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オーストラリア、タイとフライアウェイ戦でスタートした「FIMスーパーバイク世界選手権」はいよいよヨーロッパラウンドへ。第3戦はスペインのモーターランド・アラゴンでの開催です。「J SPORTS」では4月5日(金)〜7日(日)に開催される第3戦の模様を4月8日(月)にオンエアします。
それにしてもドゥカティ&バウティスタの勢いが止まりません。今季から日曜日午前中のスプリントレース(予選レース)を含めた1ラウンド3レース制になった「スーパーバイク世界選手権」ですが、ドゥカティの新型マシン「パニガーレV4 R」が圧倒的な速さを見せています。
今季、MotoGPから転向してきたスペイン人のアルバロ・バウティスタが「パニガーレV4 R」でスプリントレースを含めて6連勝。もう止められない勢いを見せていて、ライバルのカワサキやヤマハはドゥカティの速さに追いつけない状況になっています。これは新車ならではの性能調整が優位に働いている部分がありますが、第2戦のタイでも立ち上がりからのストレートの伸びが圧倒的すぎて最高速が10km近くも違い、ライバルは完全にお手上げ状態でした。性能調整は3戦ごとに見直される可能性があり、今回が第3戦ということで、このアラゴンはまだドゥカティに有利に働くレースになるのは間違いないでしょう。
新車だけに性能が推し量れなかったというのもあるでしょう。そして、先代モデルで苦しんだドゥカティへの新車導入・お祝いという意味もあるでしょう。こればかりは規定で決まってしまったことなのでどうしようもありません。タイミングよく「ドゥカティ」はスーパーバイク世界選手権の通算勝利数が247勝。今季から導入されたスプリントレースも1勝と数えられているので、アラゴンで3連勝を飾れば通算250勝を達成することになります。達成できるかどうかはライダーのアルバロ・バウティスタとチャズ・デイビス次第ですが、ここまではドゥカティに華を持たせるという感じでしょうね。
特に6連勝中のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)にとっては地元スペインのホームレースです。ロードレース界を席巻して久しいスペインですが、バウティスタがロードレース世界選手権125ccクラスにデビューした2003年当時はスペイン人の若手ライダーが頭角を現し始めた時代でした。ダニ・ペドロサ、エクトル・バルベラといった後のMotoGPライダーに続き、ハイレベルなスペイン選手編を経て世界選手権デビューを果たしたのがアルバロ・バウティスタでした。
バウティスタは当初、成績が芳しくありませんでしたが、2006年は8度のポールポジション、8度の優勝を飾ってワールドチャンピオンに輝きます。その後、250ccクラスにステップアップすると2008年にはマルコ・シモンチェリとチャンピオン争いを展開。そして、2010年にはスズキからMotoGPにデビューすることになりました。
以来、9シーズンに渡って最高峰MotoGPクラスに君臨し、表彰台は3回。ホンダのサテライトチームに所属した2012年にはランキング5位を獲得しています。バウティスタの魅力は何と言っても、彼のアグレッシブなレーススタイルです。結果が残らないレースも多いですが、レース序盤から格上のマシンに乗るライダー達に食らいついていく姿勢はいつもファンを魅了してくれます。まさに記録よりも記憶に残る。居ないと面白さが減少する。そんな存在感溢れるライダーと言えるでしょう。
レーサーマシンのMotoGPからプロダクションバイクベースの「スーパーバイク世界選手権」に転向してからも、そのアグレッシブな攻めのスタイルは変化なし。アドバンテージを得たドゥカティを駆り、予想通りの活躍を見せています。
そんなバウティスタはMotoGP時代にアラゴンでの表彰台はないものの、劣勢のマシンでシングルフィニッシュ多数。相性は抜群です。さらにアラゴンは出身地に近く、ホームコースとも言えますから、地元のヒーローとも言えるバウティスタを多くのファンが応援することになるでしょう。
と、ここまでバウティスタのことばかり紹介してきましたが、実はアラゴンの「スーパーバイク世界選手権」でスペイン人ライダーが勝った例は非常に少ないという事実があります。前例は2011年のカルロス・チェカだけなのです。強いのはやはりイギリス人ライダー達で、中でも勝利数が多いのがチャズ・デイビス(ドゥカティ)です。デイビスは開幕戦は怪我の影響もあり振るいませんでしたが、タイでは何とかトップグループに食い込む走りを披露しました。得意とするコースだけに何とかチームメイトのバウティスタとバトルを展開して欲しいものです。
そしてジョナサン・レイ(カワサキ)も昨年、レース1で優勝を飾っています。今はドゥカティの速さを前にして為す術なしという苦しい状況ですが、今回のレースはチャズ・デイビス(ドゥカティ)や勢いがあるアレックス・ロウズ(ヤマハ)らに2位を奪われないことが重要。ドゥカティ優勢で進むであろう第3戦での取りこぼしは性能調整後のチャンピオンシップを考えると何としても避けたいことです。
そして、日本期待の「モリワキ・アルティア・ホンダ・チーム」は2戦続けてかなり厳しい戦いが続いています。レオン・キャミア(ホンダ)はタイのスプリントレースで他車との接触による転倒で膝を怪我してしまいましたが、どうやら手術の必要はなくアラゴンには出場する見込み。清成龍一(ホンダ)はタイのレース3では12位という今季最高位を獲得しましたが、この位置を走ることは彼が望むものではないでしょう。まだ1年目の新規チーム。苦しい戦いは続くでしょうが、ヨーロッパラウンドでの巻き返しに期待しましょう。
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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