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終盤での名古屋の反撃を見ても分かるように、名古屋にも十分な実力はある。だが、川崎は試合運びのうまさの前に、名古屋はその力を発揮させてもらえなかったのだ。
どんな戦い方でもできる川崎フロンターレ。高い技術に裏打ちされた引き出し(選択肢)の豊富さは、まさに「常勝チーム」ならではのものだ。
さて、この2連戦はきわめて変則的なスケジュールだった。
僕は、この2試合を“ファーストレグ”、“セカンドレグ”と書いてきたが、実際にはこの2試合はただのリーグ戦の中の2試合に過ぎない(名古屋ホームが第22節の前倒し分、そして川崎ホームの試合は第12節)。
リーグ戦の合間にカップ戦の試合が繰り込まれて連戦となることはどこの国でもよくあることだが、リーグ戦の中での2連戦というのは珍しいことだ(チャンピオンズリーグではグループステージの第3節と第4節で連戦となるが)。しかも、“ファーストレグ”の前には川崎には中10日、名古屋には中6日の準備期間が与えられ、さらに4月29日にも5月4日にも、川崎と名古屋の決戦以外の試合は組まれていなかった。
まさに、「決勝戦」的なスケジュールとなってしまったのだ。昔、Jリーグが2ステージ制だったころの「チャンピオンシップ」を思い出した。
この決戦を終えて、ACLに出場する川崎と名古屋は14試合を消化したことになったが、他のチームはだいたい12試合程度が終了したところ。20チームで争われている今シーズンは第38節まであるので、リーグ戦はまだ3分の1程度が終了したに過ぎない。
そんな時期に首位決戦が終わってしまったのはリーグ戦としてははなはだ変則的というか、山場をこんな時期に終わらせてしまうのは実にもったいない限りだ。
ただ、「2連戦」という形式はとても面白かった。
“ファーストレグ”では、名古屋が消極的な入り方をしてしまったのに付け込んで川崎が強いボールを使ってインテンシティの高い戦い方で圧倒。その反省を踏まえて“セカンドレグ”では名古屋もアグレッシブに戦ったが、それを見た川崎はその名古屋のプレッシャーをかわしながらセットプレーを使って勝負……。そうした、両チームの駆け引きの面白さは連戦だったからこそのものだった。
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