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シーズン後半に入り早くも第10戦を迎えます。グラベル主体のWRCシリーズですがターマックはドイツとスペイン(ミックス)を残すだけとなりました。
これから最終戦に向けてのイベントは年間チャンピオンを目指す作戦に各メーカーチームはできるだけリタイアを減らしてポイントゲットを目指すことになります。トップ争いの中で2台目、3台目のサポートが重要になります。前戦フィンランドではやはり北欧勢が上位を独占、その中でもタナックが圧勝し、ポイントリーダーで一歩前に出ました。フィンランド終了時のドライバーポイントはタナック(トヨタ):180pt、オジェ(シトロエン):158 pt、ヌーヴィル(ヒュンダイ):155 ptとなっています、タナックのイタリアでの最終ステージ失速は、大量リードを逃すこととなる残念な出来事でした。
上位2台を加算するメーカーポイントではヒュンダイが堅実に加算、262ptで首位維持、トヨタ238pt、シトロエン198pt、フォード138ptの順になっています。
これまでの優勝回数はタナック4勝、オジェとヌーヴィルが各々2勝、ソルドが1勝です。
ヌーヴィルとオジェはターマックが得意です。北欧勢で固めたトヨタも最近ではターマックもそれほど苦にしていないので激戦が予想されます。日本のファンにとって待望の勝田選手のWRカーによる初参戦が予定されています。カーナンバーは17です。成功裏にフィニシュすること期待しましょう。
ラリー・ドイチェランドは歴史的には3つの国内戦の集合体で構成されてWRCに仲間入りした経緯がありターマックは夫々性格が異なります。モーゼルの葡萄畑の丘陵地は直線とヘアピンの連続、2日目はバウムホルダーの広大な軍用車両のテストグランド、3日目は滑らかな林間コースで構成されています。バウムホルダーに点在する戦車止めの大きなコンクリートブロックはヒンケルシュタインと呼ばれ大変危険です。ペター・ソルベルグが現役時代これに衝突し大事故になったことがありました。
ラリー概要は下記のとおりです。
SS本数 | SS km | Liaison km | Total km | |
---|---|---|---|---|
L-1 (8/22-23) | 7 | 106.62 km | 329.90 km | 436.52 km |
L-2 (8/24) | 8 | 157.92 km | 347.27 km | 505.19 km |
L-3 (8/25) | 4 | 79.50 km | 207.20 km | 286.52 km |
Total | 19 | 344.04 km | 884.19 km | 1228.23 km |
文:福井敏雄
福井 敏雄
1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。
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