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バレーボール コラム 2025年2月12日

入団2季目で主将としての重責を背負う東レ静岡の重藤トビアス赳「チームが沈んでいるときに引き上げられるようになりたい」

SVリーグコラム by 坂口 功将
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チームを鼓舞する重藤トビアス赳選手(写真中央)

チームを鼓舞する重藤トビアス赳選手(写真中央)

“世界最高峰”を目指して装い新たにスタートした国内トップカテゴリーの「2024-25 大同生命SVリーグ」。そこでは選手の移籍が例年以上に活発化し、主力の顔ぶれがガラリと変わったチームもいる。その一つが男子の東レアローズ静岡だ。例えば直近3季連続でブロック賞に輝いた髙橋健太郎はジェイテクトSTINGS愛知へ、攻守の要だった富田将馬は大阪ブルテオンへと移籍。さらにはOBである阿部裕太コーチが今季から新しく監督に就任した。

チームも2026-27シーズンから実施予定の「SVリーグ男子の完全プロ化」を踏まえて、事業会社を立ち上げるなど体制を変化させている。そんなチームで今季からキャプテンを務めるのが、アウトサイドヒッターの重藤トビアス赳。入団2季目の、バリバリの若手である。

キャプテンを引き受けた理由について、「断って1シーズンを過ごすほうが窮屈だなと思って」と重藤。いざ開幕したレギュラーシーズンでは黒星が先行し、11月中旬までに最大7連敗を喫するなど苦しい時期も味わった。昨年末の天皇杯全日本バレーボール選手権では「自分がキャプテンをやることがチームのためになっているのか。なっていないから、この結果だと思うんですけど……」と本人は自らを戒めるように口にしたが、「練習の中でもっともっと詰められる部分はあるんじゃないかと。それに、普段から厳しく発言することが少ない自分が要所でアクションを起こすことで引き締まるかなと感じています」とその重責と向き合っている。

実際に試合中のタイムアウトでは、たとえリザーブの立場であってもコートに立つ選手たちのそばで積極的に声をかける重藤の姿が見られる。入団2季目とあって発言に躊躇しても然りだが、「言いにくいところがあると言えばありますけどね(笑)。でも、戦術的な話は言いやすいので。アナリストからの情報に加えて、選手目線で感じたことを伝えられたらいいなと思っているんです」と“キャプテン”はほほえむ。

そんな様子を見て、阿部監督もこのように評価した。

「キャプテンになりたての頃は、自分なりのキャラで頑張っていこう、としていました。ですが、チームがうまくいっていない状況では、それだと足りず、本人も変わる必要がありました。そこが課題でしたし、変わってほしいという願いを込めてキャプテンにしたんです。得点を決めたあとや失点をした場面、そうしたときのしぐさから責任感が見受けられますし、変わりつつあるのかなと。今はキャプテンにして間違いなかったと思っています」

重藤自身は、“自分に求められることが明確なほど力を注げる”タイプ。中学1年生時にバレーボールを始めたのも、部活の人数が足りず、助っ人を乞われたからだった。

「今はキャプテンという立場もあるので、まずは自分のプレーも安定させないことには発言も響かないと思います。常に一定のパフォーマンスで、チームが沈んでいるときに引き上げられるようになりたいですね」

自分の役割を確かめながら。気づいたときにはそれがきっと、彼なりのチームへの貢献になっているに違いない。

文:坂口功将

坂口 功将

スポーツライター。1988年生まれ、兵庫県西宮市育ち。
「月刊バレーボール」編集部(日本文化出版)で8年間勤めたのち、2023年末に独立。主にバレーボールを取材・執筆し、小学生から大学生、国内外のクラブリーグ、そしてナショナルチームと幅広いカテゴリーを扱う。雑誌、ウェブメディアへの寄稿のほか、バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説も務める。

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