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モーター スポーツ コラム 2019年7月24日

2019年WRC第9戦フィンランド “真夏の祭典”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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フィンランドは自他ともに許すラリー王国。スキーのジャンプと共にラリーは国技扱いです。昔、ケッコーネンという首相が就任時記者団にスポーツの趣味は何ですか?と聞かれ‘若い頃ラリーをやっていたよ’と答えたそうです。今年で69回目の開催となる歴史あるイベントです。1973年のWRC創設のメンバーで何千もの湖と森林に囲まれた岩盤に支えられた固く締まったグラベル、それに加えふんだんに出てくるジャンピングスポットが特徴でSSの平均スピードはWRCで最も高く120km/hを超えます。これまでの優勝ドライバーの合計SS平均速度記録は2016年クリス・ミークの126.26km/hでした。このようなラリーですから別名フィンランド・グランプリと呼ばれています。

道路条件が特殊なため統計的には地元ドライバーが有利とされ、北欧ドライバーが55回優勝、‘外国人’の優勝はトヨタのサインツ、オリオール、ローブ(3回)オジェ、ミークしかいません。

今年のコースは昨年と余り変わらないようですから、ペースノート作りはあまり負担にならないかもしれません。SSは多く、23本ですから短距離の累積タイプのラリーです。従って一桁単位の秒を争う激戦となり、小さなミスを取り戻すために激戦が予想されます。 開催地ユバスキラは首都ヘルシンキから約300キロ北部にある学園都市で期間中は人口が数倍に膨れ上がります。日本からの観戦客も増えつつあると報じられています。トヨタチームの本拠もここにあります。カンクネンの自宅は近くのラリーコースに有り、彼のラリーカーコレクションがあります。余計なことですがこのラリー見物には3種の神器(本当は4種ですが)があります。ラリージャケット、傘、ゴム長それに周波数固定の実況中継用FMラジオですつまり全コース実況生放送しているのです。現在ではスマホかもしれませんが。羨ましいのは国民のかなりの人たちが関心を示していることです。

これからシーズン後半戦に入りますが、これまで8戦終了時点の成績を簡単に触れておきます。タナク(トヨタ)150ポイント、オジェ(シトロエン)146、ヌーヴィル(ヒュンダイ)143と激戦中です。タナクはサルデニアの最終SSで優勝を逃しました。トップ3のチームが夫々違うので面白くなります。メーカー・ポイントではヒュンダイが242ポイント、トヨタ198、シトロエン170、フォード152となっています。
今回のエントリーはトヨタがタナク、ミーク、ラトバラの3台。シトロエンはオジェ、ラッピの2台。ヒュンダイはヌーヴィル、ブリーン、ミケルセンの3台。フォードはスニネン、エヴァンスに加えパッドンとヨウニ・バタネンの4台体制です。
WRC2ProもWRC2のエントリーも充実です。勝田貴元選手もWRC2で出場します。勝田選手は半分位フィンランド人になっている地元ですから期待しましょう。

ラリー概要は下記のとおりです。

 SS本数SS kmLiaison kmTotal km
L-1 (8/1-2)11128.86 km473.35 km602.19 km
L-2 (8/3)8132.98 km445.54 km578.52 km
L-3 (8/4)445.74 km147.22 km192.96 km
Total23307.58 km1066.09 km1373.67 km

一番の見所はオウニンポウヤの名物大ジャンプです。

文:福井敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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