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バスケット ボール コラム 2024年8月20日

【オータムリーグプレビュー】昨年同様、本命不在の激戦が最後まで続く可能性大

バスケットボールレポート by 青木 崇
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日体大の小澤飛悠選手

100回目を迎える今年のオータムリーグは、1巡目と2巡目で1試合ずつ各チームと対戦する形で行われる。昨年は白鴎大がオータムリーグとインカレの二冠を達成したものの、上位校との実力差が紙一重。オータムリーグは専修大、日本大、日本体育大の3チームが13勝6敗で並び、5位と6位も東海大と大東文化大が12勝7敗という成績だったことでも明らかだ。

新年度の戦いを簡単に振り返ってみると、春のトーナメントで日本体育大、新人戦で東海大が優勝。初夏の新人インカレでは、新人戦でベスト4の中央大が頂点に立ったことでも、昨年同様に実力拮抗の戦いが繰り広げられる可能性が高い。

二冠の原動力となった脇真大が卒業してBリーグ入りした白鴎大は、トーナメントはベスト16、新人戦がベスト8という結果に終わった。網野友雄コーチが李相佰やウィリアム・ジョーンズ・カップなど、U22代表を指揮するために離脱した影響か、チーム作りに時間がかかっている。8月10日から行われたWUBSでは、最後のペルバナス・インスティチュート戦が唯一の勝利で7位に終わったが、網野コーチは「リーグ戦に向けていい準備になった」と前向きだ。

白鴎大で注目した選手は、司令塔でU22代表の佐藤涼成とフィジカルが非常に強い留学生のモンガ・バンザ・ジョエル。昨年U19ワールドカップを経験した小川瑛次郎と八重樫ショーン龍の3Pシューター陣に当たりが出ると、白鴎大のオフェンスはよりパワーアップする。昨年は負けた4試合の失点がいずれも76点を超えたが、昨年同様に多くの選手がディフェンスで貢献し、70点未満の試合を増やすことができれば、間違いなく上位に食い込んでくるだろう。

トーナメントで2連覇を成し遂げた日本体育大は、高さと長い腕を武器にペイント内のディフェンスで強烈な存在感があるムトンボ・ジャンピエール、昨年のU19日本代表で堅実な仕事をする小澤飛悠、シューターの石川響太郎らスターター5人のレベルは高い。2か月強で22試合を戦い抜くためには、彼らをバックアップする選手たちがステップアップできるかが成功へのカギになるだろう。

トーナメント2位の専修大は、特別指定選手として昨季三遠ネオフェニックスで活躍する試合があった浅野ケニー、U22代表でウィリアム・ジョーンズ・カップに出場した介川アンソニー翔、シュート力と非凡な身体能力を持つ松野遥弥ら、高い能力と可能性を秘めたタレントが揃う。昨年はリーグ戦もインカレも頂点まであと一歩という結果に終わったが、浅野、介川、松野がビッグ3を構成してチームを牽引できれば、頂点に立つことは十分にありうる。

トーナメントでベスト16敗退に終わった東海大は、新人戦で頂点に立った。2年前の高校バスケット界を沸かせた轟琉維を筆頭に、中川知定真、ルーニー慧、赤間賢人、佐藤友と将来有望な下級生たちがいる。また、留学生のセンターとしてムスタファ・ンバアイが入学したことで、インサイドの攻防で不利になる機会が減ることも、昨年までのチームとは違う。ただし、チームを牽引しなければならない選手は、4年生になったシューターの西田陽成だ。

昨年のインカレで3位だった筑波大は、トーナメントも新人戦もベスト8に残れなかった。チームとして出遅れた感もあったが、夏の台湾遠征で得た経験がリーグ戦でプラスに働いてほしいところ。ひざの大ケガから復活した岩下准平が、福岡大附属大濠高時代のような勝負強さとゲームメイクを見せられるかが、筑波大がいい結果を出すために欠かせない要素の一つになるだろう。

昨年のリーグ戦が3位、インカレがベスト8と悔しい結果に終わった日本大は、今年度のトーナメントも新人戦も5位。4年生となったコンゴロー・デイビットは、今年も得点とリバウンドでチームを牽引するだろう。アグレッシブさが持ち味の泉登翔がシュートで好不調の波が小さくなることと、2022年にU18代表だった山田哲汰の貢献度アップは、優勝争いに絡むためにも必要だ。

トーナメント3位の大東文化大は、非凡な得点力とゲームメイク力を兼備した塚本智裕に注目。オールラウンダーの可能性を秘めた富山仁貴を擁しているが、彼の能力を最大限発揮するには塚本の存在が欠かせない。学生選抜の一員として白鴎大に勝ったWUBSでは、肝心なところで3Pやドライブでフィニッシュできる勝負強さを、リーグ戦で発揮することが期待される。

ここまであげてきた大学は、いずれも頂点に立つチャンスがある。そんな中でダークホースをあげるのであれば、新人インカレを制した中央大とトーナメントでベスト4になった山梨学院大の2校。中央大は200cmの1年生ビッグマン、深澤桜太がFIBA U18アジアに出場による欠場が濃厚なため、序盤戦で出遅れないことが重要だ。久岡賢太郎と高山鈴琉のガードコンビが、得点源としてチームを牽引することと小川翔矢の3Pに当たりが出るかが、勝利を手にするためのカギになる。

トーナメントで4位となった山梨学院大は、東海大から84点を奪って勝利するなど、オフェンス力があるチーム。武内理貴という絶対的なスコアラーが卒業したものの、スヴェトリシック・イゴールがインサイドで奮闘し、野溝利一、中村千颯、齋藤晴がシューターとして相手の脅威になれる。U18代表の菅野陸は、即戦力の1年生ポイントガードとして注目に値する選手だ。


文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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