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札幌ドームで行われた日本代表とU-24日本代表の試合は、日本代表が3対0で勝利。「貫録勝ち」というところだろうか。U-24代表もボール保持の時間は長く、シュート数でも互角だったが、決めるべきところで決め、守るべきところで守るという意味で、内容的には日本代表(以下「A代表」)が格の違いを見せた試合だったと言える。
もっとも、U-24代表にとっては急遽開催が決まった試合だったし、中1日でU-24ガーナ代表と対戦するというスケジュールの中、けっしてベストメンバーを組めたわけではない。
一方、A代表はオーバーエイジで吉田麻也主将や遠藤航など守備の中心選手が抜かれていたものの、その他のポジションはベストメンバーを組んで対戦した。攻撃陣は大迫勇也をトップに2列目には南野拓実と鎌田大地、原口元気とレギュラー格が並んでおり、チームの完成度としてもU-24代表よりもだいぶ上だった。
つまり、個人能力でもチームの完成度でもA代表が優位に立っていたのだ。
ところで、A代表とU-24代表の対戦が決まったことで、急に注目が集まったのが1980年12月に行われた日本代表対日本代表シニアの試合だった。もう、40年以上も前の話だ。この試合では日本代表が2対3で敗れたのだが、これは当時は当然のことのように思われた。
まず、当時の状況を考えてみよう。
2020年の「兄弟対決」と全く違うのは、この時は「日本代表」の方が若手であり、「シニア代表」こそがもともとの代表だったのだ。たとえて言えば、今回のU-24代表の方を「日本代表」と呼んだようなものだ。いや、当時の日本代表はU-24よりも若いチームだった。
20歳前後の風間八宏や金田喜稔、木村和司などが中心であり、U-24よりさらに若いチームだったので、シニアの勝利は当然のことのように感じられたものだ。
日本代表がなぜそんなに若返ったのか。それを理解するには、まず、当時の日本代表の最大の目標はワールドカップではなく、オリンピックだったということを知っておく必要がある。
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