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北窓絢音(SAGA久光スプリングス)
今年3月に入り、『クライマックスSAGAシリーズ』と題して3週連続のホームゲームに臨んでいる女子のSAGA久光スプリングス。「大同生命SV.LEAGUE(SVリーグ)」の初代女王そして、国内リーグでは2021-22シーズン以来の優勝を目指す今季、ブレイクを果たしているのが入団2季目の若きエースアタッカー、北窓絢音(きたまど あやね)だ。
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学生時代からアンダーエイジカテゴリー日本代表入りを果たすなどポテンシャルを評価されてきた北窓の名前が全国区になったのは、山口の名門・誠英高校3年生時に出場した「春の高校バレー」こと、第75回全日本高等学校選手権大会。
代々チームに受け継がれる粘り強い『泥んこバレー』の中でも、北窓は高身長アタッカーであると同時に、サーブレシーブで高い安定性を発揮し、見るものは舌を巻いた。
高校を卒業後は久光スプリングス(当時)に入団。1年目は学びのシーズンを過ごすと、今季は昨年末の皇后杯令和6年全日本バレーボール選手権大会のファイナルラウンドで本格的にレギュラーに抜擢された。
そこでは「試合に出させてもらっている分、色々と『試す』というわけではありませんが、課題である攻撃の決定力についてなどを経験にしたいと考えていました。ボールはリーグ戦と違いましたが(SVリーグはミカサ製で、皇后杯はモルテン製)、サーブレシーブやディグの面では自信がついたと感じています」と語っている。
レギュラーとしてコートに立つなかで、のぞかせるのは負けん気の強さだ。口調はゆったりしているものの、言葉の端々からにじみ出る。例えば皇后杯の準々決勝、埼玉上尾メディックス戦では、相手のオポジット黒後愛とマッチアップする状況が何度もあった。
「私自身はブロックが課題で、対して黒後選手はほんとうに上手でアタックもどこに打ってくるかわからなかったです。半分あきらめていたと言いますか(笑)、後衛の選手に託していた部分はありました」と言いつつ、、「だからこそ、黒後さんを前にして決めきりたい思いで打ちました」と試合終盤にはスパイクを打ち抜き、決定的な仕事を果たしてみせている。
「どこに打ってくるかわからなかったのが悔しいですし、そこは自分が1枚ブロックでも止められる選手になりたいです」と自身の成長をにらんでいた。
日々成長を続ける北窓
その姿に酒井新悟監督も「皇后杯をフルで戦った経験が、彼女たち若手選手にとっては大きかったのではないかと。そこで出た課題としっかり向き合ってくれています。北窓はパス(レシーブ力)が強みで、ブロックもよくなってきました。まだまだ伸びしろはありますし、日々成長していると思います」と太鼓判を押す。
シーズンを通してプレー機会を与えられ、成長の日々は続く。決勝でヴィクトリーナ姫路に逆転負けを喫した皇后杯でも「経験をまだ自信に変えることができていない」。
「自分のメンタルの弱さを痛感しましたし、チームがピンチの場面で自分がいかに貢献するかをもう一度考えてリーグ戦を戦いたい」と唇を噛みながら意気込みを語っていた北窓。
以降も武器であるサーブレシーブでは、ほぼ毎試合で返球率40%台後半をマークすると同時に、2桁得点でチームの勝利に貢献する様子が見られる。身長183cmはやはり魅力で、安定した守備力を備えた大型アタッカーとして期待は集まる。
本人も自覚している通り、アタックとブロック双方のレベルアップと精神的な強さに磨きがかかれば、チームにとってリーグタイトル獲得の一手となりえる存在なのは確かだ。
文:坂口功将
坂口 功将
スポーツライター。1988年生まれ、兵庫県西宮市育ち。
「月刊バレーボール」編集部(日本文化出版)で8年間勤めたのち、2023年末に独立。主にバレーボールを取材・執筆し、小学生から大学生、国内外のクラブリーグ、そしてナショナルチームと幅広いカテゴリーを扱う。雑誌、ウェブメディアへの寄稿のほか、バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説も務める。
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