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モーター スポーツ コラム 2019年5月10日

【スーパーバイク世界選手権 第5戦イタリア/プレビュー】バウティスタ連勝街道でドゥカティのお膝元へ

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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「FIMスーパーバイク世界選手権」は5月唯一の開催となるレース、第5戦を迎えます。第5戦はイタリアのイモラサーキットが舞台。「J SPORTS」では5月10日(金)〜123日(日)に開催される第5戦の模様を5月13日(月)にオンエアします。

さて、新型マシン「パニガーレV4 R」に乗るアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の勢いが止まりません。前戦・アッセン(オランダ)でも連勝を重ねたバウティスタ(スプリントレースは中止で2勝)はこれで開幕から11連勝。まだ4戦終えたばかりというのに、ランキング2位のジョナサン・レイ(カワサキ)に対して既に63点差という1レース分以上のマージンを築くことになりました。デビューシーズンながらここまでノートラブルで連勝を続けるというのはドゥカティ「パニガーレV4 R」のポテンシャルの高さを象徴する結果です。

前戦・アッセンでは新型ドゥカティに優遇されすぎていたと言われるエンジンのレブリミット(回転数)制限が改められ、ドゥカティ「パニガーレV4 R」は1万6350回転から250回転引き下げられた1万6100回転になりました。カワサキZX−10RRなどライバル勢は据え置きです。「スーパーバイク世界選手権」では3戦ごとにタイムや成績などに応じてレブリミット制限が改定されることになっています。これはレースを面白くするための性能調整です。

ドゥカティとカワサキがメーカーの威信をかけてワークス活動を行なっている「スーパーバイク世界選手権」では、やはりワークスの存在は特別。メーカー直属のチームの意見はベース車両となる市販モデルの製作にも大きく影響しますから、バイク作りの時点から開発競争は始まっているわけです。ワークスではないメーカーはなかなかその競争に立ち入ることはできません。そこでシーズン中の性能調整が行われるわけですが、今のところドゥカティ優位の状況は変わりませんね。

とはいえ、回転数が下げられたドゥカティの第4戦を見てみると、怪我からかなり回復した印象を持つチャズ・デイビス(ドゥカティ)が第3戦で表彰台を獲得したのに対し、第4戦では表彰台にも乗れず。一方でアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は引き続き連勝街道という状況ですから、やはり話題になるのはドゥカティが速すぎるのか、バウティスタが速すぎるのか、という議論です。第4戦でも結果としてあらわれていますが、その答えが出るのが今回のイモラでのレースでしょう。

その要素の一つがイモラはMotoGPが開催されていないサーキットであること。「スーパーバイク世界選手権」のライダーとして過去7シーズンを戦い、イモラで4勝しているチャズ・デイビス(ドゥカティ)に対し、MotoGPのグランプリサーカスを戦ってきたアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)はイモラのレースはおそらく未経験。そんな中でデイビスとバウティスタの位置関係、特にデイビスのリザルトというのはその答えを導き出すヒントになるかと思います。バウティスタが連勝街道を続けて、デイビスがトップ争いに加われないとなると、ドゥカティに対する極端な性能調整は期待できないかもしれません。そうなったらライバルはライダー達が頑張るしかないというところです。

とはいえ、止められないバウティスタの速さにライバルは完全に白旗状態。彼らの頭はすでに来季、あるいは夏の「鈴鹿8耐」に向いているかもしれません。大きな話題としてはカワサキがワークス体制「Kawasaki Racing Team」として鈴8耐に参戦することになりました。ジョナサン・レイとレオン・ハスラムが参戦するだけではなく、トプラック・ラズガットリオーグル(カワサキ)というスーパーバイク世界選手権のライダー3人による体制。監督もスーパーバイク世界選手権のカワサキワークスを率いるギム・ロダが就任するとあって、スーパーバイク世界選手権のカワサキワークスがそのまま鈴鹿8耐にやってくるという感じです。

昨年は3月の速い段階でジョナサン・レイの鈴鹿8耐参戦を発表したカワサキでしたが、今季は4月にずれ込んだ。しかも、ワークスとしての参戦という体制変更。今季、世界チャンピオンとして満足できるレースができていない王様レイのモチベーション向上に繋がることを期待したいですね。

5月はイモラが終わると、「スーパーバイク世界選手権」のライダー達は鈴鹿8耐に向けた準備に入ると考えられています。今回のイモラで彼らが何か一筋の光明を見いだすことができれば、「スーパーバイク世界選手権」も「鈴鹿8耐」も相乗効果で面白くなっていくと思うのですが、果たしてどうなっていくでしょうか。

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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