分たちがミスなくベストを尽くして、さらに色んなラッキーなど他力本願な部分も全部利用して、この第6戦までに何ポイント稼げるか。それが一番重要だし、(第5戦で優勝できたからといって)当初の計画からは何ら変わりはないです」と、より一層気を引き締めていたのが印象的だった。
6号車がさらにポイントを積み重ねることができるのか? それともライバルたちが一気に差を縮められてしまうのか? 悲願のタイトルを狙う6号車陣営にとって、決して気を緩ませてはいけない、まさに“正念場のレースウィーク”となりそうだ。
GT300はJAF-GT、マザーシャシー勢の逆襲に期待
一方、GT300クラスのチャンピオン争いは第5戦富士を終えて接戦となっている。ここまで全戦でポイントを獲得している高木真一/福住仁嶺組のNo.55 ARTA NSX-GTが36.5ポイントでランキングトップ。平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ組の#No.56リアライズ日産自動車大学校GT-Rが4.5ポイント差で2番手、さらに新田守男/阪口晴南組のNo.96 K-tunes RC F GT3が6.5ポイント差で3番手につけている。この他にもGT3車両を使うチームが上位を占めているが、今回のオートポリス戦で注目が集まるのがJAF-GT、マザーシャシー勢だ。
なかでも今回有力候補と目されているのが井口卓人/山内英輝組のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTと松井孝允/佐藤公哉組のNo.25 HOPPY 86 MCだ。両チームとも、ここオートポリスは得意としており2年前には優勝争いを繰り広げたこともある。さらに今回はウェイトハンデの差が最も大きくなる第6戦で、61号車は34kg、25号車は32kgと上位と比べるとかなり軽い状態で臨める。
第5戦富士の翌週に行われたスポーツランドSUGOでの公式テストでも、この2台は速さをみせており、両陣営のコメントを聞いてもオートポリス、SUGOと続く9月の連戦で優勝を狙っている様子だった。
ここまで強さをみせているGT3勢に対し、一矢報いることができるのか。こちらも目が離せない。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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