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モーター スポーツ コラム 2018年10月11日

【スーパーバイク世界選手権 第12戦アルゼンチン プレビュー】4年連続の王座に輝いたレイの連勝街道は続く?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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ジョナサン・レイ(カワサキ)

ジョナサン・レイ(カワサキ)

「FIMスーパーバイク世界選手権」の12戦はアルゼンチンのサン・ファンで開催されます。「J SPORTS」では10月12日(金)~14日(日)に開催されるレースの模様を10月15日(月)にオンエア。

さて、前戦のフランス・マニクールのレースではジョナサン・レイ(カワサキ)が見事2連勝を飾り、2018年の「スーパーバイク世界選手権」の王者に輝きました。レイはカワサキに移籍して以来、4年連続での世界チャンピオン獲得。レギュレーションが変わり、彼のマシンに性能調整が加えられてもチャンピオンを獲得したわけです。現状、タイヤマネージメント能力で彼の右に出るライダーは現状居ないと言えるでしょう。そういう意味でも、その偉大さに輝きを増した感があります。

今季は開幕戦・オーストラリアでドゥカティが2連勝を飾り、選手権を取り巻く風向きは変わったかに思えました。昨年もチャンピオンを獲得したカワサキZX-10RRは性能調整として回転数を制限され、明らかにストレートスピードの速さを失いました。直線であっさりとライバルメーカーにオーバーテイクされるシーンも目立ち、苦しい立場に置かれていたわけです。しかしながら、ピレリのワンメイクタイヤで争う「スーパーバイク世界選手権」ではタイヤの使い方(マネージメント)が勝負の分け目となり、ホンダ時代から速さに加えてタイヤマネージメント能力に定評があったレイはその技術にさらに磨きをかけています。

レイは7月のアメリカ・ラグナセカから4戦連続の8連勝。果たして残りの2戦も連勝街道を突っ走ることになるんでしょうか。第12戦の舞台は南米アルゼンチンに舞台を移し、新たに3年契約を果たしたサン・ファンにあるエル・ビリクムサーキットです。約4.2kmの新設サーキットであり、各チーム、各ライダー全員が初めての経験という、なかなか珍しい状況での開催です。ある意味、チームの底力とライダーの引き出しが試されるレースと言えるでしょう。サーキットレイアウトの特徴としてはターン7~8にかけての長いストレートエンドでのブレーキング勝負に注目でしょうか。新設コースでレイが優勝するとなれば、さらなる賞賛が彼を待っていることでしょう。

逆に言うと、今季レイとトップ争いをしながらも最終的には影に隠れざるをえなかったライバルにとって、レイに打ち勝つビッグチャンス到来のレースが今回のアルゼンチン。予想外のライダーが優勝を飾る可能性も秘めています。その中でやはり注目はユージン・ラバティ(アプリリア)とロレンツォ・サバドーリ(アプリリア)のアプリリア勢でしょう。ラバティは後半戦になってアメリカ・ラグナセカ、イタリア・ミサノで3位表彰台を獲得し、ポルトガル・ポルティマオではポールポジションも獲得しました。サバドーリもフランス・マニクールで今季ベストリザルトとなる4位を獲得していますし、上り調子のアプリリアにも期待したいですね。

そして、同じイタリアンマシンのドゥカティにとってはチャンピオンは逃しましたが、現行マシンのドゥカティ・パニガーレRによるレースもあと2戦。有終の美を飾るためにも今回のアルゼンチンは攻めの姿勢で行きたいところです。チャズ・デイビス(ドゥカティ)、マルコ・メランドリ(ドゥカティ)が一矢報いることができるか。ストレートスピードの速さを活かしてレースを面白くしてくれるに違いありません。

またヤマハの2人、マイケル・ファンデルマーク (ヤマハ)、アレックス・ロウズ(ヤマハ)にとってもコースに対する適応能力の高さを見せたいレース。特にロウズは鈴鹿8耐以降で表彰台から遠ざかっている状況ですから、勝負しないといけないレースです。

そして、今回の開催国アルゼンチンのライダーもご紹介しましょう。今季唯一、アルゼンチン人でシリーズ参戦しているのがレアンドロ・メルカド(カワサキ)です。メルカドはアメリカのAMAでキャリアを重ねたのちにヨーロッパに渡ったライダーで、2012年に「スーパーバイク世界選手権」に参戦しました。その後、イタリア選手権で活躍。2015年にはドゥカティで「スーパーバイク世界選手権」に復帰し、多くのシングルフィニッシュを達成。昨年はアプリリアで参戦し、フランス・マニクールで6位フィニッシュも果たしています。カワサキにスイッチした今季はプライベートチームからの参戦でシングルフィニッシュはオランダ・アッセンの1回だけと苦しんでいますが、地元のヒーローとして中継映像でもフィーチャーされると思いますから、素晴らしいパフォーマンスを期待したい存在です。

ヨーロッパからいきなり南米へと飛ぶ「スーパーバイク世界選手権」。新設コースという慣れない環境の中で抜け出すのはどのライダーでしょうか。チャンピオンは決まりましたが、例年以上に内容の濃いシーズンになっている「スーパーバイク世界選手権」のレースをまだまだお楽しみください。

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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