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過去最多勝利数を更新中のVC長野は「もっともっと上を目指したい」。1つの白星から得る自信を重ね、さらなるジャンプアップへ
SVリーグコラム by 坂口 功将フルセットにもつれこんだ試合における《不敗神話》も継続中のVC長野
今季のVC長野トライデンツは一味違う。それは数字の上でも明らかだ。
チームとしては国内リーグの最上位カテゴリーに参戦した2018-19シーズン以降、レギュラーシーズンの最多勝ち星は2021-22、2022-23シーズンに記録した5。それが今季は折り返し地点となる第12節(1月11日〜12日)を終えてすでに5勝をあげ、その後も勝ち星を伸ばしている。
なかでも最多勝利数を更新する6勝目をあげた、今年1月18日の試合は強烈だった。それまでの4戦でいずれもストレート負けを喫していたウルフドッグス名古屋に対して、2時間53分におよぶフルセットの激闘を制してみせる。とくに最終第5セットは「最後まで高い集中力でプレーしてくれた」と川村慎二監督が評価したように、選手たちはWD名古屋が誇るビッグサーバー陣に対してサーブレシーブで耐え、さらに相手のアタックに対してはブロックとディグの関係性を構築し決定機を与えなかった。相手サーブに崩されて攻撃が機能しないのが負け試合で見られた傾向だったが、この日は試合の入り方そして試合中の対応力も光り、そこに高い集中力が合わさって劇的勝利をつかみとったのである。試合後、選手の誰もが「自信につながる勝利になった」と口をそろえた。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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【限定】大同生命SVリーグ 2024-25 男子 第16節 ヴォレアス北海道 vs. VC長野トライデンツ(02/22)
配信期間 : 2025年2月22日午後1:25 ~
もっとも今季のVC長野はシーズン早々から“一味違う”予感をただよわせていた。昨年10月13日、ジェイテクトSTINGS愛知との開幕節2日目でさっそく今季初白星をゲット。リーグ戦の序盤でチームの完成度が最高潮にないのはどこも同じとはいえ、相手には関田誠大や宮浦健人、小川智大と日本代表の面々が並んでいた。この白星には川村監督も「あれでチームに勢いがついたと思います。いつもなら開幕から連敗が続いてしまい、沈んでしまっていたが、そうならずにその後も戦うことができましたから」と振り返る。
たかが1勝、されど1勝だ。その試合では2本のサービスエースに加えてサーブ効果率19%と高い数字を残したエースの工藤有史も「もちろんどの試合も勝つ気持ちで臨んでいるのですが、ここ数年はその1勝が遠かったので。なんとか早く1勝目をあげたいと思っていました。まさか1週目で勝てるとは思っていなかったですけどね(笑)。でも、気持ちの面でとても楽になりました」と、その勝利の大きさを受け止めていた。そうした心理的な要素も、以降の戦いぶりにつながったのは確かだろう。
WD名古屋からの勝利した試合後の記者会見で、リベロの備一真は「6勝だけでなく、もっともっと上を狙えるんじゃないか、そこを目指したいという気持ちが今日で強くなりました」と意気込みを口にした。その一方で川村監督は「冷静に振り返ると、『ここで決めたら』
『ここで決められるのに!!』という場面がとても多かったので。そこをとりきれないのは我々の弱さですね」と分析も。それはチームの伸びしろと言えそうだ。
今季はフルセットにもつれこんだ試合における“不敗神話”も継続中のVC長野。自信と課題克服の向上心を胸にまた一つ、勝利をつかみにいく。
文:坂口功将
坂口 功将
スポーツライター。1988年生まれ、兵庫県西宮市育ち。
「月刊バレーボール」編集部(日本文化出版)で8年間勤めたのち、2023年末に独立。主にバレーボールを取材・執筆し、小学生から大学生、国内外のクラブリーグ、そしてナショナルチームと幅広いカテゴリーを扱う。雑誌、ウェブメディアへの寄稿のほか、バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説も務める。
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