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サイクル ロードレース コラム 2023年10月4日

【Cycle*2023 グラン・ピエモンテ:プレビュー】第107回大会はパンチャーや上れるスプリンター向け ワウトはグラベル世界選前の最終調整に選ぶ

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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グラン・ピエモンテ

グラン・ピエモンテ

伝統的に9月半ばからの1カ月間に集中するイタリアのワンデーレース。2023年エディションも着々と消化し、残すところ数戦。ここからは、ジロ・デ・イタリアなどを主催するRCSスポルトがオーガナイズするイベントが続く。まずは1906年初開催、今回で107回目を迎えるグラン・ピエモンテである。

この大会の初代王者は、当時“レッドデビル”と呼ばれ恐れられたジョバンニ・ジェルビ。以降、地元イタリア人ライダーを中心に勝者を輩出してきた。その中にはエディ・メルクスやジャモリディン・アブドゥジャパロフ、ダニエーレ・ベンナーティ、フィリップ・ジルベール、リゴベルト・ウランエガン・ベルナル……といった名も。

グラン・ピエモンテ ルートマップ

グラン・ピエモンテ ルートマップ

ここでピンときた方は、もはやサイクルロードレースマニア! そう、年によってコースが様変わりしており、勝者の脚質が一貫していないのだ。それでいて、「レースそのものやコースのテイストはさして変わっていないように見える」というのが、サイクルロードレースの本場・ヨーロッパでの評価。熱心なレースファンからすると、「まったくもって奇妙なイベント」なのだそう。

そんな奇妙なイタリアンワンデーレースは、ときおり財政難に陥りながらも今に至るまで開催を継続してきた。前述の通り、今年で107回目を迎える。“イメチェン”を繰り返すコースは今回、パンチャーや上れるスプリンター向けとの見方が強い。

ルートは、トリノから60kmほど北に行ったボルゴフランコ・ディヴレーアをスタートし、ドーラ・バルテア川に沿うようにして南下。中間地点を前に西に針路を変えると、ファブリアの街を基点とする周回コースへ。それまでの平坦から打って変わって、4つの丘越えをこなすことになる。

グラン・ピエモンテ 高低差図

グラン・ピエモンテ 高低差図

登坂区間は、コッレレット・カステルヌオーヴォ(登坂距離7.1km、平均勾配3.4%)、ファイアッロ(5.1km、5.4%)、アルペッテ(4.9km、9%)、プラスコルサーノ(4.4km、3.4%)。これらがフィニッシュ前60kmの間に集中。プラスコルサーノからの下りを終えた時点でフィニッシュまでは約3km。立て続けにやってくる4つの上りを終えた時点で集団に残っている選手たちが、優勝争いの有資格者になるだろう。レース距離は152kmと、ワンデーレースとしては短め。

グラン・ピエモンテ

グラン・ピエモンテ

シーズン最終盤の格式高きタイトルを賭けて、22チームがスタートラインにつく。うち、UCIワールドチームは15チーム。ビッグトピックは、ワウト・ファンアールトユンボ・ヴィスマ)の参戦だ。

ツール・ド・フランス、世界選手権ロードを終え、次なるターゲットを「グラベル世界選手権」に定めているワウト。8月下旬には同種目のUCIワールドシリーズに参戦するなど、脚づくりを進めている。9月にはツアー・オブ・ブリテンで貫録の個人総合優勝を飾り、ヨーロッパ選手権ではロード・TTでメダルを獲得。10月2日にはコッパ・ベルノッキを勝って調整は順調だ。グラベル世界選手権が10月8日に、この大会と同じイタリアはベネトで行われるので、このところのイタリアンワンデー連戦は準備にピッタリというわけ。当然勝って、マイヨ・アルカンシエルへ猛進といきたい。

もともとはイル・ロンバルディア前哨戦としての意味合いが強いこのレースだけど、今回はどうだろう。この秋絶好調でたびたび表彰台を確保しているマルク・ヒルシは、UAEチームエミレーツのリーダーとして参戦する。

おおよそ1週間後に控えるジャパンカップサイクルロードレース出場組の動向も押さえておきたい。昨年の宇都宮でブレイクし、先のブエルタ・ア・エスパーニャでの活躍も記憶に新しいアンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)は好調そのままに上位進出を目指す。バウケ・モレマリドル・トレック)は日本での4年ぶりの勝利を視野に捉えるべく、ここで勢いをつかめるか。ゲオルク・ツィマーマン(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)も、この一戦で好走できれば日本でのブレイクにつなげられる可能性が大いにある。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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