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2019年のSUPER GTシリーズで唯一の海外ラウンドとなる第4戦タイ・ブリーラムが今週末行われる。第3戦鈴鹿から約1ヶ月のインターバルがあったこともあり、週末のレースを待ち遠しく思っているSUPER GTファンも多いのではないだろうか。
今回の舞台となるのはシリーズ唯一の海外戦となるタイ・ブリーラムにあるチャーン・インターナショナル・サーキット。東南アジア特有の気候で、晴れると気温30度超えは当たり前だが、レースウィーク中は突然のスコールに見舞われることもあり、過去にもレーススタート前にスコールに見舞われたことがある。ちなみに昨年のタイ大会でも何度かスコールに見舞われ、特に日曜日の夜(レース後)には雷雨の影響でピットビルが停電。撤収中だったチーム関係者やメディアセンターに残っていたプレス関係者たちも一時騒然とするハプニングがあった。さて、今年はどんなハプニングが待っている週末になるのか……色々と“ドキドキ”である。
GT500:復調したレクサスに、ホンダと日産がどう立ち向かうか?
開幕前はホンダ、日産勢が一歩リードしているように見られていたGT500クラスだが、第3戦を終えて形勢は一気に逆転、レクサス勢が速さをみせ始めた。第2戦富士では立川祐路/石浦宏明組のZENT CERUMOLC500が優勝を飾ると、第3戦鈴鹿では中嶋一貴/関口雄飛組のau TOM’S LC500が優勝し、レクサス勢がアウェイの地である表彰台を独占する強さをみせた。第3戦に関してはウェイトハンデの影響で有利に働いた部分もあったようだが、開幕前に噂されていた遅れを完全に取り戻しつつあるようだ。
さらに今週末のチャーン・インターナショナル・サーキットはレクサスが得意としているコース。同陣営のドライバーたちに聞いても、ほぼ全員が「タイは得意だ」という回答が返ってきた。実際に過去5回開催されたうちレクサス勢は4勝をマーク。このデータをみても、彼らが今週末の本命になると見て間違いないだろう。
その中で注目なのが昨年のタイ大会を制しているDENSO KOBELCO SARD LC500。今年はヘイキ・コバライネン/中山雄一のコンビで戦っているが、第2戦富士で4位、第3戦鈴鹿で5位とコンスタントに上位に食い込んできている。ウェイトハンデも28kgと比較的軽いため、チャンスは十分にあると見ていいだろう。ここでシーズン1勝目を挙げてチャンピオン争いに名乗りをあげたいところだ。
同じく、ウェイトハンデ28kgで迎える大嶋和也/山下健太組のWAKO’S 4CR LC500も目が離せない。タイでは表彰台を何度か経験しているチームで、コースとの相性は良い。前回の鈴鹿ではレクサス同士の争いに敗れ、ふたりとも悔しい表情をみせていただけに、今週末でのリベンジに燃えていることだろう。さらに国本雄資/坪井翔組のWedsSport ADVAN LC500も鈴鹿ラウンドで何か良いきっかけをつかんだ様子。ウェイトハンデも13kgと軽いため、上位進出の可能性も十分にありそうだ。
着実に流れが良くなっているレクサス勢だが、そんな彼らが警戒しているのがライバルのホンダ、日産勢だ。第3戦を終えた後、KeePer TOM’S LC500のニック・キャシディは「タイは僕たちが得意としているコースではあるけど、今回はホンダ勢や日産勢でウェイトが軽いチームが多い。おそらく彼らがタイでは上位にくると思うから、そう簡単なレースにならないだろう」と語っていた。
昨年はランキング上位を占めてタイ大会にやってきたホンダ勢だが、昨年チャンピオンの山本尚貴/ジェンソン・バトン組のRAYBRIG NSX-GTはランキング8位でウェイトハンデは22kg。塚越広大/ベルトラン・バケット組のKEIHIN NSX-GTもランキング13位でウェイトハンデ12kg、昨年のタイのポールシッターである武藤英紀/中嶋大祐組のMOTUL MUGEN NSX-GTはウェイトハンデ4kgと非常に軽い。タイ大会では未勝利に終わっているホンダ勢だが、ウェイトハンデのことを考えると今回は比較的有利な状況。またチャンピオン争いを考えると、ここでしっかりポイントを稼いでおきたいところだろう。それだけに、彼らの動きも気になるところだ。
そして、開幕前から有力視されてきた日産勢では、佐々木大樹/ジェームス・ロシター組のカルソニック IMPUL GT-Rが13kgと軽いウェイトハンデで臨むことができるため、今回は優勝を狙える絶好のチャンス。また高星明誠/ヤン・マーデンボロー組のリアライズコーポレーション ADVAN GT-R はシーズンオフのマレーシアテストで好調だった。同じく“気温が高い”タイでパフォーマンスの高い走りができれば、今季初の表彰台や優勝の可能性も出てくるだろう。
GT500クラスはレクサス勢が一歩リードに見えがちだが、最終的に3メーカーが入り乱れての混戦模様になる展開もありそうだ。
GT300:伏兵は全日本F3で好調のフェネストラズ擁する56号車GT-Rか?
GT300クラスでみると、ここタイを得意としているのは日産GT-R GT3とレクサスRC F GT3。特に日産GT-Rに関しては過去5回のうち3勝を挙げるなど毎年強さをみせている。
そういった点で見ていくと、有力視されるのはランキング首位の新田守男/阪口晴南組のK-tunes RC F GT3、ランキング3位につけている平中克幸/安田裕信組のGAINER TANAX GT-Rだが、彼らはウェイトハンデが重いため、今週末は少々厳しい戦いが強いられそうだ。
また、チームとしてはここで表彰台経験のある高木真一/福住仁嶺組のARTA NSX GT3に関しては今年マシンをスイッチしたこと、さらにランキング2位でウェイトハンデが重いこともあり、今週末上位に絡んでくる可能性は未知数である。
そんな中で、優勝候補になりそうなのが、平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ組のリアライズ日産自動車大学校GT-Rだ。特に今季から日本のレースに参戦を開始したフェネストラズの活躍が目覚ましく、全日本F3選手権では10戦中5勝を挙げランキング首位。SUPER GTでは第2戦富士でのポールポジション獲得に貢献した。そこにGT-R GT3とコースとの相性の良さ、先輩である平峰の経験が加われば、十分にトップ争いに加わってくる可能性はありそうだ。
またレクサスRC F GT3を使う吉本大樹/宮田莉朋組のSYINTIUM LMcorsa RC F GT3も、昨年のタイで表彰台を獲得している他、ウェイトハンデも軽いため、ここで好結果を狙っていることは間違いない。
何れにしても、GT300クラスは予選を含めて最後まで展開が読みきれない混戦のバトルに発展していきそうだ。
文:吉田知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
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